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闇から出ずるもの  作者: まめ
ここから新作
18/21

強い式を持つ者の欠点とは?

「そうですね。呪符をきるタイミングなどは、一度教わった方がいいでしょうね」

「ああ、私から父様にお願いしよう」

「ああ、頼む」

「ええ、その場合卓兄か、私が先にやっていた方がいいでしょう?」

聖も納得して頷く。

「でも、厄介になってきましたね?」

「ああ、これを篁家だけでやるのは、流石に骨が折れる」

「ですが、声を掛けようにも、誰が敵かも分からぬ今、下手に声をかける事も出来ませんしね」

「そこなんだよな?」

卓も難しい顔をして黙る。

「それは、まだ横に置いといてくれ。たぶん、叔父様に陰陽師同志の繋がりがあるだろう? そこは、長年篁家を束ねていた人ならではの?」

「知らぬとは、言わせてくれないな」

父親が苦笑いして言う。

「当然だろ」

「そうは言うが、時代の変化と共に、陰陽師同志の繋がりもなくなりつつある」

「でも、全くない訳じゃないんでしょ?」

「一応な。でも、協力を望めるかは疑問だ」

「そうですか?」

残念と言うと、聖は笑う。

「でも、味方はそのうち現れますよ。焦らなくてもね」

「そうだな」

卓も頷く。

「それに、横の繋がりが薄れているなら。それは、相手側にも言えます。敵がそんなに多くないなら、私達で大丈夫です」

「それだと良いがな」

卓は言う。

「如何言うことです?」

聖は疑問視する。

「奴らを指揮している奴がいるだろう」

「つまり、もっと強い奴がいると?」

「そうは、思いたくないがな?」

卓の言葉に聖は悩む。

「まぁ、いずれ分かりますよ」

茅場が起きて言う。

「お前大丈夫か」

聖が聞くと、茅場は頷く。

「大丈夫ですよ。さすが、十二神将の使いですね」

聖に言う。

「お前も中々」

卓は茅場に言う。

「お前の戦い方は、おじさんによく似てるよ」

「それは、式に頼る私達とは違うんでしょう?」

「そうかもな」

卓は笑う。

「そう考えると、強い式を持つことも考えようだな」

「そうですね。我々は戦い方に工夫致しません。そもそも、我々の努力不足でしょう。強いものを式とし、我々はそれで満足している。だが、式が弱ければ、それを補うための努力をします」

「う〜ん、耳が痛いな」

「ええ、我々は強い式を持ったことで、それで満足している。満足してしまい、努力することを忘れている。式の力にただ頼っているだけだからだ。戦い方を考えなければな。だから、努力している方が強いのは当たり前だ。私たちは努力することすら、忘れているんだから」

「お前の言う通りだ、俺は十二神将の力に頼っているからな」

「私達が彼方に努力することを忘れさせてしまいましたか?」

招杜羅は涙ぐむ。

「お前らのせいじゃない。これは我々が怠けていたせいだよ」

聖が言う。卓も頷く。

「そうだ。私達はただお前達に甘えていただけだ」

「でも、そうさせたのは、私達だ」

そう言ったのは、青龍だった。

「自分たちが怠けていたのを、お前たちのせいにする気はないよ」

「そうは言うが」

「これは、自分達のせいだ。お前たちは存分にその力を発揮してくれているよ。後は、私たちの戦い方だな」

クスリと聖は笑う。

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