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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
102/310

Ep:102 身体

 気が付くと僕は、真っ暗な空間に居た。段階(フェーズ)が上がる時に来る場所…いや、僕の脳が認識しているだけかも知れない。


『我が力ノ覚醒ヲ進めヨウ…』


頭の中に声が響く。その瞬間、僕の体が熱くなる感覚に襲われた。


「あぐ…ッ!」


心臓の鼓動が早くなる…額に汗が滲む…苦しい…その時、今まで聞いた事の無い言葉が聞こえた。


『貴様の身体、借りルゾ…』


その瞬間、僕の意識は途切れた。


------------------------------------


 王宮近くの屋敷の屋根に、二人の男が立って居る。一人は濃紺の髪を後ろで一本に結び肩まで伸ばした男、トイフェル=クレアシオン。もう一人は、白銀の髪をした左右で目の色の違う少年、ライト。


第四段階(フェーズフォー)は完了――ん…?」


トイフェルは呟くと同時に、ライトの異変に気付いた。ライトは俯き、その足まで伸びた痣が段々と顔の右半分を埋め尽くしてくる。右手の形が変形し、指先が赤黒い爪の様に鋭くなる。ライトはその手を上に向け、顔を上げた。


「これは…!?」


トイフェルは危機を感じながらも、嬉々として声を上げる。ライトの右の瞳は紅く輝き、その表情は悪意に満ちた笑みを浮かべていた。


「久しいナ…こノ子供の身体を使ウのハ…」


ライトの身体をした異形の者は、ライトの声の様でそうでは無い声で言う。


「我を呼び覚マす者ガ居るのは感付いテいタが…コうも早く外に出ラれるとハ…感謝するゾ、人間」


異形のライトは、一拍置いて続けた。


「死ネ」


それと同時にライトの姿が消える。そして、次の瞬間トイフェルの背後に現れた。トイフェルは一瞬で振り返ると同時に剣を抜き、その首に突き付けられる筈の爪を防ぐ。それを見てライトは更に若気る。


「ホゥ…?」


ライトは一度飛び退き、トイフェルとの間合いを開ける。


「あの時ハ子供の魔力切レの所為で暴れ足リなかったからナ…存分ニ楽シませてもらウぞ」


そう言うとライトは再び姿を消す。トイフェルは悉くライトの攻撃を防ぐ。流れが変わり、今度はトイフェルがライトに攻める。しかし、ライトは第二段階(フェーズツー)第三段階(フェーズスリー)の力でトイフェルの攻撃を全て躱す。


「古の魔王様には剣撃は通用しないですか…!」


そう言ってトイフェルは剣を突く。それはライトの喉元を狙った一撃だった。しかし、ライトは体を大きく反らし、略九十度まで曲げてそれを躱した。トイフェルは飛び退き、本来のライトが持っていた剣を屋根から蹴り上げ両手に剣を持つ。


「貴様ラ人間はこの力の事ヲこう呼んでいたナ、段階(フェーズ)ト…ならバそれに則っテやろう。こレガ第四段階(フェーズフォー)の力ダ…!」


ライトはそう言うと、右手をトイフェルに向けて突き出した。するとそこに魔力を集中させ、火属性の魔力を生み出した。ライトは生成した火球をトイフェルに向けて撃ち出す。


「魔法か…」


トイフェルは呟きながら火球を弾く。すると、ライトは次に水属性の魔力を生成した。


「何…?まさか…」


トイフェルの言葉を他所に、ライトは水球を放つ。トイフェルは火球と同じ様に弾き飛ばす。その奥で、ライトは更に風属性の魔力を生成する。小さな竜巻の様な風は、屋敷の屋根を抉り飛ばしながらトイフェルに近付いて行った。


「やはり予想は合っていそうだな…!事実上(ディファクト)()(クロノ)()統べる者(ルーラー)


トイフェルが呟くと、一瞬にしてトイフェルの位置が移動する。風は誰も居ない場所を抜けて行った。


「まだダ…」


ライトは呟く。その瞬間、トイフェルはある事に気付いた。トイフェルの周りに多数の屋根の破片が浮いていた。


「地属性…」


ライトの笑みと共に、その破片はトイフェルに向かって降り注いだ。

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