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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
18/325

18~王都に入るには長い列に並ぶのです~

専用野営地、やっと出ました。

朝だ。

いや、昼だ。

・・・寝ちゃったようです。

わかっていたけども、眠かった。


「おはよう」

「起きたか、おはよう。まだ王都には入れるようだから、支度をして出立するか?」

「そうね。顔洗って、出立しましょう」


魔力が眠気を誘うのはわかっていたけど、こんなに少しでも眠くなるなんて。

この体、おかしいの?


<おかしいのは君の特性だけだ>


あきれ顔の運営さんを横に、私はさっさと顔を洗って、シツジローくんに出立の意を告げる。

シツジローくんが、ウーマを馬車につなげ、守衛長さんを呼びに行った。

どうやらまだこの専用野営地にいたようだ。


「おはようございます、守衛長さん」

「おはよう、ではないな。もう、昼も過ぎるぞ。早くしないと門がまた閉まるぞ」


わかってますって。

だから今日は何とか門の中に入る。

そのために起きたんだと思いたい。


専用野営地を後にして、王都の入口へ。

そこには長い行列ができていた。

一緒に野営地から来た守衛長さんも、うんざりした顔だ。


「毎日のことだ。この行列すべてを身分の確認やらをしないといけないんだ」

「大変ですね。魔法具か何かですか?」

「そうだ。こういう魔道具に身分証と手をのせて、赤なら偽物、青なら本人、黄色なら賞罰があるものとなる」


守衛長さんが、身振りで魔法具の形を表す。


「一つしかない貴重なものだから扱いも厳重だしな。だが、それでここに来るものを判別しなければならんからな」

「ひとつ?もっと作ればいいのに・・・」

「作ることなど難しい。古代魔法らしくて、発掘物のレプリカだからな」


複製品なんだ。

しかもレプリカなのに、一つしかないって、どれほどけちな王国なのよ。

それにしても古代魔法ってなんだろう。


<アイリーンが使っている魔法はほとんど今は失われた古代魔法だな。その魔道具も、錬金術で量産できるぞ>


ええ!

古代魔法って、ゲームの中の魔法なの?

あ、それじゃもしかして、円盤型うそ発見器?

あれって、ただのお遊び道具じゃ・・・


確か、いっぱいあったような気がする。

お盆型のやつで、水晶で作ってある、うそ発見器。

何かの心理戦で使われたような・・・

うん、覚えてないな。持っているけども。


「ねぇ、守衛長さん、その魔道具がどれほどあれば、すんなり通れるようになるの?」

「この行列を早く動かすには、50は必要だろう。だが・・・」


中央の悪いことは言えないって心理かしらね。


「ねぇ、取引しない?その魔道具を100出すから、サクサクと私たちを通してほしいな」

「は?」

「魔道具って、これよね?」


円盤型うそ発見器を出す。


「ど・・・どうしてこれを!」

「こんなものはいくらでもあるわ。私は、プレイヤーだもの」

「プレイヤー・・・」


今初めて知ったんだっけ。

いや、最初の時に身分証見せたんだから、驚くことじゃないと思うんだけどな。


「うちの国にはいっぱいあるの。自分で作るし、みんな持っているわ」


本物よ、と渡す。


「信じられない…」

「そうね・・・これを判別できる人がいれば、すぐだわね」

「わかった」


借りていくぞ、と言って、守衛長さんが門のほうへかけていく。

あれの判別できる人がいるのかな?


「アイリーン、いいのか?」

「早く通りたいし、非効率的だわ、この行列」

「もともと並ぶのにたけた民族だろうに」

「だからと言って何日も並ぶのは嫌よ」


また専用野営地どまりじゃ、いつまでたっても中に入れないし、ジューノさんたちも来ちゃうんじゃないかしらね。


しばらく待つと、守衛長さんと数人の人がやってきた。


「待たせた。・・・ほんとに100もあるのか!」

「あるわよ。本物よ。それだって、本物だったでしょ」

「うむ」


門番の中には、偽物を見破ることができるスキル持ちが必ずいるのだという。

今までも、そういうもので中に有利に入ろうとしたものがいたのだそうだ。


「100だすわ。約束してほしいの。私たちは何もせずに中に通すって」

「すべてが本物なら、約束しよう。優先的に通すとな」


スキル持ちを連れてきたそうだ。

守衛長さんの後ろから、ごついおっさんが現れた。


「すべて見せろ」


命令口調か。

まぁいいわ。


取り出して、目の前に並べる。

全部同じなんだよね。何個でも作れます。

レプリカじゃないよ。


「ほ・・・ほんものだ」

「当たり前でしょ。これで、中に入れてくれるわね」

「うむ。約束だからな」


水晶の円盤型うそ発見器を連れてきた者たちで抱え込む。

重くないのかな。

そのまま、守衛長さんたちと門の中に入って、王都に入った。


私たちはそのまま、馬車で通り過ぎる。

守衛長さんたちは、手に入れた魔道具を設営するようだ。

でもあんな本物、あんなにいっぱい手に入れたら、王都の中央になんて説明するのかな。

渡したけど、関係ないか。


「さて。王都に入ったんだから、宿を探しましょうか」


もう夕方だし、さすがにおなかもすいたわ。

馬車で待っているときに軽く食べたけども。


ゆっくり馬車は街の中を歩いていく。





まだまだ続きます。

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