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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
12/281

12~初めての集落~

やっと最初の目的地です

ここでもグダグダしています

二日ほどたったか。

それまでの間に、ジューノさんにこの世界の常識を教えてもらった。

私がプレイヤー国出身者だといったら、常識がないことに納得したからだ。

プレイヤー国の人間は、普通の人々と全く違う価値観で生きているとされているようだ。


もうすぐ初めての集落というところで、ジューノさんのほうからの伝令が来た。

冒険者さんたちが下りて、走りながらこちらに来たのだ。


シツジローくんが馬車を停め、何らかを話している。

私は眠いから興味ないし。

少しして、シツジローくんに声をかけられた。


「なにー?」

「実はですね、ジューノ様が、プレイヤー国の方々は、身分証がどうなっているのかと心配なさっているようです。集落に入る際に必要らしいのですが…」


困惑している。

身分証?

そういえば持っていないような…


運営さん、私たちの身分証ってどういう風になっているのかな?


<空間魔法の中にカードを入れておいた。名前や出身地、身分が書いてある。ドールのぶんもいれておいた>


そうなんだ、ありがとう。


手を突っ込んで取り出す。

白いカードに、右端にひもが通せるようになっている穴がある。落とさないようにかな。


私のとメイちゃんとシツジローくんの三人分だ。



アイリーン・プラム・シュガー ♀


プレイヤー国出身

プレイヤー国冒険者 LV.1380 テイマー

従魔 プラント 天狼 ケットシー スレイプニル ベヒモス スライム



シツジロー・ドール ♂


プレイヤー国出身

プレイヤー国冒険者 LV. 138

シュガー家執事



メイ・ドール ♀


プレイヤー国出身

プレイヤー国冒険者 Lv.121

シュガー家メイド頭



おお・・・

これが身分証なんだ。

簡易的でいいよね。

賞罰とかは書いていないんだな。

そうだよね。賞罰ないよね。

そういう設定なかったゲームだったよね。


「身分証はあるから大丈夫よ、チェーンはなかったかしらね。ちょっとその辺の土、もってきてくれる?」


土を持ってこさせて、簡易錬成陣で性質を変え、鉄にする。

馬車の中は見えてないから錬成術は楽だわ。

そこから細いチェーンを作り出し、穴に通した。


シツジローくんは馬車の外に待機していた冒険者さんに身分証はあることを伝えたようだ。

ゲームの中ではそんなことしなかったけど、どうやら集落に行くたびに必要なんだな。

ちょっと面倒かもしれない。


また馬車は進みだす。

寝ちゃダメなんだろうなぁ…


馬車から降りる。

集落は、小さな村っぽい所だった。


「ようこそ、果ての村へ」

「果ての村?」


そんな名前なんだ、ここ。

出迎えてくれたのも、のんびりとしたおじいちゃん門番さんだった。


「一応、身分証を確認します」


目視だ…

それでいいのか、この村の警備。


「あの・・・従魔もいるんですが、大丈夫ですか?」

「なんと、テイマーでしたか。一応確認します」


なので、馬車にいるシリウス、しーちゃん、ベヒーを見てもらう。

あれ?

なんで固まっているの?


「ななななな…あああああ…‥この世の終わりじゃー」


かけていってしまった。

失礼な爺だな、どういうことよ。


「これは…困りましたねぇ…」

「ジューノさん・・・何が起こったのかさっぱり」

「いやいや…、普通、こんな一頭でもいたら国を亡ぼせる魔獣が馬車にいたら、こんな最果ての小さな村ではパニックですよ」

「それ教えておいてくださいよ、私は一応、テイマーなんだから、従魔いますよ」

「そうですよねぇ」


のんびり会話していたら、先ほどの爺とほかにも爺と、若いのが、武器もってやってきた。

なんだ、この歓迎は。

この村壊していいかな?


