71~ガラスハウスは・・・~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、前回から引き続き、集落でのお話です。
私が寝ていた数日の間に、どうやら住民の引っ越しは終わったようだ。
メイちゃんとシツジローくんとジャムさんが手伝ってくれてたらしい。
前の隙間風の入る家よりも快適だといっているそうだ。
家の中で水が使えるからね。
井戸がなくても大丈夫・・・。
今のところはね。
でも井戸は、宿屋や支部ができた時用にそのままにしておこう。
移動もできるのかな?
今日はガラスハウスを作る。
大きなのがいいよね。
でも住民の家に隠れるように作るから、奥まったところ。
そのためのガラスもいっぱい作ったし、鉄も作った。
私の想像でできるものだから、確かこんな感じ、って要領でいいはず。
屋根と横のガラスは別々に開閉できるように。
開閉にはハンドルだよね。
老人でもできるように軽く。
スキルを発動して作ると、二階建てくらいの大きさのガラスハウスが、大きな葉竹蔵の大きさでできた。
隠れてないね。
まあでもいいでしょう。
こんな大きいのだと、冬にお野菜とかも作れそうだ。
一部がいやし草で、あとはお野菜でもいいかな。
土魔法と水魔法使える住民に来てもらう。
指導して、土を耕していく。
もともとが住宅用の場所だからかな、結構堅そうだし、あまりいい土じゃないな。
「ほうほう。ここは温かな場所だ」
住民のおじいちゃん。
確かにこの時期に入るには温かくしてある。
水は水のスライム核石入れたスプリンクラーがでるようにするけど、中の暖かさは、四隅につけてある日のスライム核石でやっている。
「ここでみんなで日向ぼっこもいいのう」
「そうだねぇ。のんびりお茶でもいただきたいねぇ」
ええ!
そういう作りである場所じゃないよ・・・
ああ、でも、休憩する場所は必要だよね。
まだ木が残っていたから、急遽ベンチを作ってみる。
ああ・・・
眠くなってきた。
まだやらなきゃいけないことが多いのに。
「メイちゃん」
「おまかせください」
ベンチに寝転ぶ。
ダメだ。
眠くて仕方ない。
そのまま意識を手放した。
気が付いたときは、家のベッドの中。
夜だ。
ここは集落の家のほうか。
やっぱり魔法使うと眠いな。
まだ朝まで時間あるし、もうひと眠りしよう。
ああ、ベンチにクッションも欲しいよね。
あそこは固いな。
朝は早々と目を覚ました。
集落の住民はもう起きているそうです。
早いね。
なぜか、うちのリビングでみんなが朝食とっているんだけど、なんで?
「お嬢さま、おはようございます」
「おはよ。何この状況」
「メイのご飯が食べたいとのことです」
「あ・・・ああ。そういう・・・」
ちゃっかりジャムさんもいるわ。
まあちょうどいい。
「ジャムさん」
「ジェヌだ。まあいい。なんだ?」
「肥料が欲しいのよね。ないかな?」
「森の土を混ぜたやつなら、ほぼ畑にまいたからな。冬は使えないし」
「そうか・・・。じゃ、買ってくるしかないわね。シツジローくんと一緒に、買いに行ってきてくれる?」
「急ぎか?」
「いぞぎ。今日中に、ガラスハウスを整えたいから」
「わかった。が、今日中には無理だろ」
「ポータルで、ジューノさんの家に行けるから、ジューノさんから聞いて」
「おいおい・・・あちらともつながっているのかよ」
「魔力が足りないから、ジャムさんたちじゃ無理だから、シツジローくんといってもらうのよ。定期的に肥料も持ってきてもらえるようにね」
「わかった」
「お金はシツジローくんに渡してあるから」
「・・・っああ」
この集落にはお金ないものね。
これくらいはできるし。
メイちゃんにはクッション作ってもらわないとだから、布と糸とかも買ってきてもらわないとね。
耕すのは、メイちゃんとシツジローくん指導で終わったみたいだし、開閉の仕方もおしえたようだし。
運営さんはまだ帰ってこないから、やれるとこまではやってしまわないとね。
さみしいなぁ。
さて。
今日は外の畑を含み、壁を作るか。
今まで集落だけをロープで囲っているだけだったものね。
壁作ってもいいわけだし、強固な壁を作らないと。
森から来る魔獣だけだけど、この辺りは本当に人がほぼ通らない。
何かあると困るわね。
流行り病で滅びたって思われているかもだけど。
メイちゃんと住人の何人かを連れて外に出る。
畑がどこにあるかの把握もしなければならないからだ。
こんなに少ないのだから、そりゃ、畑の麦だけじゃ、飢えないわけにはいかないよね。
でも、老人ばかりだから無理はできないし、仕方ないのか。
ぐるりと魔法文字を書きながら進む。
ここにある土をそのまま突き出させて変えにするのだ。
使われた分溝ができるが、そこには、水を流そう。
堀となる。
それだけでも、外からの侵入が拒めるからだ。
出入口は一か所になってしまうけど、籠城できるようにすれば大丈夫だろう。
結界魔法も張らないとね。
住民にはなかに戻ってもらい、息を吐く。
大きな魔法を使う時は、精神統一が必要だわ。
すぐ倒れるからね。
某錬金術師のように、手を合わせて地面に手をつく。
ものすごい地響きとともに、五メートルはあるだろう土壁が出来上がった。
「ありゃ・・・ちょっと大きかったかな?」
「いいんじゃないですか?外から中が見えないのは大切ですし、外にはここに集落があるのはわかりますから」
「そ・・・そうだよね」
そういうことにしておこう。
壁の外にできた側溝も結構深い。
飛び越えられる広さではあるけどね。
水のスライム核石を入れる。
そのうち水がたまるし、スライムが勝手に住み着いてきれいにしてくれるでしょう。
「ね・・・ねむい」
「おじょうさま。もう少しです。聖結界を張られるのでしょう」
そうだった。
メイちゃんに中央まで何とか運んでもらい、ぼーっとしながらも立ち上がる。
結界のために魔力を放出した。
そのまま意識がフェードアウト。
気が付いた時には、秋が終わり、雨期に入っていた。
よく寝たわ。
やはり聖結界は、ものすごく魔力を使うわ。
つらい。
まだまだ、集落の準備は終わっていないけど、肥料を混ぜた畑はシツジローくんが指導して作ってくれているらしい。
まだもう少しだらついていようかな。
今日も運営さんは帰ってきていないようだ。
やはりさみしいな・・・
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しております。
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