第66話「帰還。魔道都市。足止めからの回り道か。」
魔道都市はパニックになっていた。
ドラゴンなど普通は出ない。魔道都市にはそれこそ戦術魔道兵器を打ち込まれてもびくともしないほどの魔力障壁がある。
報告はAランクパーティー龍剣の刃がしていたので誰もが嘘だとは思っていない。
「あっはっは!!ダメでした!てか、疲れた、、、」
ゴールド的には笑い話だ。ハーネは泣いている。
「馬鹿!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「、、、ごめんなさい。」
他のメンバーは身の振り方を決めかねている。俺はどうするべきか?
勿論今は正面入口は人でごった返している。
龍剣の刃にしてもパニックになるのは解っていた。だが伝えないままではドラゴンが来てから逃げてももう遅い。その場合祈るしか出来ないからだ。
錬金術師は逃げる様子は無い。命よりも大切な研究があるそうで。それに結界が破られるとも思っていない。名のある商人達も同様だ。
「ゴールド。俺達龍剣の刃は正面入口から迂回して帝都を目指す。お前達はどうする?」
「私達もそうします。龍剣の刃の皆さんについていっても宜しいですか?」
「僕は残ります。」
その言葉にパーティーは動揺を隠せない。既に報酬は渡した。お別れの時だ。
「そうか。帝都に来たら声を掛けろよ?じゃあな。」「死なないでくださいね?」
「ゴールド様またいずれ。帝都で。」「そのさ、、お前の事、、尊敬するよ。じゃあな、、、」
二つのパーティーに別れを告げる。ゴールドは手を見えなくなるまで振り続けた。
「エミリス逃げて無かったの?」「ははっ。今外に出る方が正気を疑うと思いますが?」
まずはジョークをかます。パーティーが出ていったんだしあんまり縁起でも無いことを言わないで欲しいものだ。
「キングウルフです。すみませんが剥ぎ取りもお願いしてもいいですか?」
「構いませんよ?私にも多少は心得がありますし剥ぎ取りの書にある程度記載があります。それに全て剥ぎ取りする訳ではありませんからね?、、、アイテムポーチですか?」
こちらの言いたい事はあらかた解っていた様子。中々優秀だ。
「ふっ、、服職人のナナリースです。よろしくお願い致します。」
20代後半の女性が頭を下げる。ではのったり待つとしますか?
そんな呑気に過ごすゴールドと違って魔道都市は慌ただしい。
検問は大忙し、ギルドに人は閑古鳥。魔道都市本部も大慌てだ。そんな中長老が言葉を発する。
「ではSランク冒険者『幻魔』ミラージュ様。ドラゴン討伐をお願い致しますぞ。」
ゴールドの預かり知らぬ所で一つの都市を賭けた決戦が始まろうとしていた。




