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(旧)こっそり守る苦労人  作者: ルド
第4章 苦労人と夏休み 上
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奇妙なランチタイム

別作の『オリジナルマスター』のブックマーク登録数が・・・一気に『苦労人』を・・・・・。

こ、こちらも今後もよろしくお願いします(汗)

「いっ、行ってきま〜・・す」

「おう〜気をつけてな。」


どんよりオーラを体から出しながら店を出て行った白石。

あの勉強会の三日間、追試試験のため・・・・いろいろ頑張ったなぁ〜アイツ。

そんな中、さすがに疲れ切った俺は、【猫まんま】でアイスコーヒーを飲みながら俯しています。

・・・・疲れてるんです。


「お疲れ様だね零」

「全くですよ全く・・・アイツ・・・不合格だったら絶対しばく。」


俺の言葉に苦笑顏になる柊さんだが、止める気はない様だ。

本当に大変だった・・・・アイツ前の学校でどうやってテストととか乗り切ったんだ?

あの後アイツの部屋で勉強を教えることになったんだがーーー悲惨な三日でした。

時間ギリギリまで延ばし延ばしても、頭を悩ませるだけの白石を見て本当に泊まり込もうか考えた程だ。

・・・・まぁ泊まりませんでしたが、そこらへんは弁えてます。(【猫まんま】で泊まりました、近いので。後トレーニング出来たので。)


結局、大事な範囲のみを覚えるだけで、三日間が終わった・・・・平均点ギリギリだろうな(間違えてなければ)


「この後どうするんだい?一旦家に帰って休むかい?」

「いえ、白石に昼過ぎにここに来るように言ってあるんで、でもちょっと眠いんで奥で休みーーー。」


震える携帯ーーーバイブ音だ。

帰ってきたら即訓練場へ連行してやる!と言おうした俺に、メールが来た・・・白石?

ーーーいや違う。藤堂?・・・と、水野?


「どうしたんだい?」

「いえ・・・ーーーーハッ。」


しばらく思考を巡らせると・・・・疲れで鈍くなってる頭でも直ぐ答えに導いた俺・・・・こんな時だけっ


「・・・・。」

「れ、零?目が死んでるよ?」

「い、いや〜・・・。」


メール内容を確認した俺は・・・恐らく乾いた笑みで死んだ魚の目になってるだろう。


ーーーだって。


「まだまだーーー休めそうにないと思いまして・・・・・ちょっと出ます。」

「いっ、いってらっしゃい〜(汗)」


引きつりながらも、そう俺に言った柊さん背中で手を振り、店を出た俺は、先程のメールの返信を2人に送り、目的の場所に歩み出した・・・・・・ははは、重い足だよーーー帰りたいっ(涙目)



********


「来たわね泉」

「急に呼び出すなよ水野」


待ち合わせした場所には、先に来ていたであろう水野が腕組み待っていた。


「言ったでしょう?埋め合わせして貰うって」


ジト目睨む俺に一切反応せず言ってくる。

確かに言ったけども・・・! 急過ぎない?


「予定を立ててからにしてくれよ・・・俺が用事があったらどうすんだよ?」


文句の一つや二つくらい言わせてくれよっ。

4日間連続で忙しい俺には酷だ。

朝いきなりメールで呼び出すとか、正気ですか?


「じゃあ聞くけどーーー今日予定あったかしら?」


うっ!痛い所を突いてくるな・・・けど。


「ないーーーいや、一応あるが・・・昼過ぎになるな。」


昼過ぎに帰ってくる白石と訓練する予定だったことを思い出す・・・・うん、絶対やります。

め、珍しくないんだからねっ?

最近忙しいのは本当なんだぞ?

・・・・なんで言い訳してんだろう?


「じゃあ午前中いっぱいは大丈夫ってことよね?」

「まぁーそうなるな」

「なら問題ないわね?」

「・・・そうだな」


問題ないことになってしまった。

もう開きなるしかないな、こりゃ。


********


「泉さ〜ん!栞さ〜ん!」

「あっ楓だ。」


藤堂の到着である・・・随分可愛らしい格好でだ。

水野の方もそうだが、藤堂も普段は見ない私服だから新鮮な気分だ。

水野の格好は、夏にあった肩が少し露出したタンプトップと短パン姿。

藤堂は水色の白の花柄の描かれているワンピースにつばの長い麦わら帽子である。


「似合ってんなぁ藤堂」

「えっ!あ、あ、はい、ありがとうございますっ。」


頰を赤く染め俯いてしまう藤堂・・・・まずったか?


