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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第三章 休暇中の大騒動「燃ゆる温泉街」編
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第58ページ 地下水道の探索

地下水道の中は真っ暗で、自分の足元さえ見えない。

だが、俺の目は暗闇など関係ないし、ダスカスも問題ないようだ。

カリアともう一人は暗視の魔道具を着けている。

幸運は下水道ではなかったことか。


「何故貴様が平気なのだっ」


また言ってるよ。

負けた気になっているのだろうか?

俺とダスカスは苦笑いだ。


「さて…どちらだ?それぞれどこに繋がる?」

「右に行けば町の中心、水道の合流地点があるようです。左は町外の貯水池へと通じます。ただ進んだ先にも岐れ路があり、どこか迷路のようになっています。一本道というわけではないようですね」


ダスカスがもう一人の男と、地図を見ながら話している。

降りた所は地下水道の途中で、右か左かに行くことができる。

町外に出られていた場合厄介なことになりそうだが、どうにも違う気がする。

伯爵家からわざわざ町中に逃げたのに外に出る必要もない。

だからと言って別の所にも通じる以上、左の可能性がないわけではないとは言えない。


「二手に別れますか?」

「…そうだな。私とカリアは左へ、シュウとマテウスは右へ行ってくれ」

「はっ」

「了解」

「わかった」


順当だろうな。

能力的にも相性的にも。


「では、何かあっても慎重に行動するように」


ダスカスが一声かけてからカリアを連れて左へと進み始めた。

カリアは一瞬こちらをキッと睨んで後に続く。


「行きましょう」

「ああ」


俺とマテウスは、右に向かって歩き始めた。


このマテウスという男は、どうやら補佐タイプのようで、こういった探索などには重宝する能力を持っている。


―・―・―・―・―・―


マテウス 24歳 男

HP:550

MP:650

魔法属性:土、風

<スキル>

剣術、弓術、暗器術、土属性魔法、風属性魔法、瞬足、跳躍、隠密、索敵、地図作成

<称号>

「暗殺者」


―・―・―・―・―・―


スキル「地図作成」。

これはゲームなどによくあるマッピング機能のようなものだ。

自分が行った場所を脳内で地図として表示できる。

このスキルにより、行っていない場所もわかるということだ。

便利だ。

その上位スキルを手に入れてしまって申し訳ない。


---


<ユニークスキル>

天衣模倣マスターコピー完全なる完結ジ・エンド・オブ・パーフェクト全知眼オールアイ識図展開(オートマッピング)(new)


---


どうやらこの「識図展開」は、人の位置や罠の位置までわかってしまうらしい。

任意にマーカーを打ったり、意識すればそこがどういった場所か書き込むことまでできるようだ。

申し訳ない。

申し訳ないのだが、めちゃくちゃ便利だ。

ありがたい。


人は色の付いた光点として表示され、マテウスのように味方として認識している人は青い光点。

脳内で地図を切り替え、町の地図を表示すると一般市民は緑の光点となっている。


更にどうやら名前を知っていると、光点から線が伸び名前がわかるようになっている。

誰がどの位置にいるかまるわかりというチート性能。

光点や名前だけを表示されないようにすることもできる。

便利すぎる。


だが、こういうの好きだ。

この能力で世界全図を作りたくなってくる。


もう一度地下水道の地図を表示。

俺達が進む先に赤い光点がいくつかある。

おそらくは敵だろう。


「あーマテウス。敵のいる場所がわかった。付いてきてくれ」

「は?」


マテウスがポカンとしている。

申し訳ない。

でもマテウスがもう少し早くスキルを使ってくれていたら、ダスカス達と別れる前に気づけたんだぞ?


言いたいことはあるようだが、マテウスはちゃんと付いてきてくれる。

これがカリアだったら何を言われるかわかったもんじゃない。

人の分け方はやはりこれが最適だったと言えるだろう。


「識図展開」のスキルを得た俺と、「地図作成」のスキルを持つマテウスが迷うはずもないが、そもそも地下水道の地図があるため、迷う心配はなかった。

俺たちはあっさりと、赤の光点が集まっている場所へと出た。


「識図展開」で確認した光点の数は4。

少ないような気がしないでもないが。


「あのローブ…間違いありません」

「そうか」


地下水道の合流地点となっているそこは、広くはないが、それなりの空間があった。

地下水道よりも更に下がった位置にあり、降りるためには梯子を利用するしかない。

水道自体は、流れるようにとやや傾斜がついて自然と落ちるようになっている。


俺とマテウスは物陰に隠れながら様子を窺っていた。

4人の人影が、中心に置かれている台座を囲むようにしている。

台座の上には燭台と匣。

あれが盗まれた例の匣だろう。

燭台に灯された火が怪しく揺れている。


「何かの儀式中のようですね」

「魔神復活か」


さて、どうするか。

マテウスは戦闘タイプではないが、4人なら俺ひとりでなんとかなるだろうか…?

いやキツイな。

場所が場所だ。

ここで暴れたら上でどうなるかわからない。


「どうしますか?」

「どうするかねぇ…?」


悩んでいる時間はないようだ。

火が激しく燃え立ち、匣から禍々しい色をした煙が漏れ始めている。


「マテウスはここで待機。最悪の場合は逃げて伝えろ」

「…了解」


何か言いたいことはあったようだが、素直に聞いてくれた。

自分が一緒に行っても足でまといになるだけだとわかっているのだろう。


「行ってくる」

「お気を付けて」

「お前もな」


隠れていた物陰から身を出し、一気に空を駆け(・・・・)、近づく。

文字通り空中を駆けている。


さっきステータスカードを見て驚いた。

スキル「天足」。

その速さは音を超え、その脚は天さえ駆ける。

忍部隊達の瞬足を見たことで獲得したようだ。

空中機動を確保できたのは嬉しいことだ。


「そこまでだ」


斬鬼を抜き、一番偉そうにしていた人影の後ろに立つ。

他の三人は動揺した様子を見せたが、この人物だけは動じなかった。


「伯爵の手の者か?少し遅かったの」

「何?」

「ここでやることは済んでおる。あとは…」


ドォォォォン!!!!


「なんだっ!?」

「あとは血を流すだけじゃ」


地上から何かが爆発したような音が聞こえると同時に、人影が身体を揺らし哂い始めた。


黒葉周 17歳 男

冒険者ランク:B

HP:10500

MP:7800

魔法属性:全

<スキル>

格闘術、剣術、槍術、棒術、弓術、刀術

基本六魔法、氷属性魔法、空間属性魔法、無属性魔法

馬術、身体強化、魔力制御、完全回復、天足、覇気、看破、隠形、危機察知、魅了、罠解除

耐魅了、耐誘惑、耐幻惑

礼儀作法、料理、舞踊

<ユニークスキル>

天衣模倣マスターコピー完全なる完結ジ・エンド・オブ・パーフェクト全知眼オールアイ識図展開(オートマッピング){索敵+罠発見+空間把握+地図作成(new)}(fusion)

<称号>

「知を盗む者」、「異世界からの来訪者」、「武を極めし者」、「すべてを視る者」、「竜殺し」、「下克上」、「解体人」、「誘惑を乗り越えし者」、「美学に殉ず者」、「魔の源を納めし者」、「全能へと至る者」、「人馬一体」、「無比なる測量士」(new)、「翼無き飛行者」(new)

<加護>

「創造神の興味」、「戦と武を司る神の注目」、「知と魔を司る神の注目」、「生と娯楽を司る神の加護」

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