68~魔獣だって木に違いない~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、集落の修復のために拠点にいます。
朝は寒くなってきた。
目が覚めても寝てる場所から出るのが億劫だ。
でもやらなきゃいけないことがある。
いつものようにメイちゃんが来て、サカイさんがご飯を食べて、一日が始まる。
集落のこと。
冬に備えるための家の補修。
集落は30件ほど家があるんだけど、その中で使っているのは半分くらいかな。
倉庫も製粉所も修復しないといけないな。
全部の家の修復をしていけば、もしも誰かが移住してきても大丈夫なはず。
井戸も、どうにかしないといけないよね。
凍らないと思うけど、井戸も家の中に入れたい。
…井戸必要かな?
水のスライム核石と炎のスライム核石で、家の中のことは何とかなるよね?
自分の魔力通せば使えるようになるし。
サカイさんだけじゃなく、ほかに錬金術が使える人いないとだめか。
壊れると困るものね。
スライムもいっぱい捕まえないといけないんだよね。
「メイちゃん、シツジローくん、スライムって冬に近い今でもいるのかな?」
「拠点にはたくさんいます。プラント母さんが食べています」
シツジローくんは、拠点にいつも行っているから知っているのね。
ああ、そうか。
プラント母さんからもらってくればいいかな。
足りるかな?
「また冒険者組合に依頼を出しますか?」
「ああ、そうね。前の時って100だっけ。500くらいほしいよね。メイちゃん、依頼してきて」
「かしこまりました」
「期限は一週間で・・・大丈夫かな?」
「今の時期ですと特に森に多く生息しているようです。すぐに集まると思います」
「それじゃお願いね。依頼料は前と同じでいいかな」
メイちゃんが家を出る。
私も拠点に行くか。
拠点は雨が降っていた。
秋も深いからか、肌寒い。
プラント母さんは相変わらず外にいるけど、キドナもその木の中にいる。
「プラント母さん、スライム核頂戴」
触手が家の外の一角を示す。
スライム核が積まれてる。
プラント母さんは知っていたのかな?私がスライム核を必要としていると。
「ありがとう、プラント母さん。後、キドナはまだ子供だから、風邪ひかないように、家に入るように言ってね」
成長魔法をかけて、スライム核をもらっていく。
雨の中の作業は嫌だな。
集落に使う木の伐採は明日でいいや。
今はスライム核石を作らないとね。
質のいいものを作るには、たくさんの核を使う。
なのでこの量では集落の家をカバーするほどの数はできない。
それでも各10個はできたと思う。
思った以上にプラント母さんのくれたスライム核の量は多かった。
スライム食べつくさないでほしいな。
久々に魔力を使うと、眠い。
拠点の部屋に戻り、ベッドに寝転ぶ。
ああ、眠い。
雨の音が心地いいな。
朝の目覚めは、久しぶりの拠点。
メイちゃんがここでも何事も変わらずに部屋に入ってくる。
「ああ、おはよ。どのくらい寝てた?」
「お目覚めですね。二日ほどでございます」
二日か。
思ったよりは寝てなかったな。
外は晴れているようだし、今日は集落の修復のための伐採だ。
「メイちゃんとシツジローくんにも手伝ってもらうからね。後、シリウスたちも」
「準備はできております」
さすがメイちゃん。
できる女は違うわね。
秋空は、気持ちよく晴れている。
でも拠点から一歩森に入れば、見えないよね。
「今日はみんなに木を伐採して持って帰ってきてもらいます。太さはできるだけ太いもの。長さも必要です。後、近場ばかりだと困るので、広範囲で伐採してきてね」
魔獣狩りではないので、シリウス、しーちゃん、ベヒーは、それぞれ私、メイちゃん、シツジローくんとくむ。
ウーマとプラント母さんとキドナは不参加だ。
大き目な空間魔法が施してある背負子を持たせて、いざ出発。
私の相方はシリウスだ。
『ご主人、木というのはこの辺りのものなのか?それとも、プラント種か?』
「プラント母さんの子供じゃなければ、プラント種でもいいよ」
『わかった』
そうだよね。
別に魔物の木だっているわけで、そのほうが木としての性質がいいんだよね。
でもこの森のプラント種って、母さんの子供たちがほとんどじゃないのかな。
プラント母さんの子供たちは友好的だしな。
『大丈夫だ、ご主人。区別はつく』
それならよかったかな。
しばらくうろうろしながら、いい具合の木を引き抜いて、空間魔法で収納する。
シリウスが攻撃している木の魔物も収納していき、お昼過ぎになった。
「一度戻ろうか」
シリウスの先導で、拠点。
私は方向音痴だからね。
拠点にはメイちゃんもシツジローくんも帰ってきていた。
広い場所で収納してきた木を出している。
半分くらい木の魔物だね。
プラント母さんの子供たち以外にも、まだこんなにいるんだね。
「加工しないとね」
木材加工のスキル魔法。
・・・ものすごい時間かかった。
建築素材になったけど、眠いよ。
もうだめだ。
「あとは・・・よろしく・・・」
シツジローくんかメイちゃんが部屋に運んでくれるよね。
寝よう。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しております。
夕方になると暗くなってきましたね。夜が涼しくて過ごしやすいです。




