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 独り占め ②

 足場に上がってきたプレイヤーたちに下から狙われながらではあったけど、エッグの移動していく風の流れを破壊することに成功した。

 これにより流れるそうめん的に移動していたエッグは、あちらこちらに散らばった。


「──撃ち落とせ! アイツを先にやらなきゃエッグは取れないぞ!」


 誰か1人がそう言ったら、みんながこっちを狙うようになった。現在、ミヤビちゃんにはターゲット集中効果が適用されている。

 しかし、いちいち相手にするのも面倒なのであしらいつつエッグを取りまくっている。


「くそっ、空中を移動できるとは……」


「飛ぶなんてこと考えもしなかったぜ」


 仕組みは分からないだろうから、そう見えるようだ。1から説明とかはしないので、別に飛んでるでいいや。


「射程距離も見切られてきてる。銃じゃ駄目だ」


 おっしゃる通りです。ハンドガンじゃ届くかもあやしいし、届くにしてもあたしの方が速い。

 飛んでる鳥でも撃ち落とせないと、今のミヤビちゃんは撃ち落とせない。同じ理由でエッグ入りのシャボン玉も無理。


「またゲットーー」


 最初だけで数えてはないから、これでいくつかは分からないけど、何個目かのエッグをゲット。

 もうその場で握りつぶしているから、1回ごと着地する必要もなくなった。


「今度こそ──」「私たちが──」


 あと女の子2人が風の魔法を使ってくれる。

 足場から1番高いビルへ渡り、そこの屋上からダイブ。更に風の魔法で高度を上げてエッグを取りにくる。


「何回も何回も。キミたちチャレンジャーだね」


 あたしと同じところまで来はするけど、エッグは取れない。なぜかと言うとあたしが邪魔するからね。


「邪魔しないで!」「──くらえ!」


 風の魔法。ただ自分の色を固めただけの魔法。

 それを2人同時にたくさん放ってくる。

 それをミヤビちゃんは待っているとも知らずに……ふふふふ……。


「また、魔法が消える……」


「どうなってるの?」


 どうなっているのかと言うと、あたしがその風を貰っているのです。これを言ってしまうと、この子たちがやめちゃいそうだから言わないけどね!


 補給。補給。羽根に魔法を当てて保存。

 こうすることでずっと空中にいれる。

 そんでもって、取り込んだ分から少し返す。


「また上ってきてねーー。まってるよーー」


 ──横に風を押し付けて吹っ飛ばす!


 この子たちの風より、あたしの風のが断然強いので簡単に吹き飛ばせる。加減してやっているからダメージもない。


「「きゃぁぁぁぁ──」」


 あまり強くするとエッグも飛んでいってしまうし、彼女たちも倒してしまう。というか、強弱が付くようになってきている。気がする。


 風の質、関係なしに出来ている気がするな。

 止めてフワッとさせるのではなく、フワッとする風を使っている感じ。魔法の全部を靴で行なっているからかな?


「……自分1人では分からないな。アドバンスすることなく、ふわふわもいなくなってしまったし」


 ヤツはどこから見ているのか。

 どんな原理で話しているのか。

 それも気にはなるけど、今はそれよりエッグを回収しよう。


「むっ……足場からビルにみんな移動しているね。これでは一網打尽計画が発動できない。流石にビルは倒せないな。まだね。真っ二つにも出来ないし」


 しかし、そのビルからエッグは取れない。

 そこじゃ待っていても、エッグは流れていかないから。


「あの子たちがくる前に、この辺りのを回収して向こうにいこう」


 と、なれば加速。加速。

 あっちにエッグが固まっているところがある。

 みんな狙ってくるだろうから、先回りしてかっさらう!



