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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
63/323

63~まだまだかかりそう~

お読みいただきありがとうございます。 居眠り女主人公、今回は、サカイさんの特訓です。


この王国を去る準備としての、レシピ書き写し。

結構大変だな。

シツジローくんに、書き写してもらっているけど、レシピをよんでいるのは私だ。

この字がシツジローくんには読めないしね。


休憩をはさんで、毎日書き写してもらう。

面倒になってきたな・・・


でも、私は、かかわったのだからある程度面倒を見ると決めたのだから、頑張らないとな。


一週間はかかったかな。

何とか基本の一冊ができた。

すぐにこれをサカイさんに渡すということはない。

サカイさんをある程度育てなければならない。

だって、いまだにごみポーションしか作れないし。


夜になって、サカイさんが当たり前のように、夕食を食べに来た。


「師匠、いつもおいしいです」

「メイちゃんが作るからね」


あんたはおいしくないときはないんでしょうが。


「ところでサカイさん、あなた次の休みはいつ?」

「休みですか。・・・4日後ですね」

「朝一で来なさい。あなたの錬金術の修行をしたいの」


今まで自分だけでやってもらってたけど、そろそろ次を教えないとだものね。

レシピを渡すために。


「し・・・師匠!本当ですか」

「本当よ」


まあ、早めに来たところで、やらせるのは、朝の草むしりといやし草の収穫だけど。

私が起きているとは限らないんだしね。


「今日は早く帰りなさいね」


まだやることあるんだし。

寝てる時間が少なくなっているから、私は機嫌が悪いわよ。


「はい!」


おお・・・

いい返事だわ。


まだ運営さん帰ってこないしな。

返事もないし。

冬に持ち込みそうだな。


当日は朝早くからサカイさんがシツジローくんに指示されながら草むしりしてた。

秋ももう深まっているのに、なんでここの草は生い茂るのかしらね。

やっぱり、木の影響なのかな。


「埃っぽいからお風呂入ってきなさい。ご飯の後、部屋に来て」


さて、私は準備に入りますかね。


サカイさんの分の道具は作ってある。

レシピを口頭で伝えながら、道具作成をしていたから。

なかなかハードだったわね。

眠いし。


部屋には、私、メイちゃん、シツジローくん、サカイさん。

手狭に感じるけどしょうがないよね。


「サカイさんは、何の魔法が使えるの?」


一番の疑問だ。

今まで聞いたことなかった。


魔法自体は、だれでも使える。

魔力があるからね。


でもそれを攻撃魔法として使えるのは、冒険者だけ。

なぜかというと、詠唱が関係してくる。

詠唱で、魔力を増幅させ、相手に飛ばすのだ。

冒険者は、冒険者登録すると、その詠唱と、魔力の飛ばし方をたたきこまれる。


それならば、ほかの人はどうかというと。

飛ばすことができない。


火魔法が使える人は、指先に火をともせるし、それをかまどの薪につけて火をつけることができるが、飛ばせない。

水魔法の人も、器や井戸に触れて水を増やしたり、雨で増水した場所を氾濫しないように弱めるとかしかできない。

それができるから、水魔法使いは貴重なんだけど。

風魔法は、対象に触れて風を起こして、髪の毛を乾かすとか、洗濯物を乾かすとか…

土魔法は、畑を耕したり、建築現場の地面をならしたりが最適だしね。

木魔法は植物を実らせたり、枯らすこともできる。


つまりは、一部に特化した、生活魔法しか使えないのだ。

なので、少しはもとより大きくなっても、魔力は微々たるものだ。


冒険者は、それを攻撃魔法として変換する。

そのためにさらに魔力が必要となるため、魔力量が多くなるのだ。

その多くなった魔力量は、錬金術師にはとても必要だ。


「風魔法です。掃除なら得意です」


風魔法か。

ということは、微力ながらも、ほかの魔法二つも使えるはずだ。


五行説。

それがこの世界にもある。

隣り合っている力なら、少しだけ使えるのだ。


火魔法の人は、木と土。

水魔法の人は、風と木。

風魔法の人は、水と土。

土魔法の人は、風と火。

木魔法の人は、火と水。


本来、こうして使えるものがあるはずなのに、特化している魔法以外は、発動できていないのもまたこの世界の不思議だ。

これは冒険者でも同じ。

プレイヤーはこのほかに光魔法や闇魔法も使う、オールマイティなんだけどね。


サカイさんは、風魔法使い。

エアカッターとかが使えるはずだが、今はそれはどうでもいい。


「まずは魔法の修行だね」

「魔法の修行ですか?」


もう使えるというのに、という顔だ。

だがこれは大切なことなのだ。


「メイちゃん、ろうそく持ってきて、二本」


二本のろうそくを立てる。


「いい?これは人です」


二本を提示する。


「この人たちは、こちらが錬金術師で、こちらが魔法使いです」


そして火をつける。


「魔法を発動しました。ここまではいい?」

「はい」


魔法使いのろうそくの灯を消す。


「これが、魔法を発動した状態よ」

「どういうことです?ただ消えただけですよね?」

「魔法使いや、生活魔法は、対象に対し、発動すると、自分の中から使った魔法が離れるの。でも、錬金術は、そのままを維持しないといけないわけよ。発動しっぱなしなの。サカイさんは風魔法だよね。部屋の中に風魔法をずっと流しっぱなしにしている状態を保つのが、錬金術よ」

「なるほど・・・」

「そして、錬金物の良しあしは、最初の魔法で決まるの」

「最初の魔法ですか」

「発動直後の魔法。それが一番いい魔法ならば、物質がそれをベースに作られるの」

「はあ・・・?」


わかってないな。


「メイちゃん、タオルと水持ってきて」


すぐに用意された。


「このタオルが錬金する物質。この水が錬金術の魔法よ」

「・・・はい?」


水にタオルを浸す。


「この最初の状態が、いいものになるかどうかを決めるの」

「このぬれた状態がですか?」 

「そう。このタオルを絞っても、最初の水と同じ分の水は吸えないでしょ」

「たしかに」

「だから一番いい魔法を注ぎ込む最初が肝心なの。ごみを作るか、いいものができるかなのね」


片づけてもらう。


「なるほど」

「サカイさんは、この最初の状態が、先ほど見せた、ろうそくの魔法使いの状態なの。発動して保てないで消えてしまうということ。だからいいものができない。同じ魔力を常時同じものに同じだけ発動できる状態を保てないと、いいものができないの」

「・・・なんとなくわかりました。そのための修行なのですね?」

「そうよ。なので、今日は、色水作りましょう」


色水にずっと同じ魔力を流し込み、同じ色を保たせる訓練。

それができるようになれば、次の段階に行ける。


「時間かかるだろうけど、魔力を空っぽにするほど使いなさい。回復ポーションなんて飲んでたら、いい魔力はつかないから」

「はい!師匠!」


空っぽにすると倒れるだろうけど、今日はいいでしょう。泊まらせればいい。

朝から、説明でもう昼だけど、魔法力強化訓練開始だ。

私は違うもの作ろっと。


この日だけでできるものじゃなかったからか、宿題になったけど、頑張ってもらいたい。

私は説明が下手なのも許してほしいわ。


今日も疲れた。


お読みいただきありがとうございます。毎週水曜日更新頑張ってます。

来週が二回目のワクチンになるから、更新できるかな?

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