「私には何も無いわけ?」

「うぉっ!?」


背後から水野の低〜〜い声がっ。

真後ろに着くな!背後霊みたいに肩に首を乗せるな!吐息をかけるな!ジト目するなぁ!


「可愛い可愛いーーーこれで良いか?」

「心がこもってない!」

「がっ!」


あ、頭殴りやがった、この女ぁ!


「あ、あははは、じゃあ、い、行きますか?」

「そうね。今日はアンタの奢りだからね?」

「ま、マジか〜〜っ」


決して金が無いわけじゃないがーーー以前水野を怒らせて大福を奢らされた事を思う出す・・・信じらない出費(・・)だった。


「あのっ私も出しーー」

「大丈夫大丈夫気にする必要なんてないわよ楓」

「それは俺のセリフだよな?」


何お前が言っての?

色々納得のいかない事が多々あるが、約束を忘れた俺に非があるのは明らかだからな・・・少しは男気を出しますかぁ。


「まあ水野が言った通りだ、気にすんな藤堂。」

「で、でも・・・。」


どうにも乗り気になれない藤堂、やっぱ育ちが良いと違うのかねーーー誰かさん(・・・・)と違って。


「何か言ったかしら?」

「何でもありません水野様」

「様?敬語?」


いちいち反応しないでくれ。

と、今は水野の相手じゃなくて藤堂の説得だ。


「頼むよ藤堂、俺も俺なりに誇りがあるんだ。ココで女性に奢られせたら、男が(すた)るよ。」


さっきまでの反応は、水野に言われたのが癪にさわっただけなんだ。


「・・・・じゃあ済みません・・・今日はありがとうございます。」

「固くなる必要ないが・・・。」


まぁ説得が出来たことだし・・・行くか。



********


「うま〜い♪」

「美味しいです〜♪」

「・・・・・。」


水野と藤堂に行きたいお店は無いか聞くと、彼女達はとあるカフェへ案内して来た。

・・・・何か覚えがーーー。


古き記憶の・・・何か・・・・あった気が〜〜?


「どうしたんですか?泉さん?」

「パフェが溶けちゃうわよ?」


2人に声を掛けられ、思考を一旦途切る。

水野に言われ自分の前に置いてあるパフェに視線を向ける・・・甘そうな。


「もうすぐ昼だぞ?よく食えるなお前ら・・・。」


早めの昼食を兼ねて、ランチ食いに行くかと思ったら、何故かカフェでみんな1つずつパフェを食べる事になった。


「良いでしょう?ね?」

「このパフェ・・・午前限定のメニューなんです。」

「朝から食べるモンじゃないと思うが・・・。」


本当に謎な存在だなパフェ食べる時の女性はーーーん?

今・・・何か引っ掛かりが・・・あれは確かーーー。


「ほらっ、アンタも食べなさいよ。本当に溶けるわよっ?」

「お、おうっ。」


さすがに溶けたパフェは食いたくない。

俺は用意されたスプーンを持ち、パフェのアイスに(すく)い口に含むーーー甘い。




「ねぇ泉?」

「何?」


食べ終えコーヒーを飲む俺に水野がテーブルに頬杖を付く。


「夏休みってーーーまだ予定空いてる?」

「ん?」

「栞さんっ?」


水野に言われて頭の中で予定を確認する。思考中の端で藤堂がキョトンとした声が聞こえたが・・・。


「今週はもう決まってるが・・・それがどうした?」


今週は既に海の方へ行く事になってるからな・・・一応二日で終える予定だが・・・。

それでも帰って来たら来週になってる。


「え〜〜〜!?じゃあ無理か・・・一緒にキャンプ行かないかと思って・・・。」

「キャンプ?」


どういう事?

山にでも行くのか?


