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~ 第二話  イケメンオーク、漁をする ~

本日二話目です!


では、どうぞっ!

 今日のイケメンの予定を知りたいか?


 ふっ……いいだろう。教えてあげるぜマイハニー! 今日は、ハイキングだっ!


 というわけで、森の中を歩いているアルトです。まぁ週の半分以上はハイキングしてるからなんの新鮮味も無いけどな。


 今日は、川の方までいこうかなぁ、と思っている。これが結構遠い。


 俺たちオークは、集落の側にある水場を使っている。地下水が湧き上がっていて、キレイな水には不自由しないんだ。だから、わざわざ川まで行くことはあまり無い。


 しかし、俺の心にはまだ日本人の血が流れてるんだよ。


 そうっ! 魚が食べたいっ! たとえそれが川魚であったとしても! ……欲を言えばマグロが食べたい。


 ってなわけで、狩りに行くついでに川まで足を伸ばして、魚も獲ってやろうというのが、今日のご予定だ。


………

……


 大きくて破れにくい葉っぱと例の丈夫なツタを使って作った、リュックもどきを持ってハイキングに出掛ける。このリュックもどき。見た目はひたすらに悪いが、収納力はなかなかのモノである。オークでも簡単に作れて、この機能性。前世ならモンドセレクションをあげたいくらいだ。


 そうはいっても、魚のためのスペースを空けておきたいので、無駄な狩りはしない。美味しくない奴は狙わない方向で進んでいく。


 あっ……狼だ。

 緑の毛がチャーミングな狼は、群れで行動することが多い。そんでもって、数が多い時はこちらに襲い掛かって来るという小賢しい……んんっ! とても賢い狼だ。


 あれはどうやらはぐれみたいだな。そそくさと逃げていっちまった。まぁ、あんまり美味しくはないので無視だな。


 さてさて、他にはどんなのが……おっと、危ねっ!


 スライムだよ。こいつマジで厄介なんだよね。


 このスライム、日本人にお馴染みのキュートなお顔があるタイプのやつじゃない。すごく小さい、ドロドロとしたアメーバみたいな何か、だ。


 動きはゆっくりとしており、どうやら酸か何かを飛ばしてくるらしい。ただ、その量が少ないので、肌が強いうえに巨大なオークにとっては、人間で言うところの蜂に刺されるよりもダメージが少なかったりする。


 ただ……こいつ保護色なんだよね。ギリギリまでその存在に気付かねぇんだよ。そんでもって、踏みつけると破裂する。これは痛い。身体の中にたんまりと蓄えた酸が、足の裏で爆発するわけだからな。なので、踏まないように注意して歩くか、石で潰すかする必要がある。


 このスライムは動く気配もないし、スルーだな。


 さぁて、川までもう少し。

 あっ……ここに来て、最悪なのを見つけちまった。早く隠れよう……見つかってるっぽいな。ちきしょ、投石の準備だ。


 よぉく狙って……おりゃ!


 よっしゃ命中……あぁ……臭い。最悪だ。


 俺が今、撃墜した鳥。通称『ウ○コ鳥』だ。正式名称は知らん。


 この鳥、動物を見つけると空から糞を落としてくる。それが……まぁ臭い。鳥のくせに何食ってるんだよってくらい臭い。

 

 死ぬほどウザいから見つけた瞬間に撃墜するんだけど、オークが投石で撃墜すると、だいたい破裂しちまう。結果、臭い。ちなみに肉なんか喰えたもんじゃない。


 なんだよ……せっかくのハイキングなのに、テンション下がるじゃねぇか。


 まぁいい。もうすぐ川だ! 気分を切り替えていこう!



 到着っ!

 いやぁ……キレイな川だね。四万十川もびっくりじゃねぇか? 四万十川、行ったことないけど。


 ってなわけで、漁だっ! 本当なら釣りがしたいけど……竿も糸も針も無いからな。作る? 無理無理。


 流れはそれなりに急流だけど、深さは膝丈くらい。……人間だと腰くらいまでは浸かるのかな。


 ザブザブと川の真ん中まで進み、腰をかがめる。

 

 よーく狙って……おりゃっ! よっしゃっ!


 完璧だ。岸で魚がピチピチと跳ねてやがる。


 解説しよう! 俺の漁スタイルは、熊からインスピレーションを得たモノだ。


 静かに魚を待ち、近づいてきた魚を手で岸まで弾き飛ばすという、原始的な手法。ただ、これがオークのパワーにぴったりと合う。ものすごいスピードで振り下ろされる手が、魚を見事に捕えるんだ。


 あと、魚が無駄にデカイ。


 いや、いるにはいるんだよ?イワナっぽいのとかヤマメっぽいのも。

 だけど、この川には鮭サイズを超える魚もわんさかいる。牙が生えてたりするやつもいる。危ない危ない。


 ただ、そういう厳ついやつに限って、めっちゃ美味かったりもする。ならば狙うでしょう、美食家として。


 しばらくの間、俺は漁に精を出す。いやぁ、大量大量。他に捕食する存在がいないのか、魚が多いんだよね。


 満足した俺は、少し遅めの昼ごはんの準備をする。


 燃えそうな小枝を集めてきて、石を使って火を起こす。今日のお昼は焼き魚。黄色くて細長くておっきい魚だ。……フォルムが若干ナマズっぽい気もするが、細かいことは気にしない。


 美食家たる俺は、当然ウロコもキレイに処理をする。平べったい石を使えば簡単だ。あと、内臓も指でキレイに洗う。


 焼けたか? よし、実食!


 うむ……星二つだな!


 こってりと脂がのっていて美味いけど、ちょっとだけ鉄臭い。なんでだろ、肉食魚だからか? まぁ、味は合格点だし良しとしよう。


 あぁ……醤油が欲しい。どっかに生えてないかな、蜜の代わりに醤油が出る花。……臭そうだな、それ。


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