Ep:153 停止
時間の止まった世界で、僕はJokerの姿を確認する。クリスを捕えている手に朱い球を持ち、振り上げた手には白い球を持っている。僕はクリスをJokerから引き離す。そして、振り上げられた手から白い球を取り、朱い球と交換した。ブルートの所まで戻り、爆発に備えて魔法防壁を張った。
「素早い炎…?」
ブルートは踵から炎を噴き出し、Jokerに肉薄しようとする。だけど、直ぐにクリスが居なくなった事に気付いて止めた。
「ん?」
Jokerはクリスが居なくなった事に気付き声を漏らすが、もう遅い。僕が交換した球は投げられ、地面に叩きつけられた。その瞬間朱い球が爆発し、爆風が魔力防壁に吹き付けた。
「え?は?え!?」
クリスは状況が読めないと言う様に驚く。
「ライトお前…」
「うん、そう」
ブルートが考えている事は何となく分かった。段々と黒い煙が晴れて行く。これでJokerは倒せたと思っていた。しかし、黒い煙の間から、人の影が見えていた。
「駄目か…!」
ブルートも影に気付き呟く。
「ゴホッ…!ゴホッ…!何が起こったんだ…?」
煙の奥から声が聞こえる。咳込むような声とは裏腹に、Jokerの影は微動だにしない。
「ちょっと待てよ…!急にオレ移動して…!?」
クリスは未だに戸惑っている。
「ブルート、説明お願い」
「お、おう…!」
「クリスが吹き飛ぶくらいの威力の筈の球が、何で効かない…?」
僕はJokerに聞くような、独り言のような事を言う。地面も黒焦げにはなっているけど、大きな損傷は見られなかった。
「知りたい?」
若気るJokerの言葉に、僕は小さく頷いた。
「良いよ、教えてあげる。この球は、ボクが生み出した魔法の塊。ボクの意思に応じて威力や能力を変えられる」
そう言ってJokerは薄い青色の球を出す。僕は構え、時間を止めた。そしてJokerの背後に回った。時間の流れを元に戻す。
「それだとしても、僕はお前を倒す…!」
僕はJokerの首に目掛けて剣を振るう。その瞬間、Jokerは手に持った球を地面に叩きつけた。すると、Jokerの姿が、僕の前から消えた。
「ほっ…!」
突然僕の隣からJokerが現れ、僕は脇腹を蹴られる。体勢を立て直し、ジョーカーの方を向きなおすと、僕はアサルトショットの構えを取った。
「アサルトショット!!」
その瞬間、僕は無属性の魔法弾を大量に連射した。




