表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆かんたんの枕☆  作者: 犬冠 雲映子
しし虫はここにはななきししらははかしみにしづがとにゆきてなきをれ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/113

マクラちゃん! さんじょう!

「パーラムさんっ! 大丈夫ですか!? 季節外れのスーパー台風で家壊れていませんか?!」

 乎代子はクスの髪をブラシで梳かしていると、バン! とドアが開け放たれた。

「はあ? 誰?」

「パーラムさん、私です! 尾先ヶ 間蔵ですう! 忘れちゃったんですか?!」

 尾先ヶ 間蔵は見当違いな事を捲し立てる。

「いやぁ、私は洞太 乎代子だって」

「貴方が乎代子だとかなんてカンケーないです。パーラム姐さんはパーラム姉貴さんです!」

「は、はあ、」

 ここで否定してしまうと敵対して、ズタボロにされかねない。それに他人ではあるが、そこまで心配されるのは悪い気はしなかった。

「確かに2月にあんな台風は人生初めてだったも」

 関東地方、もとい埼玉県やその上流域に大雨をもたらしたスーパー台風は暴れ川を覚醒させ、多大な被害を生んだ。東京も、いや、関東にあそこまで爪痕を残した台風はあの有名なカスリーン台風以来だろうか。

 武蔵野台地の上にアパートはあったので、さいわい洪水被害は受けなかったが廃墟が暴風に煽られてしまい、倒壊しまいかとヒヤヒヤしていた。

 いつの時間か、パビャ子が赤い雨だ、と呟き、地震かと勘繰るぐらいの奇妙な地鳴りが鳴った。部屋にいた全員が死を覚悟した。

 が、脳裏に恨めしそうに泣いている女性が浮かび──あれは悲しくて悲しくて仕方ない泣き声なのだ、と変に納得してしまった。

 クスを怖がらせないよう抱きしめながら、その女性やラファティ・アスケラが去ってしまうのを予感したのだ。

(パーラムの力ってやつなのか)

「マクラちゃんがいるからにはパーラム姐さんに傷一つつけさせませんよ!」

「ていうか、なんで居場所がわれてんの」

「多多邪の宮さまから教えてもらいました! わえはしばらく長い旅に出る、って! パーラムをよろしく頼む、と言われましてね」

 フン! と胸を張り、自慢げに彼女は言う。

「し、死亡フラグじゃん。それ」

「ク?」

「クス、どうしたの?」

「パ」

 ああ、と乎代子はさらに肩を落とした。さらに厄介な事態が起きるのだと。バタバタと階段を駆け上る音がして。

「あーっ、誰よその女?!?」

乎代子 なぜカスリーン台風を知って?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