反撃の機会
俺はこの瞬間を待ち望んでいた。アルザックが至近距離で攻撃を打ち込んでくるこの時を…。
俺はスキル【時間操作】を使い、アルザックの動作を止めた。そして、俺は距離を取りアルザックが殴ろうとしているところに棘を生成させた。
アルザックの時間が進み始めるとアルザックは右手は棘に貫かれた。そして、右手からは血が飛散した。
右手を棘から抜いたアルザックの顔は鬼の形相であった。俺とアルザックの間には冷ややかな空気が流れた。
「俺の右手を良く傷つけたな。褒めてつかわそうじゃないか」
「お前は、自分がどれくらい強いと思ってるんだ?」
「ふっ!愚問だな、少なくとも貴様よりかは強い。」
「それは困ったな。」
俺は自分の強さを過信しすぎているアルザックに苛立ちを覚えた。強いという事実は変わらないかもしれないが、そういう風に言われると譲れないものが自分の中にもあった。
「【英雄王スキル2】 鬼の大斧 」
そう言うとアルザックの手には巨大な斧が現れた。
そして、それを力強く握りしめた。
アルザックはそれを両手で持ち、ゆっくりと持ち上げた。そして、地面に向かって叩きつけた。
すると地面にはヒビが入っていき、地面が割れた。
そして、俺は咄嗟にかわし、奈落の底に落ちるのを免れた。その斧は一回一回の攻撃はゆっくりと思われるものの、威力は凄まじいものであった。
俺は剣を生成させ、手に持った。そして、スキル伸縮を使い、ものすごい速さでアルザックに剣先が向かった。
そして、アルザックはその剣を素手で掴み持ち上げた。俺はすぐさま剣を離しスキルを解除した。
これまで戦ってきた相手とは訳が違うと言うことを悟った。俺のこのスキルは神スキル、魔のスキルを生成できない。だから、決定打に欠ける…。
俺は今のスキルだけじゃ戦えないと分かっていたが、作戦を立てる暇もない。俺の頭はキャパオーバーしそうであった。俺は必死に頭を回転させ、使えそうなスキルがないか振り返った。
その時、俺はユナの顔が突然頭によぎった。そして、丁度良いスキルがあるなとガッツポーズをした。
そして、俺はユナのスキル【透明化】を使った。
「神スキルどこにいきやがった?足音はするが場所が分からない!」
そして、俺はゆっくりと近づきアルザックを右肩から切り裂いた。アルザックはその攻撃をくらい、後ろに仰け反った。
「クソ!どこに居るんだ!」
アルザックの表情は焦りが見えた。そして、俺は背後に回り、腹を貫いた。アルザックは「グハッ」と口から血を吐き、地面に垂らした。
しかし、その剣をすぐさま掴んできたので俺はすぐさま離し、新しい剣を生成させた。そして、俺は飛びアルザックの上から斬りかかった。
しかし、アルザックは的確に斧を俺に当て、俺は吹っ飛ばされた。姿は見えてないはずであった。
「何で分かったんだ?」
俺はアルザックをよく見るとアルザックは目をつぶり精神を集中させていた。
「まさか、殺気だけで攻撃を見切った?」
「そのまさかだ!俺の強さが分かっただろ、神スキル。」
「ああ、お前の傲慢さは十分に伝わったぞ…。」
「気に食わん奴だ…。」
しかし、アルザックは俺が近距離で攻撃しない限り俺の居場所は分からない。なら、遠距離で攻撃するしかない。そして、俺は弓を持ちアルザックの頭に向け、発射した。
するとアルザックは紙一重でその攻撃をかわした。そして俺は何発もうち、アルザックはその攻撃を全て交わした。弓の軌道が全て分かって居るかのように…。
「何でかわせる…!」
「貴様の殺気の位置から弓矢の、軌道を予測して居るだけだ。」
そして、俺は何発も連射したが、アルザックは全て完璧によけた。
そして、俺は辺りに粉塵を蔓延させた。するとアルザックは距離を取った。しかし、どんどん粉塵は辺りを飲み込んでいった。そして、俺が衝撃を与えた瞬間、あたりは大爆発を引き起こした。
俺はすぐさま壁を生成させ攻撃を防いだ。
「やったか?」
俺はフラグを立てるような言葉を言った。案の定、アルザックは立っていたが、その様子は先ほどとはちがった。。アルザックは爆発に巻き込まれ、傷を負っていた。
しかし、満足そうな顔を浮かべていた。
俺はこの男の不気味さに身震いした。
「お前は何なんだ?」
俺はそう言い放ち、先の見えない戦いに不安を覚えた。
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