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:お寿司屋さん
「食べらんないのある?」
「ヒカリモノ、ちょっと苦手」
「ああ、わかるわ」
「ダメなのあるの?」
「んん、なんだろなあ…」
考えていたら
「おじさん、たまごダメでねえ」
と、カウンターのあちらから低い声が
見てみると、ほのかな酢飯の香りの向こうから、お店のご主人がにっこりとした笑顔をしてみせる
友人と顔を見合わせる
思いは一緒のよう
「たまご、ダメなんですか?」
そろった声で聞いていた
「ダメっていうか、おじさんが小さかったころは、たまごも高価でねえ… それで…」
そうなんだあ、と呟く友人
私も、心のなかで…
「ああ、ごめんねえ、ヘンな話しちゃって」
「いえ…」
「気にせず、たくさん食べてってくださいねえ」
「ええ…」
どれもおいしいお寿司だったのだけど…
なんだか、たまごは注文できなかった




