第三十七話「守るべきもの」
昔々あるところに鶴と亀がいました。
亀は空高く飛ぶ鶴の事がとっても羨ましく亀は鶴にお願いをする。
「僕をくわえて空を飛んでほしい。」
仲のいい亀の期待に応えるため鶴は嘴でくわえ空に飛び立った。
空を飛んでると亀の姿は誠に小さく周りの者にこう言われる。
「鶴はごみを付けて飛んでる」と。
それに腹を立てた亀は暴れて地面に落下してしまう。
落下場所に岩があり甲羅をぶつけてひびが入ったという。
それから亀は甲羅にひびが入った。
と言う話だ。
「うーん。奥深い。」
神補佐の僕はまた絵本を読んでいた。
その作品は『鶴と亀』。
亀さんの背中にひびが入ったという話なんだが。
「鶴と亀にはいろんな話があるな。鶴が亀を婿にとろうとするが千年、万年生きる問題で友達となり縁起のいい席の場にやってくるとか決裂して別れて喧嘩してるとか。確かに亀と鶴のイラストに仲良く二人並んでる絵は無いよな。」
正月のはがきでイラスト探していた時に思ったんだけどね。
地味にコツコツ生きてく亀と派手に優雅に飛ぶ鶴。
中国では縁起物って言われて古くから伝わっているらしいが。
もう一度本を読む。
落下した亀はつるつるだった甲羅にひびを入れた鶴を許せるのだろうか?
僕は神候補がいる星を見てみた。
最近いざこざが少なくなったあの星を。
何万年も生きる神候補たちが中で新しい世界を作ってる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大人しく作ってんのかな?
座っていた椅子から降りてその惑星をのぞき込む。
「ん?」
しばらくたった神候補の作ってる世界に飛び込んだ。
十年後
「あ、おはようございます。」
ヤマタカは目を覚ます。
一緒に寝ていた方に挨拶をする。
「おはよう!ヤマタ!起きた?ムーはもう起きていてそわそわしてたよ!」
そこには大きなセイレーンがいた。
名前はムー。
あの小さかったセイレーンはあっという間に大きくなっていた。
起き上がるムー。
「おいおい!起き上がるな!」
その姿に気が付きヤマタカが制止させる。
何故なら全裸だからだ。
ちなみに二人はお付き合いはしていない。
傷が治んなかったヤマタカはムー達のお世話になることに。
一年間、療養のため体を休む。
その後、修行の為に家が無いヤマタカは居候になった。
だんだん育っていくムーに距離を置こうとするヤマタカ。
冷たくされると泣き出すムーに逃げることが出来ずヤマタカは・・・・・・・・
抱き枕兼居候になった。
「はぁー!?何言ってんのよ!ヤマタ。お姉ちゃんに言うよ?」
「お、お姉ちゃん・・・・」
ヤマタカは震えだす。
そう、ムーのお姉さんたちは・・・・・・五人組。
お気楽なカー。
自分勝手なキー。
気分屋のクー。
意地悪なケー。
まとめ役のコー。
ムーに対して結構過保護のお姉さんたち。
泣かれた時はかなり参る状態だった。
カーには「勝手なことして犬死する。」
キーには「団体行動がとれないのか?」
クーには「〇ねばいい・・・・・」
ケーには「ほっとけば?出られないんだし?」
コーには「ムーの面倒が見れないなら処分しても。」
など脅迫まがいの事も言われる。
「ムーの面倒役ではなかったのはずなのですが。」
「ううん違うよ。面倒見る役だよ?」
「・・・・・・」
「怒らないの。すぐ怒るんだから。」
「怒ってないです。困っているんです。その姿に。」
「姿・・・・・あっ!エッチ!」
毛布で体を隠すムー。
寝るときは勝手に服を脱ぐムー。
ムーのワザとするその反応に困るヤマタカ。
こういうことになれていないのだ。
「あー!もう。ご飯作ってきます。」
「あっ!逃げるな!待ってー!」
そう言ってヤマタカはベットから飛び起き厨房に向かった。
これが僕の日課。
さて、作るかな。
朝食を作ることにした。
朝食が終わった後はトレーニングと情報収集。
情報場所は・・・・・ミツミの国。
アイツを打ち取るまでは・・・・・〇ねない。
セイレーン達がついでに調べてくれてある程度知ってた。
ミツミ軍が侵略を始めてはや十年。
半分以上はミツミの国に落ちていた。
地底はイザワエリイ。
空はウチイリオリカ。
その三つ巴になった。
ミツミ軍は今、空の世界を狙っている。
そのため飛空武器を作っているが噂。
「この島が狙われてるのか・・・・・・・」
ため息を吐く僕にムーは
「大丈夫だよ。こっちも用意してるから。」
そう言って可愛い笑顔を見せた。
この笑顔を守りたい。
守るものが無かったヤマタカ。
それを知った彼は成長する。
彼を待っているのは希望か。
それとも絶望か。
それは誰にも分らないのであった。




