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第3章・初対面

突然、山林に悲鳴が響き渡った。

「ああ――お前たち、狂人ども!一体何者なんだ!助けて――!」

一人の人影が、山道の脇の低木を勢いよく押し分け、林の間から飛び出してきた。

枯れ枝が折れ、葉が四方八方に散った。

彼は足を滑らせ、危うく山道から転げ落ちそうになったが、転がりながら体勢を立て直し、まっすぐ人々の元へと駆け寄ってきた。

長船貞親と傍らの近侍が、ほぼ同時に刀を抜いた。

刀光が閃いた。

二人はすでに左右から直家の身を守り、来者の進路を塞いでいた。

「止まれ!」

怒号と共に、刀の刃が鋭い光を放った。

しかし、その男は突然足を止め、数丈先で立ち止まった。

ほぼ同時に――

森の中からさらに数人の人影が次々と飛び出してきた。

戸川達安と花房正成がすぐ後ろに続いていた。

そして彼らの前方には、服がボロボロで、息を切らした農民風の男が二人いた。

一瞬にして。

三つのグループが、奇妙な形で山道の上で膠着状態に陥った。

「おい!おいおいおい!阿慶、一体どうしたんだ?」

阿吉は顔面蒼白になり、慌てて叫んだ。

阿慶もまた目の前の光景にひどく怯え、どもりながら言った。

「各、各武士様……私……私たちは沢田村の農民で……」

言葉が終わらないうちに。

直家が突然笑った。

「ハハハ――面白い。」

彼は依然として山道の脇にある岩の上に座ったままで、立ち上がろうとはしなかった。

午後の日差しが木々の隙間から差し込み、その身に斑模様の光と影を落としている。

まるで目の前に突然現れた見知らぬ者たちは、巡視の途中の退屈を紛らわせるための小芝居に過ぎないかのようだった。

笑い声は大きくはなかったが、周囲の人々は一斉に彼に視線を向けた。

直家はゆっくりと馬鞭を掲げた。

鞭の先が人々を通り越し、山崎与二をしっかりと指し示した。

「お前だ。」

彼の声は平静だった。

「お前。」

「答えよ。」

「もし一言でも嘘があれば――」

「首を刎ねるぞ。」

「何者か、どこへ行く、何をする。」

長船貞親が一歩前に進み出て、低い声で喝った。

「殿下が問うているのだ、早く答えよ!」

与二は喉が締め付けられるのを感じた。

この瞬間になって初めて、自分はもはやあの平和な時代にはいないのだと、はっきりと自覚した。

目の前の人々は、ドラマや映画の俳優ではない。

彼らの腰に差した刀は小道具ではない。

身にまとった血の匂いも、メイクではない。

この人たちは、実際に人を殺したことがある。

おそらく、つい先日のことかもしれない。

与二はふと気づいた。長船貞親の刀の鍔の辺りに、まだ完全に拭き取られていない暗い色の痕跡が残っているようだ。

土なのか。

それとも血痕なのか。

彼はよく見ようとはしなかった。

山風が林の間を吹き抜ける。

与二は、自分の手のひらがすでに冷や汗でびっしょりになっていることに気づいた。

「私……私は大阪の者です……」

言葉が口をついた瞬間。

直家は微かに眉をひそめた。

「大阪?」

「それはどこのことだ?」

与二の心臓が激しく跳ねた。

まずい。

大阪城は豊臣秀吉が後に築いたものだ。

今の時代、おそらく「大阪」という呼び名など存在しないはずだ。

石山本願寺か?

