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人狼と少女  作者: 冬忍 金銀花
最終章 エストニア市民独立運動

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第37部 (閑話)帰路のシベリア鉄道


 1918年(大正7年)5月20日 エストニア地方


*)帰国へ向けて                      


 エストニアは独立し、人狼兵も壊滅させたと思う。が、名の無い研究者が不明だから大いに不安が残る。


 私たちは、エストニアの人民解放戦士の厚情により、大型のトラックを譲り受けた。ロシアの軍から献上して頂いた物で、モスクワまで運んで欲しい、ということらしい。供物=報酬の荷物なのかは定かでは無い。


 新市長だろうか、


「モスクワに着いたら、ロシア軍の少佐に声を掛けて下さい。ナホトカまでシベリア鉄道の切符と交換してくれます」


 何だか、賄賂みたいな感じがするが必要悪!か。私たち一行は、全員で9人。阿部家の4人。私と麻美。霧の子の2人。あ、すみません、忘れました。石川くんも居ました。まだ? 不足ですか? 仕方無いですね、三浦教授を追加しました。


 途中のイルクーツクまでは、館長さん一家の5人も同行ですね。総員が15名シベリア鉄道での長い旅路が始まりました。連結された客車の数は分りません。そうとう長いと思いますが。


「ねぇ~、お婆ちゃん、お爺ちゃんも手伝って下さいな。子育ての経験がありますでしょうが。桜子も麻美も経験は無いんですよ!」

「ぶ~」(麻美)

「1年と7か月、少しも、じっーと、しないんですもの適いません」

「あら? お婆ちゃんとは、誰ですの? 私だってあなた達と同じで、子育て経験はありませんわよ。お年も同じかしら」


「ひーが抜けてました。曾爺ちゃん、曾婆ちゃん、お爺ちゃん。これでいいですか?」

「ひぇ~? 齢が同じになるんですかぁ~?」(麻美)

「お婆ちゃんは、今年で21歳よ。貴方たち2人は、21歳でしょうが」


 時間断層で2歳も齢を食ったのだ。正確な経過日数が計算できなが。


「西暦で計算して下さい。まだ20歳です」

「今年の日本は、サバ缶が人気ですって!」(2019年)


「ルカさん。クライさんですが、また封印されますか? もう、ロシア軍の心配は無い筈ですが」

「クライ、もう封印はしなくていいよね?」

「はい、お母さま。今までの事や、知り会えた方々を忘れたくはありませんもの」

「ターニャもそれがいい。なんか妹が出来た感じがして不思議!」

「そうしますね、クライ。いい経験しましたよね」


「阿部教授、奥さまとは、寄りを戻せそうですか?」

「嫌ですわ、こんなオジサンはお断りしたいです。私が愛した勇さんは、 21歳の勇さんです。34歳は違反です!」

「そう言うなよ、サワさん! 俺は12年も独身を貫いて来たんだぜ。多感な20歳代を独身だぜ?」

「阿部先生!若くて、ステキな奥さまで、羨ましいですわ!」

「美しい、が抜けてましてよ」


「おじいちゃん、ダッコはイヤ!」

「そうよね~、沙霧も澪霧も、桜子ママがいいのよね~」

「ママ、ダッコ」

「ママ、ダッコ」

「ママが、2人も居るもんねー」(麻美)



「ゴル、酒持ってねーか。飲みたいんだが」

「持ってませんよお父さん。ターニャ出してくれるか?」

「持っているのも重たいし。少しだけよ」


「歓談中!申し訳ないんですが、ワシの事忘れてはいませんか~」

「おお、すまん。宿ロクさんを失念してましたわ。一緒に飲みましょう」

「宿ロクさん、あんたは何処から湧いてきたんですか~」

「なに、10年後に会ったじゃないかい。あれと同じだよ」


 3人が飲み始めて、2時間ほどして、


「ニキータはな、ニキータは、ワシを置いて駆け落ちしたんでさー」

「ロクさん、ニキータさんはね、駆け落ちではありません。駆け落ちでしたら、この桜子が殺してます」

「じょうちゃん、気がつえーなー。まいるぜ」


「三浦教授、石川くんとの打ち合わせに熱が入ってますよね~」

「そうさな、ベストセラーに仕上げるから、大変さ」

「石川くんは、まさか、単位修得で買収されてませんか? 単位以上に価値ある紀行になりますよ。供書にしないと損です」

「桜子さん、入知恵は勘弁な!」


「麻美、子守を押し付けてた。今代わるね」

「二人目のママですよー」




*)10年の時間断層、並行世界


 この世界は、沙霧と澪霧が作った世界。このまま亜依音の世界まで続く。


「ねぇ、若いお二人のママさん、双子の封印はされて無いのですよね?」

「はい、封印と言うか、覚醒させていないですね。何か問題有りますでしょうか」

「何も無い筈でしょうが、少し気になるような・・・・・」


 ルカの言葉を、2人は聞き逃した。


「なぁ~勇。この年の差は大丈夫か?世間様は誤魔化せるのかな~」

「大丈夫です、お父さん。こうして死んだ両親と女房と会えたんだ、気にする必要はないよ。ただ、お父さんには、お仕事を探して頂きます。教授の給料は安いんでね」


「俺らはもう死んでるんだ。位牌があるんだよな?」

「ま! 勇さん。私もですか? 化けて出ます・・・・プン」

「俺の満州の会社はどうした。在るんだろ?」

「全部私が食いました。ご馳走様でした」

「吐き出せ! 今すぐに吐き出せ!そうしたら許す」

「お父さん。まだ問題あります。戸籍が戻るでしょうか」

「戦争だ、問題あるまい、て」


 一応、全員の声をお届け致しました。これで日本へ帰還いたしました。


 1928年10月20日に到着。実に10年と5ヶ月ですが?


 私たちは、まだ並行世界に居る事に気がついていません。始まりの章は、1937年(昭和12年)7月15日北海道・札幌市から。まだ、10年もの時間がずれています。この世界は、私たちの都合がいいように改変されています。それはあたかも、1927年(昭和2年)7月15日だったように。




「沙霧と澪霧に捧げる詩」


星の砂と雨の花と  漠の砂と水の緒と


あなたは、乾いた大地の子、私の命 誰にも厳しく 等しい愛の命をはぐくむ星の砂

あなたは、広がる海の砂浜、海の命 誰にも微笑む 等しい愛を育てる漠の砂



あなたは、潤いの大地の子、私の命 誰にも優しく 等しい愛の命をはぐくむ雨の花

あなたは、広がる森の草原、陸の命 誰にも微笑む 等しい愛を育てる水の花


わたしは、あなたへ愛を捧ぐ、ふたりで羽ばたけ大空に、私に降り注げ想いの言霊となりて

ともに詩おう、愛の言霊を。ともに詩おう、愛の言霊を。


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