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太陽が昇らない国の物語(仮) 第三部  作者: 岸田龍庵
火と星の旅路
21/34

ミランの決断

200PV頂きました。みなさま本当にありがとうございます。


どうしてか、火の探求者ミランを厳しい状況に追い込むキライがあります。

やはり、火は人間だけが有益に使っているものだからでしょうか?

【帝都セイクレッド・ガーデン 地下】


【メインフレームへと向かう通路】


先頭を歩く預言者アレキサンダー

その後ろには簀巻(すま)きにされて警備兵に担がれているミラン





【帝都セイクレッド・ガーデン地下 メインフレーム】

巨大な円筒状の空間を貫くように反応炉が立っている。

反応炉に四方から通路が延びている

東から延びる通路を歩いている預言者アレキサンダーの一行

南から延びる通路を歩かされているフレイとリエル

反応炉の正面に到着し、簀巻きのまま床に置かれるミラン

フレイと目が合うミラン




フレイ:「ミラン」

預言者:「ようこそ神の都へ。六等星の騎士よ。いや、元騎士と言うべきか」

答えないフレイ

預言者:「それに邪教の徒よ」

リエル:「なにが邪教よ。聖なる森を切り刻んでおいて!」

預言者:「この世に畏れ敬うものはひとつしかない。だが、それは今は問題ではない。

 君たちはこれから新しい世界の幕開けを見ることができるのだ。いや、あえて見せようとしている」

フレイ:「なんだ、新しい世界って?」



簀巻(すま)きを解かれ、両腕を拘束(こうそく)された状態で立たされるミラン

預言者:「さあミラン。いよいよお前の本当の力を見せるときが来た。客人も揃ったことだし」

ミラン:「あんたの思い通りにはならないわよ」



フレイとリエルに銃を突きつける看守達

フレイ:「ミラン・・・」

預言者:「威勢がよいのも結構だが、どうだミラン?キミの夢がお前の研究成果がいよいよ完成するのだよ」

ミラン:「私はこんなキケンなものを作りたかったんじゃないの。あんたが私たち火の民を(まだ)してこんなものを作らせて!」

フレイ:「ミラン、ここはなんだ?」

預言者:「おや、知り合いか?ミラン?」

ミラン:「知らないわ。どうせ難癖(なんくせ)つけてひっぱって来たんでしょ!さっさと解放したら」



預言者:「異国の騎士よ!」

大声で呼びかける預言者アレキサンダー

預言者:「ここがなんだか教えてやろう。この()に火を入れると大いなる神の都市が空を飛ぶ。そして君たち邪教の徒が占領している土地を奪還できるのだよ」

フレイ:「空飛ぶ都市だと?」

預言者:「そしてそれはミランの力で完成する」

フレイ:「キミがこれを作ったのか?」

ミラン:「違うフレイ!私はこんなものを作りたかったんじゃないの。この人たちに騙されていただけなの。信じてフレイ」

預言者:「どんな威力を持つかは、君は知っているな異国の騎士よ」



◆回想シーン(第二部6部を参照)

空飛ぶ船の攻撃

カナン大地に膨れあがる巨大な火玉



預言者:「ミラン、キミがヒューマに見せたかったものが、いよいよ完成するのだよ」

フレイ:「ヒューマ?ミランキミはやっぱりヒューマのことが今でも好きなんだな」

ミラン:「違うわフレイ。そうじゃないの!」

預言者:「ことある事にヒューマに見せて褒めてもらうんだと言っていたではないか」

フレイ:「ミラン・・・」

ミラン:「確かに私は誰かに私のことを認めてもらいたかったの。お母さんに、ヒューマにも。でも今はヒューマのことをそんなふうに思っていないわ」

預言者:「そうだなミラン。キミが生まれてきた土地では、君たちを利用する一方で迫害し続けた。そんな土地でもキミはいつも誰かに認めてもらいたがっていた。そうだなミラン」

ミラン:「アレックス・・・」

預言者:「そのキミが作ったのが神の都だ。これでこの世界を認めさせるのだ。世界がキミの偉業を(たた)えるのだ。ミラン、さあ炉に火をいれるのだ!」



完全におびえきって、自分では判断ができなくなってしまったミラン

フレイ:「ダメだ!ミラン!」

ミラン:「フレイ・・・」

フレイ:「約束したじゃないか、お母さんと大きくなりすぎた火を消しに行こうって。ミランが大好きなお母さんと約束したじゃないか!」

ミラン:「フレイ・・・」



預言者:「異国の騎士よ、おしゃべりが過ぎるようだ。黙らせろ」

左右に命令する預言者アレキサンダー

ミラン:「2人は関係ないでしょ、危ないことは止めて」

預言者:「おや、知らないのではなかったのかな?」

ミラン:「知り合いなんてもんじゃないわ!とってもとっても大切な人よ!」

フレイ:「ミラン・・・」

ミラン:「フレイは大切な人なんだから。いつでも私を守ってくれる大切な人なんだから!」

目が合うミランとフレイ



預言者:「なるほど。ではこうしよう。今度はキミが大切な人を守るというのはどうだ?

 キミは炉の火を入れる。そして2人は解放される。良い取り引きとは思わないかね?」

ミラン:「取り引き?」

フレイ:「だめだ!ミラン。やっちゃだめだ。

 僕はキミが笑顔でいられるのなら、死んだって構わない。そんな取り引きしちゃダメだ!」

預言者:「キミの研究が世界に認められ、なおかつ大切な人の罪も許される。良い取り引きではないか?」

ミラン:「本当に助けてくれるの?アレックス」

預言者:「神は真実しかおっしゃらない」

フレイ:「ミラン・・・」




ミラン:「お母さん、私、どうしたらいいの・・・」

母の声:「ミラン・・・」

ミラン:「え・・・・」

母の声:「ミラン」

母からもらったイヤリングが光を帯びる

ミラン:「母さん・・・」

        


ミランの目の前に母の幻が現れる

母の幻影:「あなたの大切な人を助けましょう。私はいつでもあなたの味方よ」

ミラン:「母さん」

笑顔を残して消える母の幻影



表情が引き締まるミラン

ミラン:「アレックス、炉に火を入れるわ」

フレイ:「ミラン・・・」

預言者:「良い選択をしたと思うよミラン。さあ、こちらだ。とはいえ、キミが作ったものだからな」

ミランを炉の前に促す預言者アレキサンダー

ミラン:「その前に2人を解放しなさい」



左右に合図する預言者アレキサンダー

フレイとリエルの周りから警備兵がいなくなり、一応自由になる2人

フレイ:「だめだミラン、やっちゃダメだ!」

フレイの方を見るミラン

驚くほどに穏やかな笑みをたたえるミラン

ミラン:「大丈夫フレイ。私を信じて」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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