二人のいたずら 夕食編
今話タイトルは「二人のいたずら 夕食編」です。
「未来也さま、今日のお夕食は何です?」
「教えてくれなかったよ。珍しいこともあるもんだね」
教えなかったのは未来也の母と美樹の母のある企みからである。
「美樹ちゃん、未来也。今日のお夕食は……」
未来也の母が少し間を取った。
「新メニュー!」
美樹の母が威勢よく言った。
『カモカチューです!』
二人同時に言った。
「……? カモカチューとは?」
未来也が尋ねた。未来也と美樹はぽかんとしている。
「カモカチュー、それは……」
「加古のカ、森のモ。そして、カレーとシチューでカチュー」
「決して鴨肉が入っているわけじゃないわよ」
未来也と美樹は、あっけに取られている。目の前に出てきたものはカレー皿。ただし中身は、カレーとシチューをあわせたような色の、ドロッとした液体のかかったご飯である。
「さあさ、遠慮しないで食べて!」
母親たちはとてもたのしそうである。
「い、いただきます」「……いただきます」
未来也と美樹は、目で合図して、同時に口に入れた。
「っ! おいしい!」「ほんと、なんでもっと早くこれを思いつかなかったの!」
二人の反応に、大いに満足してから食べ始めた。
「うーん。これはおいしい。いやぁ、長らく考えたかいがあったわね」
「ええ、そうね。祈裡ちゃんの発想にはいつも驚かされてばかりだわ」
「一樹ちゃんの腕があってこそだよ」
二人はお互いを褒めあいながら食べていた。未来也と美樹は、おいしさのあまり黙々と食べている。
「ご馳走様でした!」「うーん、おいしかったぁ!」
前者が未来也、後者が美樹である。二人とも、いつもよりもかなり多めに食べてしまった。
さて、カモカチュー、本当においしいのでしょうか? そんなことは知りません。味と材料(費)の保障はできかねますので、作ってみるならば自己責任でお願いします。
やっと名前が判明した人が一人。一樹さん。美樹の母ですね。
案外世間は狭いものでして、祈裡とは高校時代の友人だったりします。
次話(予定)タイトルは「再会」です。
案外世間は狭いものでして、ようやくあの人が出てきます。
ここまで長かったような気がします……。
では、また次回まで。




