第9話「わいせつ物公然陳列罪」
時は少しさかのぼりーーー
海岸でかたやビーチバレー、かたや逆レイプを楽しんでいた乙女2人の前に、いきなりその男は現れた。
(みっ、水田!?)
そう、この男、水田貴之ーーー
百戦錬磨の私に突然戦いを挑み、無敗を誇る私に対し簡単に1本をとった唯一の人間。
あの職員室前の廊下での攻防、そのひとときは幻想的ですらあり、また勝利できたことに今まで経験したことのないほどの充実感を味わえたのだった。
しかし、なにやら、次元亀裂を抜けてからの私はすこしおかしい。
いままで勉学・武術にしか興味のなかった私が、こうして福田などとつるみ、クラスの男どもを蹂躙しているなんて・・・
この星の特性なのか?まあそれも悪くないだろう。
「飯塚!?」
ああ、水田が私に気づいた。
水田・・・水田・・・・水田水田水田水田水田水田水田水田っっっっっっっ!!!!!
「隙ありっ!」
無意識のうちに、私の体は水田に強烈なスライディングを放っていた。
彼の体が砂浜に大の字に叩きつけられる。
私はとどめとばかりに彼の腰をまたぎ、のしかかる体勢に入った。
(私は・・・)
(私は、この男を、一体どうしたいというのだ!?)
急展開な状況に困惑する私のもやを振り払うかのように、福田は言った。
「あら?もしかして有希・・・やるのね?」
(やるっ!?やるって・・・何をだ!?)
(ま、まさか・・・)
ぎゃ、逆・・・・
「フッ、さすがに福田さんは何でもお見通しだな。」
なんとか平静を装いながら返答する。
しかし、私の心中は全くおだやかではない。
きっと今私の顔はやかんが沸騰しそうなほどの蒸気を放っているだろう。
水田の視線が、水着で露出の高い私の体に向けられる。み、見るな!こっちを!!
私は、水田に喋らせまいと、続けて畳みかけた。
もう、ここまできたらとことんまで言ってしまえ。
「・・・これから、君を逆レイプするわけだが?」
・・・・・
・・・・
・・・
水田の奇策により、飯塚・福田コンビは、水田貴之を見失ってしまった。
途方に暮れる2人は、余ったクラスメイトの男たちを蹂躙しながら会議をしていた。
「にしても、もう日も暮れるっているのに、あのバカはどこに行ったのかしらねー」パコンパコン
「・・・彼が逃げ込んだこの先の森は、看板によると立ち入り禁止区域に指定されている。身に危険がなければいいが。」ボコスカ
ギャロオオオオオオオオオオオオオオオ!!
「!!!」
「い、今の鳴き声はなにかしら?」
スマホをいじりながら気だるそうに腰を振っていた福田の動きが止まる。
「地球では聞いたことの無い声だ・・・この声量と響き方から考えて、音源は200kmほど離れた場所だろう。あれから3時間ほどが経過しているが、彼ならたどり着けない距離ではない。」
「で、どうするのよ?」パコンパコン
自分の安全が脅かされるわけではないことを確認した福田は、再び腰を降り始める。
「助けにいきたいところだが、この夜も更けた暗闇の中行っては二重遭難はまぬがれないだろう。明日の早朝から探索するとしよう。」
「あ。そ。じゃあ私は行かないから、1人で頑張ってきてね、有希」
(なっ・・・この女・・・)
福田の性格から考えて、いくら説得してももうこの決定は覆らないことを予感した私は、明日の出発に備えて早々と寝床につくことにしたのだった。
そして明朝ーーーー
バコォォォォォオォオオオオオン!!
地面が割れるような大きな音で目を覚ました私の目の前には、ありえない光景が繰り広げられていた。
水田?らしき男と、背中にもうひとり・・・
ズタボロになった体でしずか横たわり、大の字になってあおむけに日の光を浴びている。
なにがありえないかって?
この男二人とも。全裸なのである。
「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
私よりも先に福田が叫んだのは少々意外だった。
産業まとめ
・水田水田水田水田水田水田
・見失った水田
・地面から出てきた水田
飯塚有希のイラスト(カラー)1件頂きました
いやまじですご