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水城市限定都市伝説について  作者: 四十九院紙縞
第一話 ねえ、知ってる?

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0.伊神澄子

 水城(みずしろ)市には、一風変わった都市伝説が存在します。

 他所では聞かないような話が、それもふたつ。

 ひとつは、『叶(かな)え人(びと)』。

 曰く――魔法の薬を飲ませると、相手は願いをひとつだけ、必ず叶えてくれるという話。

 もうひとつは、『闇子(やみこ)さん』。

 曰く――あ(・)る(・)呪(・)文(・)を唱えると助けてくれる、全身白装束の女の人の話。

 ほとんどの人が、子供じみた話だと一笑に付すことでしょう。

 所詮は都市伝説、嘘八百の笑止千万、馬鹿馬鹿しくて滑稽で――わたしだって部外者であれば、そもそもこんな根も葉もない話など、耳に入れようとすらしなかったでしょう。そんなことよりも恋に仕事にと、至極真っ当な人生を謳歌していたに違いありません。

 しかし皮肉なことに、わたしはこのふたつの都市伝説について、部外者では居られませんでした。部外者どころか当事者です。噂の張本人と言っても良いでしょう。

 嘘みたいな本当の話。

 純度百パーセントの現実味。

 これから始まる話は、だから臆病者の伝奇譚です。

 それでも良ければ、どうか最後までお付き合いください。


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