違う……

もしかすると、まだその時ではないのかもしれない。

そう考えた彼は、慌てて言葉を改めた。

「石山御坊の近くです」

直家は軽く鼻を鳴らした。

「石山御坊?」

「なるほど」

「そりゃあ、自分がどこの者かさえはっきり言えないわけだ」

周囲の武士数人が低く笑った。

阿吉が慌てて口を挟んだ。

「殿! 我々は良民です! むしろこの若造の方が怪しげで、一見してろくな奴じゃありません!」

長船貞親は彼を冷ややかな目で見つめた。

「殿は、お前に話すなとおっしゃったぞ。」

「これ以上口を挟めば、舌を切り落とすぞ。」

阿吉はたちまち顔面蒼白になり、二度と声を出せなくなった。

直家は手を振った。

「もういい。」

そして再び与二の方を見た。

「続けろ。」

与二は深く息を吸い込んだ。

頭の中が猛スピードで回転した。

当初考えていたでたらめな言い訳は即座に却下された。

彼は、物語をできるだけ説得力のあるものにせざるを得なかった。

「私は山崎与二と申します。」

「もともと堺の商人に従い、西国へ商売に行っていたのです。」

「ただ、最近瀬戸内海が落ち着かず、いくつかの水軍が衝突していると聞き、当初私たちを護衛するはずだった船団が突然キャンセルになってしまい――」

「行程だ。」

「商隊は陸路に変更せざるを得なかった。」

「その結果、途中で山賊に遭遇した。」

「仲間とは離ればなれになってしまった。」

「その後、近くで廃寺を見つけ、そこで一晩身を隠した。」

「今朝出てきたばかりなのに、あの二人に遭遇してしまった。」

そう言いながら、彼は阿吉と阿慶を一瞥した。

「彼らは私をスパイだと言い張って、捕まえて賞金をもらおうとした。」

「生き延びるために、抵抗するしかなかった。」

そう言い終えると。

与二はこっそりと直家の方へ視線を向けた。

その瞳は相変わらず穏やかだった。

だが、その穏やかさゆえに、かえって不安を掻き立てられた。

まるで自分の一言一言が、相手に繰り返し吟味されているかのようだった。

しばらくして。

直家が突然口を開いた。

「では。」

「お前たちは何を運んでいるんだ?」

与二の胸が急に締め付けられた。

荷物か。

くそっ。

この穴を埋めるのを忘れていた。

その時。

ある考えがふと頭をよぎった。

鉄砲だ。

具体的な年代は定かではないが。

だが、今となってはこれ以上の選択肢はない。

賭けるしかない。

与二は顔を上げた。

声をわざと少し低くして。

「ある珍しい武器です」

直家は眉を上げた。

「武器?」

「どんな武器だ?」

与二はしばらく沈黙した。

そしてゆっくりと二文字を口にした。

「鉄砲」

その言葉が落ちると。

山道は一瞬、静まり返った。

長船貞親は微かに眉をひそめた。

戸川達安と花房正成も無意識に顔を見合わせた。

もともと頭を下げて震えていた阿吉と阿慶でさえ、呆気にとられたように顔を上げた。

ここ数年、南蛮から伝わったこの新式の武器は、徐々に日本にも広まりつつあった。

だが、実際に目にしたことのある者は依然として少なかった。

直家の視線がわずかに鋭くなった。

「鉄砲?」

彼は小声で繰り返した。

口元に浮かんでいた、あるようなないような笑みも消えた。

「続けよ。」

与二は自分の賭けが当たったと悟った。

そこで勢いに乗じて言った。

「詳しいことは存じ上げません。」

「ただ、商隊の人たちがこっそり話していたのです。」

「西国のある大名が、堺の商人に鉄砲を注文したそうです。」

「さらに、鉄砲に詳しい者を同行させたとか。」

「使い方や手入れを教える役目らしいです。」

「それが本当かどうかは、私にも分かりません。」

そう言い終えると。

彼はうつむき、それ以上は語らなかった。

話せば話すほど、矛盾が生じるからだ。

しかし、直家はすでに思索に沈んでいた。

鉄砲。

堺。

西国の大名。

指導者。

直家の指が、馬鞭を軽く叩いていた。

一見無関係に見えるいくつかの言葉が、頭の中で絶えず組み合わさっていく。

もしこの若者の言葉が真実なら。

この件の裏には、掘り下げる価値のある何かが隠されているのかもしれない。

しばらくして。

彼はふと低く笑った。

「興味深い。」

長船貞親は微かに眉をひそめ、半歩前に踏み出した。

「殿下。」

「この者の言葉には疑わしい点が多い。」

「身元不明で、その言葉の真偽も判然としない。」

「もしかして……」

言葉が終わらないうちに。

直家は手を上げて彼を遮った。

「真か偽か。」

「連れ帰れば自然と分かる。」

そう言いながら、彼は二をちらりと見た。

その眼差しは穏やかで、喜怒を見分けることはできなかった。

「もし彼が嘘をついているなら。」

「その時に斬り捨てても遅くはない。」

長船貞親はそれを聞くと、わずかに頭を下げた。

「承知いたしました。」

直家はようやく視線を外した。

「まず縛れ。」

「連れて行け。」

「隊と共に下山せよ。」

そう言い終えると、

直家は背を向けて去っていった。

衣の裾が微かに翻る。

一行は再び山道を歩み始めた。

山間の暮色が次第に濃くなっていく。

木々の間の影がどんどん伸びていく。

遠くの丘の上で、山城の輪郭が暮れゆく空の中に徐々に浮かび上がってきた。

与二は麻縄で縛られ、よろめきながら隊列の後方を歩いていた。

粗い麻縄が手首を擦り、痛みを伴った。

しかし、彼は深く安堵の息をついた。

少なくとも。

命は助かった。

だが、与二は喜べなかった。

あの二人の農民に比べれば。

いや、さっきまで自分を追いかけてきた侍たちと比べても。

前方で終始平静な表情を崩さないあの男の方が、かえって彼に不安を感じさせた。

今に至るまで。

彼は、皆から「殿下」と呼ばれているあの男が一体誰なのか、まだ知らなかった。

自分がどこへ連れて行かれるのかも分からなかった。

だが、一つだけ確信していたことがある。

自分は、想像以上に危険な渦に巻き込まれてしまったのだろう。

本当の尋問――

それは、まだ始まったばかりなのだ。

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