52~蛍狩りはじまる~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、寝てるほうが多いですね。
今回も前回同様短いです。
おはよう。
朝は起きたよ。
今?昼前だよ。
二度寝したからか、時間の感覚がないんだけど。
ご飯はメイちゃんが作っているから問題ないし、何故か、借りているこの家のダイニングに、ジャムさんが来てて、サカイさんと談笑しているのもどうでもいい。
メイちゃんのご飯が目的なんだろうけど。
「シツジローくんと運営さんは?」
「お目覚めですか、お嬢さま。シツジローは、デュースさまとダンジョンに向かわれました」
メイちゃんがお茶を入れてくれる。
それを飲みながら聞いても、まだ目が覚めない。
寝ててもいいかな。
「で?サカイさんとジャムさんは何しに来たの」
サカイさんは違う家を借りているはずだ。ジャムさんの好意でな。
「師匠とメイさんが留守番だとシツジローさんに伺いましたので、護衛です」
「必要ないけどね」
「わかっておりますとも。だけど一応です。後、もしダンジョンに行くようなら、案内するように言われてます」
「今日は眠いから行かない」
「わかりました」
また部屋に戻って寝ることにする。
大あくびだ。
蛍なんて夜に見るものなんだから、昼間は行動したくないよ。
またひと眠りしたら、いつの間にか夕方だった。
どうやら冒険者たちが帰ってきているようだ。
シツジローくんと運営さんも帰ってきたようで、外の馬車で拠点に戻らされて、入浴させられてから家に招き入れられたという。
メイちゃんはきれい好きだからね。
「どうだった?ダンジョン」
「そうだな。ダンジョン化はほぼしていないが、魔物は活性化しているといったところだ。蛍は中にいるようだが」
「討伐はしてこなかったの?」
「ダンジョンの中にいる分には、巨大化していないようなんだ」
どういうことだろう。
外に出たとたんに大きくなるのかな。
「ダンジョンが意志を持ち、大きさを制御しているのだと思うのだが、ダンジョンの内側にとどめておくことがまだできないようだ」
ダンジョンとしてはまだまだ出来損ないなのだろうな。
「で、そのままにしてきたと?」
「これも流れだ」
そうだった。
運営さんは手だししてはだめなのだった。
中にいるうちでは見つけられないだろうな。
「夜には外に出てくるよね?」
「出てきて作物を荒らすのだろうな」
そうか。
やっぱり暗くなってからか。
それなら行くかな。
でもこの辺りって、畑ばかりの平原だったような気がするけどな。
「森の入り口近くに岩壁があって、そこに洞窟ができていた」
「つまりそれがダンジョン化しているということ?」
「そうだ。何らかの形でホタルを取り込んだことにより、進化したと考えられる」
なるほどね。
洞窟探索してきた冒険者たちはもう家で休んでるし、私は動き出すか。
「案内して」
「いいだろう」
メイちゃんとシツジローくんを家に残し、運営さんの案内で歩いていく。
そう遠くなく、洞窟のある森の端までついた。
なぜか明滅している光で明るい。
よく見ると、巨大な蛍が浮いていた。
「うわあ・・・」
幻想的とかじゃなく、気持ち悪い。
二メートルはありそうな蛍が、木々や草を食んでいるのだ。
森も食べつくされそうだわ。
「切るかな」
この大きさなら切り捨てられるし。
さやから抜いて一閃してみる。
蛍が半分に切り裂かれ、虫の体液が降り注いできた。
「ぎゃー!」
きもちわるい。気持ち悪い。キモチワルイ。
なんなのこれ。
「う・・・うんえいさん・・・」
虫汁が気持ち悪いよー。
「当然の結果だな」
「ううう・・・やる気がなくなった」
気持ち悪いの嫌だよ。
虫なんて、殺虫剤巻きたいよ。
とりあえず、お風呂入りたいし、帰ろう。
「一応切り倒した証拠をもっていかないのか?」
「触りたくない」
憮然とした顔で言えば、運営さんの呆れた顔だ。
仕方ないじゃない。
虫が気持ち悪いんだもん。
「魔力で育った異世界産だからな。いい素材になる。君の代わりに持っていこう」
あきれ顔の運営さんが、先ほどのきられた蛍を収納した。
虫汁はなくなっている。
ああ、気持ちわるかった。
対策、考えないとね。
今回の冒険者は、男女関係なくいるけど、女性冒険者は、虫が苦手じゃないのかな。
「高位冒険者になるくらいだ。そんなこと言っていられないだろう」
そうか。
そうだよね。
ゲームとは違って、ここは現実だ。
冒険者たちは虫だって切り捨ててきたはずだ。
経験積めばいいんだろうけど、やっぱり虫は嫌いだな。
対策は明日にでも考えよう。
お風呂入って寝るに限る。
悪夢を見ないといいなあ。
戻って私はお風呂のために拠点へ。
運営さんはジャムさんのとこによるらしい。
虫汁落として、やっと人心地だ。
暖かいお茶をメイちゃんに入れてもらって、寝る。
「おやすみなさい」
明日こそは!
虫汁かからないようにしよう。
つたない文章をお読みいただき、ありがとうございました。
毎週水曜日、更新させていただいてます。
頑張って続けます。




