付き合い悪いと言われても。
退屈だった授業が終わり、終礼の時刻になった。
皆が帰り仕度を整え、教師が明日以降の連絡をしてそのまま帰れるはずだった。
…はずだったのに!
「はいこれで連絡は以上です。あっ、山城君。後でちょっと教卓に来て」
嫌な予感がした。おいおいまたアレじゃないだろうな。クラスメイトも察しがつくのか、ニヤニヤ笑っている。ええい、忌々しい。
「なんですか」
「えーっとね、お父様からご伝言があるの」
やっぱりか。
「なんですって?」
「『近頃息子が学校から帰ってすぐ、隣町まで遊びに行っとるようです。今日からはそんな行動を取らないように、しっかりと言い聞かせてくださらんか』学校から帰ってしまったら、もう私たちの管轄じゃないんだけどね。この伝言も四回目よ。親に心配だけはかけないようにするのよ」
周りを取り囲んでいる男子どもや、すみっこに固まって女子会(?)をしていた女子どもから低い笑い声が聞こえてきた。くそっ俺馬鹿にされてる! てかお前ら、いつまでいるんだ。とっとと帰れよ。
「学校から帰ってすぐってのは間違いです。ちゃんと宿題やってから行ってるんですよ。俺、宿題の提出遅れたことは一回もないですし」
「そうね。授業中もいたって真面目で、居眠りひとつしてないらしいし」
「先生だってわかるでしょ、こんな村には何もないんですよ」
「とにかく」
教師は、机の上の学級日誌を持って歩きかけた。話はおしまいってことか。
「お家の人には心配をかけないようにね」
「…はい」
俺の言い分遮られたぜ。しかもまだこっち見て笑ってるやついるし。ああ凹むなあ。
「おい、山城」
振り返ると、舞鳥と金村・他三名が帰り支度を整えてつっ立っていた。まだ帰ってなかったのか。
「どした?」
「わざわざ終わるまで待っててやったんだよ。今日は一緒に帰れるんだよな」
そして、そのまま一緒に隣町まで行って遊べるんだよな。舞鳥の目はこう語っている。
「ごめん、今日も無理だ」
「あ? またかよ。そんなに親父さんが怖いのか?」
「ちげーよ。じゃこれで」
「待てよ」
そのまま教室から出た俺の耳に舞鳥たちの会話が聞こえてきた。
「来ねえんならしゃーねえって。ほっとこうぜ」
「…あいつ、付き合い悪くなったな」
「だったら、村陽の言う通り、もうほっとこ」
「俺たちだけで行こうぜ」
あー、行けばいいじゃん。というか、村陽なんてやつ知らないし。…あ、よそのクラスか。
「山城君!」
突然後ろから声が聞こえた。なんだ、今度は女子か?




