Ep:152 煙幕
「そういう事じゃねえんだよ…!」
ブルートはクリスの言葉に呆れていた。
「ここに現れた化物について、何か知ってる事は無いですか?
僕はクリスに聞く。
「さぁ、オレはその化物は見てないからさ」
その答えに僕は溜め息を吐く。
「へぇ、意外にまだバレて無いんだ」
突然入り口の方から声がし、僕達は同時に声がした方に振り返る。そこには、目の下に雫型の模様が入った、僕達とあまり変わらないくらいの男の子が立って居た。
「誰だ!?」
この機巧都市に一番詳しい筈のクリスが言う。それを聞くに、機巧都市の人間じゃ無い事が分かった。
「そんなに警戒しなくても。ボクはJokerだ」
「Joker…?」
「お前…!トイフェルの仲間か…!?」
ブルートがJokerと名乗った男の子…いや、男に言った。
「やだなぁ、仲間じゃ無いよ」
そう言うJokerの瞳には、全く生気を感じない。
「ボクとトイフェルは利害が一致しただけ。彼はボクに興味が無いし、ボクは彼に興味が無い」
「だとしても僕達の敵には変わりない…!」
僕はそう言って剣を抜く。
「なるほど、敵意を見せる訳か…」
そう言うとJokerは何処からともなく小さな球を四つ取り出した。Jokerはそれを床に叩きつける様に投げた。
「なっ…!?」
「何だ!?」
ブルートとクリスが驚いて声を出す。叩きつけられた球は破裂し、中から煙が昇って来た。それは建物全体を覆い、僕達の視界を遮る。
「じゃ」
Jokerの声がすると、僕とブルートの間で風が起こった。
「うわっ!?」
クリスの声も聞こえた。
「クリス!?」
ブルートが声を掛けても返事がない。
「ライト、外に出るぞ!」
そう言ってブルートは入り口の方に走った、と思う。僕も煙の流れを辿って外に出た。
「ブルート…!」
声が聞こえ、前を見ると、Joker腕に首を掴まれているクリスの姿があった。ブルートが、クリスを助けようと前に出る。
「ちょ~っと待った~それ以上近付くとボク諸共爆発するよ?」
そう言ってJokerは朱い球を一つ出す。
「この…!卑怯な…!」
「卑怯?誉め言葉だね」
Jokerはそう言ってもう一つの球を出す。それはさっき煙幕を出した白色の球だった。Jokerはそれを振り上げる。僕は、その瞬間時間を止めた




