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太陽が昇らない国の物語(仮) 第三部  作者: 岸田龍庵
火と星の旅路
10/34

名乗り出た船乗り

新しいキャラクターが登場します。


ジェスやベルタと関係の深い人物です

【港町ポート・オブ・エリア】


【マリア・アズーラ号甲板】



将棋のようなゲーム(ハント・ボードという名前)をしている乗組員


ミランの声:「ベルタ!いるー?」

ピクリと反応する乗組員

乗組員:「誰だあ、お頭を呼び捨てしやがって」

舷側から身を乗り出し、声の方を見る乗組員

桟橋に立って手を振るミラン、フレイそしてメタリオン

ミラン:「元気?」




【港町ポート・オブ・エリア 桟橋(さんばし)


タラップを降りてくる乗組員

船乗り:「ミラン様。お元気そうでなによりです」

ミラン:「へへ、ありがと。で、ベルタはいるの?」

船乗り:「それがお頭はいま里帰りなさってまして」

ミラン:「里帰り?海で生まれたんじゃないの?」

船乗り:「ご存じないんですか?」

ミラン:「ベルタのこと?フレイ知ってる?」

首を横に振るフレイ



船乗り:「お頭とグレイスさんは実の姉妹なんです。

 で、グレイスさんはジェス様と結婚してますから、お里は風のキャンプになるんです」

ミラン:「へえ、全然知らなかった。ベルタがいないんじゃしようがないわね」

船乗り:「なにか、船が必要なんで?」

ミラン:「いいのよ気にしなくて。別の船を探すから。ベルタが帰ってきたらよろしく言っておいて」

船乗り:「はあ、そうですか」

立ち去るミラン達


船乗り:「お頭に報告した方がいいのかな?」

船乗り:「さあ、どうだろうな?」





【港町ポート・オブ・エリア 宿屋外観】


夕暮れの宿屋全景

宿屋の外で待機している微動だにしないメタリオン

その横を素通りしていくフレイ




【宿屋 エントランスホール】


中央に人だかりができている

人だかりの中心で将棋のようなゲームをしているミランと船長風の男

盤面では船乗りの駒をミランの駒が取り囲んでいる戦局になっている

渋い顔の船乗りと対照的に余裕なミラン



船乗り:「まいった。どうにもならん!」

ミラン:「やったあ!」

船乗り:「いやー強い。今まで対戦したなかでお嬢ちゃんが一番強い!」

ミラン:「へへーん。じゃあ約束よ。船に乗せてくれる?」

船乗り:「おう、こうなったらどこでも行ってやろうじゃねえか。どこに行きたいんだお嬢ちゃん?」



ミラン:「『霧の向こう』よ」

一斉に凍り付く船乗り達

無言でぞろぞろと引き上げていく

ミラン:「え、ちょっと待ってよ」

船乗り:「お嬢ちゃん。いくら船乗りが命知らずっていっても、それだけは勘弁してくれねえか」

ミラン:「だって約束したじゃない。ゲームに勝ったら乗せてくれるって」

船乗り:「お嬢ちゃん。海だったらいくらでも船を走らせてあげられる。だが、霧の向こうに海はねえ」



1人取り残された形のミラン

ミラン:「嘘つき!大人の嘘つき!」

フレイ:「ミラン?」

ミラン:「おかえりフレイ」

フレイ:「なにしてるんだミラン?」

ミラン:「うん?ゲームに勝ったら船に乗せてくれるって約束で勝ったんだけど、逃げられちゃった」

フレイ:「あんまり目立つようなことはしちゃだめだ」

ミラン:「だって、船に乗れないから仕方ないじゃない。それに私ゲームに強いし」

フレイ:「大人のやるゲームじゃないか」

ミラン:「子供の頃からやってるもん。軽い軽い」

フレイ:「そうじゃなくて、負けたらどうするつもりだったんだ!」



男の声:「とりこみ中、悪いな」

2人の間に入ってくる男

フレイ:「あんたは?」

男は上半身裸で、全身に太い鎖を幾重にも巻き付けている、一見船乗りには見えない風体

右の足首に金の土台にサファイアをあしらったアンクレットをつけている



男:「霧の向こうに行きたいんだろお嬢ちゃん?」

ミラン:「おじさん船長なの?」

男:「ああ。ゲームでオレに勝ったら乗せていってやるぜ」

ミラン:「本当?大人って嘘つきばっかじゃない」

男:「大人は嘘つきだが、本当の船乗りはウソはつかねえぜ」

ミラン:「わかった、ゲームやろ」



フレイ:「ちょっと待った。こっちが負けた場合、あんたは何を要求してくるんだ?」

男:「なにも」

フレイ:「なにも?とは」

男:「何にもいらねえってことさ。ただ最近は愉快なことがなくってな。飽き飽きしてるんだよ平和なご時世に。

 だからお嬢ちゃんに勝ったからって、何もいらねえよ。ゲームが愉しければかまわんさ」

ミラン:「そんじゃ、ゲームしよ。フレイ見ててくれる」

頷くフレイ

男:「よし!ゲームスタートだ!」



◆時間経過

 宿の壁掛けランプ



盤面はややミランが優勢の形になっている

男:「こりゃ、オレの負けだな」

ミラン:「やったあ!勝ったよフレイ」

拍手はするが、渋面のフレイ

男:「約束だ。オレの船に乗せてやる」

ミラン:「ありがとう船長さん」

男:「よし、船を出すぞ」

ミラン:「ええ、これからって、もうすぐ夜よ!」

男:「思い立ったが吉日。ぼやぼやしていたら置いていくぞ!」



顔を見合わせるミランとフレイ

ミラン:「どうするフレイ?」

フレイ:「悪い人物には見えないけど」

ミラン:「けど?」

フレイ:「ミランが良ければ、ぼくはそれで構わないけど」

ミラン:「じゃあ行こうよ」

先に走り出すミラン

盤面をじっと見つめるフレイ

フレイ:「なんでわざと負けたんだ・・・」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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