64~先は長そうだ~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、寝てますね。
あとは弟子に教えるくらいでしょうか。
秋の日はつるべ落とし。
暗くなるのが早いから、眠くなるのも早い。
夜は寝るものだって、この世界に来てから思った。
前世は、日付超えないと家にも帰れなかったからな。
布団がいい感じだ。
今日もゆっくり眠れる。
ここ二日はサカイさんが来ていないから、静かだし。
来ると思って用意されている夕食が無駄になっているから、メイちゃんが怒っているけど。
ああ・・・、ねむいわ。
なぜか目を覚ましたのは、真夜中だった。
眠りが浅いのかな。
水分を取って、一応カーディガンを着て廊下に出る。
何だろう。
精霊の命の木が、まぶしい。
また誰か産まれてくるのかな。
このまま生まれ続けられると、移動させるのは難しい。
そのことを相談したいのに、運営さんはまだ帰ってこないのかな。
雨が降らない時から、なぜか帰ってくる頻度が減った。
秋は雨がよく降るようになったけど、このまま雨期や冬になったら、雨量が増えるのだから、困ることが多いだろうし。
この世界の水魔法使いの少なさも原因だけどね。
王都中央部は、どれほど雪が降る場所なのかな。
冬は、拠点に戻ろうかな。
あちらも雪深いだろうけども。
再び布団に入る。
部屋の温度は快適だから寒くはないけど、秋も終わりに近づくと寒い。
扇風機ももういらなくなったからしまってあるしね。
もう寝よう。
朝はしと降る雨の音で目が覚めた。
メイちゃんがいつものように起こしに来る。
もうサカイさんがいるよ、早すぎだよ。
「おはようございます、師匠!」
「朝からうるさい。…おはよう、サカイさん」
「色水が固定できるようになりました」
「ああ、そう」
固定って・・・
確かに、それでもいいけど。
しかしやっとか。
「休みを取ってきたので、ポーション作りたいです」
「わかった、いいよ」
あくびしながら答える。
ごみポーションがせめて初級ポーションくらいになっているといいわね。
朝食後にさっそくサカイさんのお手並み拝見。
私は一切手伝いません。
できたポーションは初級ポーションにちょっと劣るくらい。
まだ魔力量が足りないんだと思う。これからの課題だな。
「これが少しでも量産できれば、偽ポーションをなくすことができます」
「量産するには、いやし草の栽培方法の確立が必要よ」
ここでしか作っていないんだし。
「そうですね」
「まず、水魔法使いと土魔法使いと木魔法使いの三魔法使いの協力体制が必要よ」
「協力体制ですか」
「いやし草は、水がきれいでないと育たないの。外を見ればわかるわね。あとは、いい土と植物をそだてるための魔法。それの全部がそろっているのが、この場所なのよ」
精霊の命の木のおかげなんだけどね。
「魔力を含む水、それを受け入れるだけの土壌。それができるようにならないと、そだてられない」
「そのためには、水魔法使いや土魔法使い、木魔法使いも育てなければならないのですね」
「そうね。あなたは風魔法使いだけど、錬金術師でもある。錬金術師も育てないと、ポーションは広まらないわよ」
「たしかに。・・・師匠、自分以外の弟子を取らないのですか?」
ん?
何言ってんだこいつ。
あんたは押しかけ弟子でしょうが。
「私はそもそも弟子を取る気はないんだけどね」
「・・・そうでした。そこも考えていかないといけないのですね」
「時間かかるわね」
「頑張ります」
「サカイさんが、一人前になって、弟子を取りなさいね」
「・・・まだ先です」
確かにね。
ごみポーションが微初級ポーションになったからといって、一人前には程遠いわ。
「とりあえず今日は、そのポーションいっぱい作って、魔力なくしなさいね」
「あ、はい・・・」
全部同じものがいくつも作れるようになるのは、当たり前だからね。
「私は出かけるから、ここにはメイちゃんおいていくわね」
「はい。行ってらっしゃいませ」
帰ってくるころには、どれくらいできているかな。
私は、拠点に行く。
拠点でのんびりお昼寝しよーっと。
何もしなくても眠いし、疲れた。
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しています。
誤字脱字報告もありがとうございます。またいっぱいありそうです。
今日がワクチン二回目です。書き溜めできてないと更新が難しそうです。




