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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
46/281

46~おっさん子供と精霊の命の木~

いつもお読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、、起きてます。

前回の侵入者の理由です


王立図書館の職員が、エルフの少年を連れて家に来たのは、あの日から数日たった時だった。

少年はふてくされている。

小生意気そうだな。


家の中に促し、客間に案内する。

メイちゃんがお茶を出してきた。

緑茶が欲しいなあ。

和室だし。


「改めまして。王立図書館で司書をしています、エリヤスともうします。この子はタリヤ。故郷のエルフの里から、つい数日前に王都中央部についたのです。なのでまだよくわかっていないようで…」


うんたらかんたらと司書さんが言う。


要約すると、精霊の生命の木を見に来たのだとか。

この少年の弟か妹が生まれるらしく、その生命を担うのが、この王都中央部にある精霊の生命の木なんだそうだ。

エルフは一生涯で命を分けてくれている木が存在するのだという。

本来ならばエルフの里にしか生えることのないその木が、なぜかここ数十年は、ほかの場所にも生えてきているのだとか。

小さい苗木の状態ならば、エルフの里に移すことができるが、大木となってしまったものは、その場所のまま保護しないといけないらしい。

この庭の精霊の命の木も保護対象なのだが、王都は土地が高く、そして、金銭にあまり興味のないエルフは、保護するための資金が捻出できずにいて、今に至るのだとか。


「だからといって、こんな子供を一人旅させていいのですか?」


どう見てもまだ十代前半だよね?


「うるさい。俺はもう40だ!」


は?

どう見ても子供なのに?


「エルフは成人が50なのです。それまでは子供の姿をしているのです」


すまなそうな司書さんとは対象に、40年も生きていてこの態度のおっさん子供は何だ?


「子供じゃないなら、不法侵入でつきだしてもよかったですね」


むかつくわー。

おっさんばかりじゃない。


「ここの精霊の生命の木は、何度も切り倒されています。そのせいでこの木とつながっている子供が生まれないままだったことが多く・・・タリヤは今度産まれてくる子のために、一年かけてこの木を守りに来たそうです」


まだふてくされているおっさん子供の代わりに司書さんの説明。


「どうせお前がこの木が邪魔だから切り倒したのだろう」

「失礼ね。ここに引っ越してきたのは最近よ。しかもこの木を守ってあげようと思って、ここの場所を中心に周りの区画を買ったのよ」

「お前にそんな資金力があるとは思えない」

「私はこれでもお金持ちなので、これくらいは買えます」


ほんと失礼なおっさん子供。


「この精霊の命の木は、わたしだけでなく、一緒に住んでいる人全員で見ているから、ここに住んでいる間は守られるわよ」

「ここに住んでいる間?」

「私は旅人なの。一応拠点がほかにあって、ここは便利だから買っただけ。長く住めそうならすむし」

「少しでも長くお願いします」


司書さん、頭下げないでよ。

エロフと同じ顔なのに、ずいぶん殊勝だ。

おっさん子供にも頭を下げるように強要している。

この場所を守るのは、大変なんだろうな。


「・・・たのむ・・・」


おっさん子供。

もう少し頼み方あると思うのだけど?

まあいいか。


「無事に生まれてくるといいわね」

「ああ!」


一年もかけて旅してきたのじゃ、もう生まれているかもしれないけどね。


「この木が無事だったとわかったので、帰るよ」

「え?」

「今から帰れば、ちょうど生まれてくる時期にたどり着くはずだから」


エルフって、何年かけて生まれるのかな。

今度運営さんに聞いてみよう。

話しかけても忙しいみたいで、まったく返事が来ないからな。


「エルフの森は水不足じゃないのかしらね」

「エルフは木と水の魔法が使えるから、水不足とは無縁なんだ」


おお、種族の特性なんだ。


「いつ帰るの?」

「明日にでもだな」

「おい、タリヤ、それは急すぎるぞ」

「迷惑かけたのはわかっているが、気がせく。里では生まれてこれなかったエルフの親は、ほんとに悲しそうだからな」

「木が無事なことを早く教えたいのね。でも一年か・・・結構遠いのね」


エルフの里も、ポータルしていたけど、あれはゲームの世界だしな。


「すまなかった。ありがとう」


お礼言うなんて。

あ、そうだ。


「明日出発前にこの家によってよ。渡したいものがあるから」

「なんだ?」

「いいから。約束したからね」


二人を帰す。

さてやるか。


裁縫スキル。

今はメイちゃんがいろんな布を買っているためか、使えるものが多い。

でも私が縫うわけじゃなく、メイちゃんに任せる。

少しすると、ショルダーバッグができた。

そこに魔法陣の刺繡。

マジックバッグだ。

時間経過なしで、容量は大きめにしてある。

商業馬車3台分。

これならば少し長い旅でも、食料が早々不足することないと思う。

家にある肉をたっぷり入れておこう。

あと飲み物と、ポーションも入れておく。

旅に必要なものがどれほどかは知らないけど。

あとは資金かな。

旅費は必要だと思う。

あのおっさん子供がどうやって捻出してきたかは知らないけど。


「シツジローくん、これを小金に両替してきて」


白金貨を渡す。

ここにすんで、白金貨じゃ大変だってことくらいは学んだから。

財布として使う小さな巾着にも、マジックバッグの魔法陣を縫い付けておく。

これで持っていきやすいと思うし。


外に出て、精霊の生命の木を見る。

ぼんやりと夜には光るこの木は、たくさんの精霊とエルフの生命を担っているんだな。


翌日早朝に、おっさん子供は来たようだ。

わたしは寝ていたけど、シツジローくんが荷物を渡してくれたという。

おっさん子供は無事に里にたどり着いてほしいものだな。


お読みいただきありがとうございました。

今回時間がなくて、そんな長くないです。誤字脱字もだんだん多くなってきます。すみません

毎週水曜日更新頑張ります。


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