↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/9

01章00話 プロローグ

──魔塔。


その塔は、神に仇をなすかの如く天へとそびえ立つ。


世界の真実を探求し、魔導の極致を追い求める至高の研究機関。


法の外に君臨し独自の権力を有するその場所は、表向きこそ清廉(せいれん)な学舎だが、裏では倫理を無視した非人道的な実験が密かに行われていた。


*  *  *


「よく来てくれたな、ミラルダ」


銀糸のように輝く長髪を揺らし、男は対峙する女へ軽く頭を下げた。


「畏(かしこ)まって何よアルバス。ミラと呼んで」


フードを深く被り、顔の右半分を前髪で隠した女が不敵に微笑む。


アルバスは顎髭(あごひげ)に手を当てると、部屋の中央に鎮座(ちんざ)する『氷の棺』へと視線を落とした。


そこに横たわるのは、かつて竜の軍勢を打ち払ったとされる『五英雄』が一角。


――《七色の竜人》ゼブルの遺体。


「見てくれミラ……かつて世界を破滅から救った英雄の肉体だ。その英雄の英雄がかぶっているのだ……ふっ」


「あなたイカれてるの?」


「お前の死霊術で、この遺体から強さを抽出し、別の器へ移せないだろうか?」


「単に呼び起こしたらいいじゃない」


「それではダメだ。魂の削れた死屍(しし)では、本来の力から劣化してしまう」


ミラは口角を歪に吊り上げると、低く不気味な声で囁いた。


「ふふ……なら、成果の出ない『不要な生徒』を使って、実験させていただいてもよろしいかしら?何人か壊れると思うけど」


「問題ない。ゴミの使い道としてはいいアイデアだ」


魔塔の最上階で、狂気と無慈悲に満ちた密約が交(か)わされる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。