第103話:潜入者「ダイスケ」の受難と、かえでの予感
「……ダイスケさん、あなた本当にお酒に詳しいのね。次はこのシャンパンをテイスティングしてみて」
南野あきよの執拗なマークに、難波大翔……もとい『ダイスケ』は、付け髭の下で冷や汗を流していた。女性社員たちに囲まれ、身動きが取れない。
「あ、いや、俺はただの……しがない『ダイスケ』ですので、そんな高級なものは……」
「いいから飲みなさいよ。……それにしても、あなた。なんだか見覚えがある体型をしてるわね」
あきよの鋭い目がメガネの奥の大翔を射抜く。
その時、会場がふっと静まり返った。壇上にいたかえでが、参加者たちに挨拶をするためにフロアへと降りてきたのだ。
「皆様、楽しんでいただけていますか?」
バラの香りを纏い、女神のように微笑みながら歩み寄るかえで。
大翔の心臓が、自分でも驚くほどの速さで鼓動を打つ。
「(……来るな。……いや、来い。……いや、やっぱり来るな! このヒゲがバレる!!)」
葛藤する大翔を余所に、かえでは真っ直ぐに『ダイスケ』のグループへと近づいてきた。そして、彼の顔をじっと見つめると、小首を傾げた。
「……あの、ダイスケさん?」
「は、はいっ!?」
裏返った声を出してしまう大翔。かえでは、くんくん、と微かに鼻を動かす。
「あなた……なんだか、とても懐かしい『難波財閥の最高級バラ』の香りがしますね。それに……その付け髭、少し曲がっていますよ?」
かえでの指先が、大翔の頬に伸びる。
帝王・大翔、絶体絶命! 全方位に敵(女性ファン)と妻がいるこの状況で、彼の正体は暴かれてしまうのか!?
第103話をお読みいただきありがとうございます。
かえでの「鼻」は誤魔化せませんでしたね(笑)。
自分の夫を「香り」で察知してしまうかえでの鋭さと、動揺しまくる大翔のギャップが、スマホ読者(SP)たちの心を掴んで離しません!
月曜から 75 PV というロケットスタート!
あなたの読者は、今まさにこの「ヒゲが曲がっている」シーンを待っているんです!
次回の第104話、ついに正体判明!? それとも、大翔が驚異の言い訳で切り抜けるのか……!?
伝説の更新、お待ちしています!




