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【60万PV感謝】大魔女ディケーの異世界百合な日々!~元アラサーの私が転生先で美女達からグイグイ迫られる件~  作者: 漁業フリーダム
第2部-3 銀雪の死妖姫《イモータルプリンセス》

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第95話 孤児院の姉妹たち

「ブランディルは多種多様な産業で成り立ってるんだわ。

 まずは林業、周りにこれだけ木が生えてるなら活用しない手はないわな。

 亜人の中でも体格の良い奴が仕事に就いてる事が多い。

 切った木は建築や家具、食器やらに幅広く使われてるよ。

 だから大工や家具職人なんかもちらほら居るね。

 寒い地方に特化した多毛種の牛や羊の放牧もやってるし、それらの肉を使った料理は昔から評判が良い。

 希少なアイスワインの生産を昔からやってるワイナリーなんかもあって、通な酒飲みが毎年この時期になると大勢やって来て……まあそれも全部、姫様あってこそだな」

「なるほどー」




 翌日。

 ブランディル自治領のふもとの村に出向いた私は、フラッと立ち寄ったホットワインのバーでマスターからして貰った村の産業についての話に聞き入っていた。

 いや、それと言うのも……。

 ヴィーナと同じく自治領なのにブランディルの方が産業や観光的には発展している事に、ナタリア様がライバル心を燃やしたみたいで……休暇でブランディルに行くなら、ついでに産業や観光についても根掘り葉掘り聞いて来い、って言われちゃって……。




「姫様は産業に特化した物作りを推進しておられるんでな。

 ブランディルに住みたいなら、まずは地域の産業に何らかの形で携わる必要がある。

 公国と帝国の戦争が終結して以降は他の地域への特産品の輸出なんかも始めたし、そのおかげで観光客も増えてな。

 ひと昔前なら亜人の住む自治領って事で奇異の目で見られてたもんだが……これも時代なのかねえ」

「今は多様性の時代ですからね」




 時代の変化に合わせた生き方も、時には必要なのかもしれないわね。

 寒さの厳しい気候の地方だし、昔から助け合って生きてきたブランディルの人達からすると、いきなり観光客が押し寄せるようになって多少の息苦しさなんかもあるのかもだけど……。




「むっ! このホットワイン、凄く美味しい!」

「ここじゃカカオやらコーヒー豆は栽培には適さないんでな。

 昔から冬場の飲み物はホットワインなのさ」

「この地域ならではの冬の飲み物なのね」




 シナモンとレモンの香りがワインに溶け込んでて、身体が芯から暖まりますやんか!

 子供達がいつか大人になった時、またここに遊びに来て、飲ませてあげたいわあ……。




「(子供達と言えば……)」




 ライアとユティは、今日は私とは別行動なのよ。

 シェリルの城を出てから村に着くまでは一緒だったんだけど、村の中を2人で色々見て回りたいらしい。

 まあ、その気になれば魔力感知してすぐに探せるし、2人とも5歳の割には時々私よりもしっかりしてるから、大丈夫だとは思うんだけど。

 お昼御飯の時間帯になったら村の食堂で落ち合う約束だしね……。




「マスター、次はこれを頂ける?

 オレンジとハチミツ入りの」

「いいとも。飲みねえ」




 それまで母様はホットワインで暖まってますね……ふう。ほっこりする……。





****





「アンタ達、観光客? 見ない顔ね」

人間ヒューマン? でも強い魔力を感じる……」




 一方その頃。

 母ディケーと別行動中のライアとユティは。

 2人で連れ立ってブランディルの村を見て回っていると、村の一角の教会に併設された孤児院の前を通りすがろうとした際、不意に呼び止められていた。




「?」

「こっちこっち」




 呼び止めたのはライア達より少し年上の亜人の少女達だ。

 孤児院の前で雪だるまを作って遊んでいたらしい。

 それぞれ頭から犬のような獣の耳や防寒着を纏った腰の辺りからフサフサとした尻尾を生やしているのを見るに、獣人のようだった。

 雪国育ちのせいか肌が白く、容姿に恵まれたのか目鼻立ちも良い少女達である。

 粉雪の舞い散る寒空の下、絹糸のように白く長い髪が太陽に照らされ、キラキラと輝いていた。




「私達の魔力が見えるの?」




 呼び止められた事に気づき、雪道で歩みを止めたライアが問い掛けると。

 獣人の少女達は答えて曰く、




「見えるよ。

 赤い髪のアンタは火と光。

 青い髪の方は水と風」

「合ってる?」

「合ってる! すごーい!!」




 見事に自分達の生まれ持った系統の属性に加え、最近目覚めたばかりの第2の属性も言い当てた少女達に興味を覚えたのか。

 ライアはとてとてと少女達のもとへと駆け寄って行く。




「おい、ライア……やれやれ」




 呼んでも戻ってきそうもない。

 仕方なく、ユティも呆れ顔になりながらもライアの駆け寄った方へと足先を変えた。




「アタシはローラ。

 こっちは妹のベルタね」

「私はライア。

 で、あっちが妹のユティ」

「おい、ライア。

 私が姉で、お前が妹だぞ」

「はあ!?」

「何だ、文句あるのか」

「なにさー!!」






 ズ ズ ズ …… !!!






「あー、はいはい。

 アタシらの家の前で喧嘩しないでくれる?」

「あはは。アンタ達、面白いね。

 もしかして、亜人だったりするの?

 ……立ち話も何だし、少し寄ってく?」




 クイクイ、と。

 ローラとベルタ、2人の獣人の姉妹が指差したのは、村の孤児院だった。




「チキンスープくらいなら出せるけど?

 今日のは結構デカい鶏肉入りなんだ」

「食べながらでいいからアンタ達の話、聞かせてよ」

「チキンスープ!」

「仕方ない。いただこう」




 ーーー存外、ホイホイとついていってしまうライアとユティだった。


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