断罪6
モニターの画面が消え、静寂が訪れる。
「クククク・・・」
気がふれたのか急に笑い出す・・・
それは会場に響きわたり生徒たちは言葉をなくす。
普段の彼の姿を知っているからこそ動揺したのだ。
『あれは誰だ――――――?』
『オレたちは騙されていたのか?』
いつもなら簡単に彼らの様子に気づくはずが、今は全く気づかない。
彼の視線と意識は風紀委員長に全て注がれたいたからだ。
まさか彼らが告白するとは思わなかった。これは想定外のことだ。しかしこれだけで私を裁くことなんてあり得ない。
「こんなものが証拠になるなんて思っているんですか?」
「何だとっ!」
「こんなでたらめ、誰も信じませんよっ」
副会長の最後の悪あがきに沈黙していた会長が口を開いた。
「それは、どうかな?」
「何がですか?」
「お前は親衛隊に解散され副会長の任を解かれた。オレも島崎も小野寺も承認済みだ」
「そうですね。でも・・理事長はどうしたのですか?あなた方の承認があっても理事が承諾しないと執行されないのはご存知ですよね?」
「・・・・そうだ、理事長の承認が必要だ・・」
会長の言葉に誰もが悔しそうに顔を歪めた。
副会長という仮面をかぶりながら陰で悪事を働いていた彼に誰も裁くことができないのかと思われた。
「・・・・だそうだ。調査は終わったんだろう?いい加減に正体を明かしたらどうなんだ?」
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