幼馴染
今話タイトルは「幼馴染」です。
「そ、そうだ、呉葉さんに聞いたわ。あなたたち、お風呂もお布団も一緒だそうじゃない。それでただの幼馴染ですとは、ふつうは済まされないと思うのだけれど」
頭をぽんぽんと撫でられて気恥ずかしそうにしながら、音子は話を逸らすことにした。
「だれもただの幼馴染だとは言ってません」
美樹にしては珍しく、初対面の人に食い下がった。
「では、どのような関係なのかしら?」
「私と未来也様の間にあるのは恋慕の情ではなく、親(信)愛の情です。なので、恋人という表現には違和感があり、また、適切な表現を見つけることができないので、幼馴染と言っているに過ぎません。それと! 盲目といわれる時期は十年前には過ぎました。人目くらいは気にします」
最後の一言には音子と未来也以外の全員が、頭にハテナを浮かべたが、何となく、それを言ってはいけないような気がした。音子が気になったのは、『わたくし』と未来也『様』である。
「まあいいわ。『愛』ね。未来也さん、異論は無いのね?」
一応、未来也に確認をとる音子である。
「シンアイ。『親しい』に『愛』とも『信じる』に『愛』とも。どっちとも取ってくだされば間違いはありません」
未来也は控えめに訂正した。
「なるほど。お互いに信じあっているのね」
「はい。僕たちはお互いに、運命の相手だと信じています」
「今度は、運命、ね。私もそれを夕輝に感じたわ。そうだ、まだこの家の話をしていなかったわね」
そう言われてしまったので、未来也の母と美樹の母は、詳しく聞く機会を失ってしまった。
短かったでしょうかね。まあ、そんなことはいいとしましょうか。
今日は13時にもう一話揚げますので、お楽しみに。
今話は、だいぶ音子を挑発してますね。まあ、一番動じているのは遙に頭を撫でられていることに対してですが……。
次話タイトルは「納葵邸」です。
音子さん実はものすごいお方です。ものすごい努力の塊です。




