9/12
6.5日目 本音
その部屋を出ていこうとした時、手をつかまれた。
そちらを見ると、黒い竜君が手をつかんでいた。
「黒い竜君…どうし…」
『……まな…、いかないでくれ』
名前を呼ばれ、それ以上何にも言えなかった。
『まな…まなっ…ずっと、よびたかった…っ!』
涙目で話している黒い竜君、正直嬉しかった。
そんなことを想われていたのかと思わなかったけど
『…うれしかった。なまえ、つけてくれて…、うれしかった…
でも…すなおになれなくて……。』
「うん」
『…おれだって、つけてくれた、なまえでよんでほしい…わらいかけてほしい…でも、おれは―――。』
「大丈夫だよ。わかってるから、今はゆっくりとお休み。私はここにいるから。」
そういうと安心したのか清光は少し微笑んでそのまま眠りついた。
勿論、手を握ったままで。
『清光、眠りました?』
「うん、眠ったよ」
ドアの方から心配そうに覗いている光輝が顔を出していた。
あぁ、天使かな?
『僕もここにいていいですか?』
「勿論、いいよ」
そういうと、静かに隣に座った。
『早くよくなるといいですね』
「そうだね」
早くげんきになってね。清光