Ep:143 抵抗
「貴様!何をしている!?」
騎士の言葉に驚き、ふと我に返ると、僕の左腕に注射器が刺さっていた。トイフェルはその注射器の中身を僕の体の中に注入する。
「おい!離れろ!」
その声と共に、騎士がトイフェルに近付くのが目に入る。しかし次の瞬間、トイフェルは青緑色の魔法の剣を出し、騎士の首を薙いだ。そして、僕の体の中に注射器の中身が全て入り込んだ。
「うぐッ…!?」
僕はようやく注射器を引き抜き、トイフェルの手を払う。
「もう遅いさ…!君の体の中にはエルの血が入った…!」
そう言ってトイフェルは僕の顎を掴み、目を合わせる。その瞬間、僕の意識は吸い込まれるように消えた。
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気が付くと、また真っ暗な空間に居た。
『また来たのか…人間…』
その言葉に驚いて振り返ると、そこには魔王、ディザストが居た。
「ケントニス様…」
僕は思わず呟く。
『遂に我の力も取り戻されつつある。後は我が肉体だけだ。それまでの間、貴様の身体を借りるぞ…!』
その瞬間、僕の意識はディザストに持って行かれそうになる。
「させない…!」
僕は意識を強く保ち、ディザストに乗っ取られそうになるのに抵抗する。
『何…!?』
「そっちが学習するって言うなら、僕だって学習するんだ…!」
そう言って僕は、自分に伸ばされたディザストの手を払い除ける。そして、その意識を抑え込んだ。
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僕は意識が戻った後、直ぐにトイフェルに向かって拳を突き出す。
「なっ…!?」
トイフェルは咄嗟に時間を止めたのか、僕の前から姿を消した。
「はぁ…!はぁ…!」
僕は息を上げ、その場にしゃがみ込む。騎士の血の匂いを嗅ぎながら、少しの間息を整えると、僕は報告するために急いで螺旋階段を駆け上った。