 ♢



 ……いとをかし。


 何故、羽根すらなく鳥のように飛び回る。

 何故、羽根も持たぬ虫螻(むしけら)風情が空におる。


 カムイ()の仕業か。


 相も変わらず読めぬ男。

 未だ虫螻如きに関心があるとは愚か。


 しかし……。


 眺めていて飽きぬ虫螻(むすめ)ではある。

 些か興味が湧く。

 一つ、遊ばすのも一興か。


 覚えておるぞ。

 其方(そなた)痴者(しれもの)であったな。

 その枷は外してやろう。


 己が望んだままにせよ。

 黒く染まり得たものを示せ。

 其方の業を、其方の武を魅せてみよ。


 この、────に。



 ♢



「……何個目かは分からないけどゲット。そして邪魔だ! 全部あたしのだ!」


 先回りはしたけど、みんな後を付いてくる……。

 あたしの行く方向にエッグがあるとバレている。

 それにプレイヤーたちも増えてきているな。


 先頭以外の人たちも追いついてきてるし、エッグが散らばった情報も拡散されているのかもしれないな。

 これじゃ、全部を独り占めはできないかも……。


「──いや、弱気になるな! 全部貰うんだ! なので、まだまだいくよーー!」


 気をつけるのは届く距離の銃と魔法。

 あと……人間砲弾。バカなグループがやってきやがった。


 数人で足場から全力で仲間を投げてくる。

 エッグで増してる身体能力を舐めていたね。

 軽くエッグより上まで飛んでいくんだ。


 エッグは風に揺られているから、少しでもズレると取れないんだけど、あたしにぶつかったらあたしは痛い。

 

「それをみんな真似するし……」


 ソロの人はできないけど、そもそもソロの人はここにいない。はぐれ者ははぐれたエッグを狙っているんだと思う。


 魔法が飛んでくるより厄介だ。

 慣れてくれば空中でも体勢を変えてエッグを取られてしまう。


「──ちっ」


「──うぉ!? あたしを狙いやがったな!」


 直接こっちを狙ってくるヤツが現れたか。

 あの子たちが来てくれないから充電が切れそう。

 自分で風を発生させなければならないか?

 

「その前に、今のやつを倒しとこう」


 他の人たちに飛んでくると倒されると分からせなくては。落下点で待ち伏せて蹴ろう。

 空中コンボを叩き込んでやる!


「まずはそのまんまだと蹴った時に重いので、落下点にこのエッグを取り除いたシャボン玉を設置します。次にシャボン玉が移動しないように風を送りつつ、落ちてくるのを待ちます。最後はシャボン玉の上に落ちてきて、ボヨンとしたところを──」


「や、やめっ──」


「──蹴りまくります! 見せしめじゃぁ! そして背後から刺そうとした罰だ!」


 シャボン玉にバウンドさせてコンボ回数を増やす。

 クソピエロ製のシャボン玉だけあって丈夫だから、こんな使い方をしても大丈夫。


「今のうちに……」「取っちゃいましょう」


「バカめ。気づいてないと思っていたか! そら、プレゼントだ!」


 姿が見えないと思っていたら、チャンスを伺っていたらしい2人組み。彼女たちにこいつをプレゼントしてやろう。

 バウンドプラス蹴りで威力を増した、ミヤビちゃん流人間砲弾だ。


「「きゃぁぁぁぁ──」」


「ふははは──、まだだ!」


 人間砲弾が激突し3人錐揉みしていくが、先回りして退場していただこう。


 蹴ったやつは間違いなくゲームオーバー。

 2人も随分と魔力を消費しているから、触れれば即退場だろう。経験値となる。


「はい、タッチ。みんなゲームオーバーだよ」


 そういえばレベルというものがあったよね。

 気にしたことはなかったけど、今何レベルなんだろう? みんな1からスタートなのかな?


 通常は自分のレベルを確認する方法はないって聞いた。レベルアップした時だけ、アプリに表示される。


 亜李栖(ありす)ちゃんは3。

 志乃(しの)ちゃんが2。

 ユッキーはプレイヤーではないので0。


 なら、あたしは1か?

 レベルアップしたふうがない。


 これだけエッグを使って、プレイヤーを倒してしていてもレベルが上がらない。ミヤビちゃんの、次のレベルまでがバグっているのだろうか?


「そして思い出したけど……みんなは? これはまた怒られるやつ?」


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