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太陽が昇らない国の物語(仮) 第三部  作者: 岸田龍庵
火と星の旅路
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暴走する火の力

厳しい選択を迫られたミランの決断やいかに!

【帝都セイクレッド・ガーデン 地下 反応炉前】


ゆっくりと反応炉に近づき、手をかざすミラン

炎を放つミラン

預言者:「こ、これは・・・」

円筒の内側一面につけられたランプが波紋が広がるように点灯する

預言者:「ものすごいエネルギーだ」

メインフレーム全体がうなりを上げて、振動が大きくなっていく

預言者:「おお、ついに神の国が浮上するのだ」

悦に浸る預言者アレキサンダー

        


なおも炎を送り続けるミラン

ミランの体を包む炎の色が赤から青、そして白く輝き目もくらむ光りを発している





【先祖代々の森】


森の中で動かないメタリオン

メタリオンの目が光り始める

再起動するメタリオン

雄叫びを上げて、帝都に向かって猛然と走り出す





【帝都 地下 メインフレーム】


強烈な光を発し続けるミラン

フレイ:「ミ、ミラン」

メインフレーム全体を覆い尽くすくらいにミランの光が膨張(ぼうちょう)する

不意にミランを包む光がかき消える

同時に振動も突然止まる



預言者:「なんだ?」

一斉にランプが火を噴(ふ)き、先ほどとは比べものにならないくらい大きな振動がメインフレームを覆う

ミラン:「フレイ、逃げて!」

フレイ:「逃げる?」

預言者:「ミラン、何をした?」

ミラン:「何って、アレックスの言った通り、反応炉に火を入れてあげたのよ。でも少し大きすぎたかしら。もうここはダメよ」

憎らしいくらいのアカンベーをするミラン

預言者:「何だと!」



反応炉の壁がはじけ飛んで火柱が上がる

暴走と崩壊を始める反応炉



預言者:「クソ!メインフレームを切り離せ!何としてでも神の都を、聖地を守れ!」

ミラン:「みんな燃えちゃえばいいのよ!人を苦しめる神様なんて燃えちゃえばいいのよ!」

張り手でミランを吹き飛ばすアレックス

預言者:「撃ち方用意!」

銃口が一斉にフレイとリエルに向く

ミラン:「やめてアレックス!」

預言者:「ミラン、神に背いた罰だと思え。お前の大切な者を奪ってやろう!」

        


指を鳴らす預言者アレキサンダー

火を噴く銃口

銃弾がフレイに殺到する

ミラン:「やめてー!」

フレイを押しのけ、銃弾の前に立ちはだかるリエル



◆スローモーション

銃弾を受けてもんどりをうち倒れるリエル

なんどもバウンドして、動かなくなるリエル

◆スローモーション終わり



リエルを抱き起こすフレイ

フレイ:「リエル、リエル?」

すでに事切れて、閉じた唇の端から血が流れ落ちる

フレイ:「リエル・・・・なぜ?」



◆回想シーン 地下牢

リエル:「私はあなたを守りたい」



まったく表情がないリエルの死に顔

ミラン:「アレックス!」

預言者アレキサンダーに指を向けるミラン

ミラン:「あんたなんか黒こげになっちゃえばいいのよ」

沈黙するミランの指先

ミラン:「えっ?」

自分の指先を凝視するミラン

ミラン:「火の力が出ない?」





【帝都地下 メインフレーム 出入り口前】



出口に殺到(さっとう)する預言者達

その出口から鋼鉄(こうてつ)の固まりが突っ込んでくる

ミラン:「メタリオン!」

よほど無茶苦茶な強行突破をしてきたのか、あちこちが欠損(けっそん)しているメタリオン

ガタガタになりながらもミランに近づこうとするメタリオン



フレイ:「メタリオン!ミランを守るんだ」

目が一段と輝き、素晴らしい跳躍(ちょうやく)を見せて鋼鉄の腕の中にミランを抱え込むメタリオン

警備兵:「どうします?」

預言者:「放っておけ。小娘とはぐれ騎士に何ができるか。そんなことよりも神の都の立て直しが先だ」

逃げる預言者アレキサンダー一行



ミラン:「メタリオン!フレイを守って!」

ミランを腕に抱え込んだまま、跳躍してフレイの前に降り立つメタリオン

ミラン:「逃げようフレイ」

フレイ:「逃げるって?」

ミラン:「ここはもうダメよ。強すぎる火が全部破壊してしまうわ」

フレイ:「リエルを殺した奴らを、倒さないで逃げるっていうのか?」

ミラン:「そうよ。逃げる」

フレイ:「なっ?」

ミラン:「今は逃げて逃げて逃げて生き延びるの」

フレイ:「生き恥をさらすくらいなら死んだ方がマシだ!」

ミラン:「フレイ、私リエルのことはあまり知らないけど、ここでフレイが死んじゃったら、リエルがフレイを守ったことが無駄になっちゃうじゃない」

押し黙るフレイ

ミラン:「フレイ、そんなに簡単に死ぬとか言わないで。

 死んだら死んじゃったら、何もならないのよ。偉くもなにもないんだから!」

泣きながら怒るミラン

フレイとリエルをひっつかむと、猛然と走り出すメタリオン

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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