「えぇ。風紀委員のメンバーや生徒会のメンバー、あと楓や学校の知り合い数人とでキャンプに行く事になったのよ。」

「そうなのか?藤堂。」


名前が上がった藤堂に訊いてみると、藤堂は頷き肯定する。


「はい!前々から決めてた事なんですけど・・・泉さんはどうですか?」

「え、あ、いや・・・。」

「海が近くにあるから泳ぐ・・・つまり水着持参ってことよ。

「え、み、水着・・・?」

「ち・な・み・に由香先輩(・・・・)も参加の予定よ。」


藤堂の言葉の後に水野がニヤリ顏でそんな事を言ってくる。

・・・何故俺に言う。


「ん?何想像したのかしらぁ〜〜?」

「なんも想像しとらんのだが・・・・。」


ただまぁ、効果はあるな・・・由香さんの名を上げるとはーーー策士か?この女

由香さんの水着姿・・・アカン・・グラついてきたわ

水野に言われてつい想像してしまった・・・。

目の前に居る藤堂と水野の水着姿にも、多少興味があるのだが・・・それ以上に由香さんの水着姿・・・・1年前を思い出しますね。


『兄・さ・ん・?』


「な、何も想像してませんよ葵様」

「何ブツブツ言ってんの?アンタ?」

「何かお悩みなんですか?」

「・・・なんでもありません」

「「なんで敬語 (ですか)?」」


脳裏に妹様がニッコリと微笑んで首を傾げてた・・・ホラーだよ完全に。

正直今からでもやっぱりに行くと言いたいところではあるーーーーだが。


「悪いな水野、藤堂、予定が決まってるが、それ以前に旅行に行く気が全くないんだ。」

「え?どうして?」


何故か食い付いてくる水野。

正直に”街を守るから極力出たくない。”なんて言う訳にもいかないからーーー即興で作った設定で。


「あー、旅行が苦手なんだ・・。」

「へ〜ちょっと意外です。」


意外です。自分でもそう思いました。

不思議そうにする藤堂に、何処か胸が張り裂ける感覚に襲われるが。



この時俺は何故あんな返答をしたのか・・・何処でキャンプするのか・・・・聞かなかったことを・・・

暫くして後悔することになるのだが・・・・今の俺はまだ知らない。




「じゃあご馳走になったわ泉。」

「本日はありがとうございました泉さん。」


軽く頭を下げる水野と深くお辞儀をする藤堂に、俺も軽く頭を下げた後、手を振る。


「あぁ、ホント気にすんなって藤堂・・・水野お前は強者だな」

「は、はい。」

「どういう意味かしら?」


とまぁ、こんな感じで別れた後、俺は【猫まんま】へ戻っていたのだった。


********


「た、ただいま戻りました〜・・。」

「あぁお帰り白石さん」

「やっと戻ったか」


俺が【猫まんま】に戻って1時間後、白井が帰還してきた・・・追試(戦場)から。


「な、なんとかっ!乗り切った〜〜〜〜っ!」

「おお、おめでとう!白石さん」


ベタ〜〜〜!とテーブルにうつ伏せになる白石・・・魂が抜けてないか?


「あぁ〜〜!泉君ホント〜〜〜〜!にっ!、勉強を教えてくれありがと〜〜〜〜うっ!(涙目)」


感涙してるよ白石のヤツ。

ん〜〜〜ちょっとこんな疲れ切った白石を見ていると・・・訓練場へ連れて行くのはーーーーーーーーーーーまぁ良いか(鬼ですね)。


「よしっ!じゃあ行くぞ〜。」

「え?・・・何処に?」

「ん?何処ってーーー訓練じょ「いやぁぁぁぁぁぁあっ」おっと。」


ガシッ、逃げようとした白石の腕を腕で絡ませロック、逃がさないぞ?


「イヤァァァ!柊さぁんーーー!」

「はははっ、頑張ってね?」

「おら、行くぞ?」


ギャーギャー叫び暴れ回る白石を軽く無視して、そのまま地下へ直行するのであった。

残念だが今回は俺もマジなのです。

白石には悪いが、今回の俺もある程度ーーーー本気(マジ)で行かせてもらう(・・・・・・・・)


軽い訓練ですパート3へ続く。

次回はズバリ零VS佳奈ですね。

佳奈の修行の成果が・・・何処まで零に通じるかですかね。

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