第四十二話「燃え上がる火炎」
「ようやく完成したよ!」
目にかけていたお手製のゴーグルを取る。
彼女の名前はムツミ。
色々と物を作るのが得意である。
ここはお城、ノマツ城の廃墟跡。
そこに家を建てて住んでいる兄弟がいた。
ちなみに家を建てたのは彼女である。
「ムーちゃん!ただいま!」
いきなり兄弟の一人が抱き着いてきた。
元気いっぱいのイチだ。
山で取れた獣を後ろにいた兄弟にほおって任せて彼女だけ走ってきた。
「い、イチちゃん!苦しいって!」
「ごめんごめん!首に巻きついちゃった!」
その光景を見て後ろから声がする。
「お前、ニーナに肉放り投げんな!!」
「もー!重い肉をこの足じゃ受け取れないよ!」
シジは背負った野菜と投げられた肉を片手に持ちよろよろしながらやってきた。
ニーナも背中に荷物を背負っていた。
「えー大丈夫だよ。だって・・・・」
後ろを見るとナナミがすすっと背中にいた。
片手で背中を押していた。
「・・・・・・・あたしがいるから。」
珍しくナナミが喋った。
右手の代わりに義手になっている。
「・・・・・・・見ないでよ。こっちのカラクリの手、制御難しいから。」
「「「いやいや!手の事じゃないって!」」」
一斉にツッコミを入れてしまい戸惑うナナミ。
その姿を見て
「さっさと家に入って。ご飯ちゃんとできてるよ。」
とムツミが声かける。
皆、声を合わせて
「いっそげー!」
走って家の中に入った。
家の方も2階建てのかなり大きいものを立てた。
復興のために沢山平屋も立てた。
そのおかげか近所では有名な『平屋姫』と呼ばれるように。
信頼の為、彼らの存在は町ぐるみで隠していた。
「さて今日は出来立ての野菜のスパイス煮と焼き魚の煮込み、大盛ご飯をはいどうぞ。」
「今日も豪勢だね!」
「近所にもおすそ分けしてる。」
「さすがはムーちゃん!ご近所さんと仲良くしてー!」
「・・・・・・・・うまい」
「ナナミ!先に食べて!いただきますは!」
「「「いただきます!!!!」」」
御飯に夢中になり言い争いも無くなった。
ウマイ。
あっという間に食事が無くなった。
「で・・・・・みんな集まったことだし」
ムツミは天井にあったレバーを引く。
そうすると畳ごと急落下しあっという間に地下三階の研究所にたどり着く。
「さあ腹ごしらえが住んだので会議ですね。ま、まさかムーちゃん。作ってたもの出来たんですか?」
到着すると早速ニーナが話をした。
その問いにムツミは頷き奥の天幕を引いた。
そこにはニーナが依頼していた物があった。
それは・・・・・・・
「お待たせしました。ミツミ軍のグレネードランチャーを改造して内蔵したレッグです。膝を曲げるとそこから球が出ます。その球にニーナの作った液体を入れれば・・・・どう?最高のもんでしょ!」
「流石です!」
「歩きやすいように足元にも気にならないタイヤを内蔵。いざとなったら使えるようになってるから。」
「大好き!愛してる!」
義足の足で近寄りムツミはニーナを抱きしめた。
「で?他には無いのか?」
シジが声を上げる。
シジはニーナが好きなため話題を変えたいんだろう。
見ている者はニヤニヤが止まらなかった。
みんな知っているから。
「シジにはこれよ。新型大剣。」
「新型大剣?俺にはこれがあるぞ!」
話すムツミにシジは持っている剣を見せる。
「これはね・・・・・」
ムツミはシジに振るよう促す。
そうすると大剣は形を変えてあるものに変わる。
「兄貴の武器か。」
長槍に変わった。
刃の部分は兄の持っていた槍の形。
「最近槍の訓練してるって聞いたから。だから新しい鉱石を使って作ったの。駄目だった?」
「・・・・・・兄貴の思いを受け取れと?ふん!しょうがないが任された。」
シジはニヤッと笑う。
嬉しそうだ。
「そして次は・・・・・ナナちゃん」
「・・・・・・・・・・・」
ナナミは何も言わない。
得意だったレイピアも利き手が無くなり使えないからだ。
その時から彼女は自分の事を戦力外と感じていたから。
「私見てたから。毎日訓練して。手が無くなっても反対の手で練習して。レイピア好きでしょ?だからこれを用意したの。」
そこにはレイピアがあった。
ナナミは目を背ける。
「・・・・・・・持てないからいらない。」
彼女は震える声でそう言った。
今ついている右手では使えないからだ。
そんなナナミを見てムツミはこう答えた。
「ナナちゃん、これは嫌がらせとかじゃなくてね。今ナナちゃんの右手に備わっているレイピアと交換するものなの。」
「ふぇ?」
ナナミはムツミの言葉に驚いたようで言葉にならない声を上げる。
「ごめんねナナちゃん。今つけてるその義手、重めのレイピア二本備わっていてね。ナナちゃんの筋力強化をしていたの。だからそのレイピアとこの新レイピアと交換させてほしいんだ。そうすれば手が簡単に動く・・・・・・」
そう言いかけたムツミにナナミがヘッドロックをかけた。
顔がかなりお怒りである。
それはそう。
そんな重い物を入れてたら動かしにくいはずなのである。
それなのに知らず頑張って特訓していたなんて。
ナナミの顔は真っ赤であった。
そんな二人を見て爆笑する皆であった。




