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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
17/323

17~専用野営地 その2~

王都に行くはずだったのに、まだ野営地どまり。

起きたのは夕方だった。

もう何も言えない。

ほかの野営の人たちが来ているらしい。

もう、この日は王都に入れないという。

守衛長さんに呆れられながら説明された。


うん。わかっています。

私が寝すぎだってこと。

でもさ。

眠いんだよ。

起きられないんだよ。

・・・どうして、運営さんが中心になって出発してくれなかったんだ。


<守衛長に言われたからだ。アイリーンが起きてからだと。いろいろ手続きがあるそうだ>


そうなんだ?

中に入るために手続きがあるのか。

ここでやっちゃえば早い気がするけど、ダメなんだろうな。

でも今日もここで野営だよね。

いいけどさ。


寝起きだけど、メイちゃんがご飯用意してる。

私には軽いものらしい。

あとは運営さんとシツジローくんとメイちゃんと・・・誰の分?


「守衛長さんにも、召し上がっていただきますので」


優しいな。

さすがメイちゃんだ。

まぁ、これから何かとお世話になりそうだし、胃をつかんでおくことは悪くないか。


食事の支度が整うと、シツジローくんが守衛長さんを呼びに行った。

当然のようにやってくる。

昨日の今日でなじんでる?


「いただきます」


私たちのあいさつを、守衛長さんも真似をした。

最初に聞かれたときに、すべての食べ物と、作ってくれた人に感謝を、といったのが心に響いたらしい。

おいしい食事は、ほんとに神の贈り物だと思う。

・・・この運営さんは別だがな。


<ひどいな>


聞いていたのね。

だが私はあやまらないわよ。

運営さんだって、メイちゃんの料理食べているんだから。


食べ終わって、一息。

お茶が出てくる。


「シュガー殿は、王都に入って何を目的としているのですかな」

「アイリーンでいいですよ。別に、何も。・・・ああ、知り合いに会いに行く、かな。ジューノさんて、しってます?」


ここまでの道中であったジューノさんの名前を出す。

名前だけだとわからないだろうから、門番街の雑貨屋さんだということも伝える。


「それなら、すぐわかりますよ。門を入って、すぐの街が門番街。そこの中央にありますな」


有名どころなのだと教えられた。

店主はいつも様々なところに買い出しに出ていて、店は奥さんがやっているという。

他国のものはたいていここでそろうのだとか。

王都の中央に店を構えられないのは、獣人だからという差別らしい。

あほらしいことだわ。


「ジューノさんにあった後は、王都の中を見て、また次のとこに行こうと思います」

「・・・王都自体は大きいですからな。ゆっくり見て回るといいでしょう。その前に、明日はきちんと起きてくださいよ」

「できるだけ努力します。が、ここで手続しちゃって、私が寝てても入っていいようにしていただけませんかね」

「私にそういう目こぼしをしろと?これでも守衛長なのでね、そんなことは出来かねますな」

「ですよね」


起きるわよ。

いや、このまま起きていてやろうじゃないの。

前世は正味二時間しか寝てないで、休出までやった女よ。徹夜なんてなんでもないわ。


お茶の時間も終え、馬車の中に戻る。

今日は絶対起きててやるわ。


「無理だろう」


おいっ!

ひどいこと言うわね、この運営さんは。


「大丈夫よ。運営さんにも起きててもらいますからね。それよりも、外に出られず退屈している従魔たちのために、何かいい案がないかな?」

「森の家に帰したらどうだ?」


どういうこと?


「ポータル魔法があっただろう。それと馬車の中をつなげれば、いつでも帰還可能じゃないか」

「それって、森にある拠点の家で、まず、ポータル魔法使っておかなきゃならないわよね。今、ここ、王都の目の前なんだけど?」

「わたしがアイリーンを一度森に連れて行こう。入り口さえできれば、出口はどこでもできるだろう」


確かにそれなら可能だわ。


「お願いします。メイちゃん、シツジローくん、誰かが来てものぞかせないで」


二人の返事を聞き、運営さんの手を握る。

柔らかな光に包まれたと思ったら、そこは拠点の玄関前だった。


「一瞬だわね」

「神だからな」


確かにそうだった。

それじゃやりますかね。


ポータル魔法は、その名の通り、入り口だ。

どこか一点に入り口を決めておいて、その先に出口をどこにでもいいから作り、そこに出られるようにする。

出口から入口に戻ることも可能だから一方通行にはならないし、移動も数秒という優れた空間術だ。

出口は消すことができるけど、一度作った入り口は消せないのが難点なんだけど、家の中にポータルを作れば、その家ごと消したり持ち運べるので、便利なんだよね。


ポータル設置場所は、従魔たちの小屋。

家の部屋の一角だし、外にもすぐに出られる場所だ。

ポータル魔法の陣を描く。

壁一面だ。

魔法で焼き付けると、入り口は完成。

ここに魔力を流し込むと、入ることができる。

従魔たちは理解できるし、魔力も自分であるしね。


「できたわ。戻りましょう」

「では、つかまりなさい」


運営さんの手を取ると、また光に包まれた。

まぶしさが慣れると、馬車の中に戻っていた。

運営さんがいちいちやってくれてもいいのになぁ。


出口用に、馬車の中に陣を刻む。

こちらは小さくてもかまわない。

出口も、魔力を流しこめば入り口に戻されるというものなのだ。


「みんな、こちらにおいで」


従魔を呼び、ポータル魔法の説明をする。

ウーマも馬車に引き入れた。

ウーマも説明に納得したようだ。

うちの従魔たちは頭がいい。


「早速拠点に戻りましょう。帰りは明るくなる前に馬車に戻ってくることよ」


従魔を連れて、拠点へ移動。

魔力を流して、進んだ先は、従魔小屋だ。

4頭は早速外に出ていった。

私は、外にいるプラント母さん居説明しないとね。

急にみんなが戻ってきたら警戒しそうだし。

まぁ、家族だから大丈夫だろうけども。


プラント母さんは、川辺から少し離れた場所にいた。

そこが休みの場所なのだろう。

私が近づくと気が付いたようだ。

触手で私の頭をなでる。


「プラント母さん、久しぶり」


説明はうまくいったと思う。

プラント母さんが微妙にうなづいたようだったし、また撫でてくれてたから。


従魔たちはおいて馬車に帰る。

やばい。

眠いわ。

魔力を使ったせい?

夜だから?

今日は寝ないって誓ったのだから、寝ないわ。

でもクッションの力には勝てないわ。


「ね・・・ねてな・・・」


意識が保てない。


「寝たようだな」







長くないですが、進んでません。

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