表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
141/310

Ep:141 前進

 目が覚めると、僕は本部の医療室に居た。


「う…うぅ…」


全身が痛む…僕はゆっくりベッドから体を起こす。


「いてて…」


ベッドから降りて、水を飲む。すると、医療室に誰かが入って来た。入り口を見ると、入って来たのはブルートだった。


「ブルート…!どうなったの…!?」


僕はブルートに近付き、僕が気絶した後の事を聞く。すると、ブルートは一瞬僕の方を見て、直ぐに俯いた。


「ライト…起きたのか…」


「ねぇ…!どうなって――うぅ…」


僕は無理に声を出した所為で体を痛める。


「おい、無理するな…!取り敢えず寝ろ…!」


ブルートはそう言って僕の手を掴み、ベッドに向かって引っ張る。僕はベッドに腰を下ろし、ブルートを見上げた。


「良いか…今からとんでもない事を話すぞ…」


僕は真剣な表情のブルートに頷く。すると、ブルートは僕が見ていなかった事、僕が気絶した後の事を話しだした。


------------------------------------


「そんな…」


僕はそれしか言う事が出来なかった。ブルートが教えてくれたのは、大まかに、ダギル大尉が殺された事、レーラール先生がJ(ジャック)だった事、エルが連れて行かれた事の三つだった。後は、トイフェルが捕まった事を教えてくれた。


「俺だって自分の口から言うのは辛い…」


「ねぇ!茜と葵は!?何でエルを!ダギル大尉を助けられなかったの!?ねぇ!」


僕はブルートに掴みかかる。ブルートは黙って何も言わない。暫く僕はブルートに向かって怒鳴り続けた。すると突然、ブルートが僕の腕を掴んで引き剥がし、今度は僕の胸倉を掴む。


「アイツらにだってどうしようも無かったんだよ!」


突然怒鳴り返されて僕は冷静さを取り戻す。


「ごめん…自分の事しか頭に無かった…他人を考える余裕が無くて…」


僕はそう呟き、肩の力を抜く。ブルートは僕の胸倉から手を離し、僕は尻餅を突くようにベッドに座った。


「国王も不在、団長も決まらないで銀鷲騎士団は無くなるってよ…」


「え…?そんな…!?じゃあ僕達どうすれば…!?」


「俺に聞くなよそんな事…!こっちだって一杯一杯なんだよ!」


僕はその言葉に俯く。何もかも失って、僕とブルートは途方に暮れていた。その時、もう一人医療室に入って来た。


「大丈夫か?」


そう言って垂れ幕の陰から姿を現したのは、ドミヌスさんだった。


「ドミヌスさん…」


僕は呟く。


「話は聞いたぞ。銀鷲が無くなるんだってな…」


僕とブルートは俯いて頷きもしない。


「アンタは良いよな、昔関わりがあっただけで今は関係ないなんて…俺は黄金獅子の騎士だけどよ、銀鷲に沢山世話になったんだよ…」


ブルートは俯いたままドミヌスさんに言う。


「そうだな…俺には関係ない」


その言葉に何かが切れたのか、ブルートはドミヌスさんの胸倉を掴んだ。ドミヌスさんは動じず、何も言わない。


「くっ…!」


ブルートは歯を食いしばり、ドミヌスさんを離す。


「俺に銀鷲騎士団は関係ない。でも馬鹿にしている訳じゃ無い。お前ら、後ろばっかり見て前に歩けるか?」


「え…?」


僕は顔を上げ、思わず声に出す。


「俺はもう一度、騎士団長の座に就く事にした。だがそれは銀鷲じゃない」


「どういう事だ…?」


「銀鷲が無くなるのは惜しいが、俺には荷が重すぎる…だから俺は新しい騎士団を作る」


「え…!?」


「何だと…!?」


僕とブルートは驚き、同時に声を上げる。


「団員には少数精鋭を希望する。お前らに声を掛けるつもりだったんだが、その様子なら断られそうだ」


「え…!?そんな…!僕入ります!」


僕は慌てて立ち上がる。その所為で太ももが痛くなった。


「お前は?」


ドミヌスさんはブルートに聞く。


「俺も…入る…いや、入らせて下さい…!」


「分かった、だが言っておく。俺に人を指揮する資格は無い。自分の命は自分で守れ…!」


僕とブルートは同時に頷いた。

 ようやく第四章を終えられる目処が立ちました。


お待たせして、大変申し訳御座いませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