「わわわわわわたくしめめめめはこの村のそそそそ村長でございます」


違う爺が前に出てきた。何言っているのかさっぱりだわ。


「アイリーン殿、こちらは果ての村の村長殿ですよ」


ジューノさんがいてくれてよかったよ。通訳必要だわ。

ジューノさんがあいさつしている。


「おお・・・ジューノどもの来ていらしたのですか。お知り合いなのですかな?」


村長さんが少し落ち着いたようで、こちらをちらりと見る。

何があったかを説明しているようだ。


「申し訳ないのですが、こちらの馬車の中の従魔は、外に出さないでいただきたいです」


村長が言うには、ほかの村人がおびえるという。怖くないのに。

でも、確かにこの子達じゃ、この村すぐ滅びるしなぁ。

私としては、中に入らなくてもいいから、盗賊引き取ってもらいたいんだけど。


「あいにくこちらでは、盗賊を受け入れられる場所がありません。隣の町まで行っていただいいたほうがよいかと…」


ちらちらと馬車を見ながら答えてくる。

つまり、ここに泊まるなってことか。

初めての集落だし、調味料とか手に入れたかったんだけどなぁ。

仕方ないか。


「シツジローくん、次行こう」


何日かかるかわからないけど、一か月分くらいは食料も持ちそうだし、途中で狩りすればいいし。

何よりウーマならすぐにつきそうだし。


「アイリーン殿、我々もともに行きますよ」


ジューノさんが?

そうするとまた遅くなりそうだしなぁ。


「次のとこでもこんなこと起こったら、それこそこちらとしては申し訳ないですから」

「でもここで商品売るんじゃないの?」


行商しながら、王都に帰っているんだよね?


「品物はほとんどダメにされていますから、今回の行商はどこに行っても無理です。それなら先をいそいだほうがいいので・・・」


そうか。

ジューノさんたちのものは、馬車の横に括り付けている盗賊にダメにされたんだった。

でもなぁ…


「お願いできませんか」


まぁいいか。

どうせ、プレイヤー国出身だとわかられているってことは、ちょっと常識はずれなことしたって、目をつぶってくれるだろう。


「わかりました。でも、今日はもうすぐ日が暮れますから・・・少し離れた場所で野営しましょう」


ちらりと村を見る。

まだ中にも入れなかったけど、村人たちのおびえたまなざしが痛いよ。

シツジローくんが馬車を村の入り口反対がわに向けると、後ろの入り口からシリウスが顔を出した。

それだけでパニックになる。


「シリウス!脅かしちゃダメでしょ。ここには寄らないから、次行くよ」


馬車はゆっくりと村を離れる。

あーあ・・・

こういうことがあるのか。

小さな村には脅威なんだな。


結構な時間進んだ気がする。

普通なら日が沈んだあたりで野営だが、暗くなってからにした。

メイちゃんが夕食準備をしている。


「ごめんなさい、ジューノさん」

「いやいや・・・これは想定していないといけなかったことでした。われらも最初に天狼を見たときは混乱しましたから」


そのうえベヒモスおいてこられたんだものね…


「でも、あの村での行商はできなかったでしょ」

「食料補給ができなかったのは痛いですが、しかたがありませんからな」

「ごはんなら、うちもちでいいよ。いっぱい持ってきているし」


なぜか私の言葉に、冒険者さんからの歓声が。…盗賊からもね。


「すみません、お言葉に甘えさせていただきます。次の町では、補給しますから」


ジューノさんの言葉で、冒険者さんたちの声が下がった。

なんなのよ?


暗い中に、ライト魔法の明かり球をいくつも飛ばす。

ウーマは、馬車から離れたとたんにどこかに走り去ったし、シリウスたちもどこかに行ったけど、そのうち戻ってくるだろう。

おいしい、メイちゃんのご飯に舌鼓を打ちつつ、次の町までの距離を聞く。

馬車で5日ほどのところだという。

国境の集落は、王都から遠ければ遠いほど、点在しているようだ。

普通の馬車のあの速さで5日なら、ウーマなら半日でつけそうだな。


いつものように食事をふるまってさあ終わりという頃に、シリウス、しーちゃん、ベヒーが帰ってきた。

何か食べた後のようだ。

そして、しーちゃんが空間魔法から何か取り出して、渡してきた。

ドロップアイテムらしい。

肉と皮と何かの魔石。なんだろう。


「ありがとう」


私の空間に放り込む。

しーちゃんも空間魔法は持っている。前に一度中をのぞいたら、四畳半くらいだった。なので、ドロップアイテムくらいなら、この三体で出かけても大丈夫だ。


さて

明日に備えてねないとね。

また少し長旅…ではなく、明日起きられたら、ジューノさんに言おう。

私の空間魔法に馬車とか全部入れて、ウーマが引っ張る馬車で次の町まで行っちゃおうって。

起きられるといいなぁ。

起きられなかったら、おきたらでいいか。

王都まで、どれほどあるのかなぁ。


おやすみなさい。






















長くないです

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