第三回 ヒュドラ作戦編(第七章~第九章)
●主な登場人物・勢力紹介●
※本ページには、『異世界艦隊日誌』第七章から第九章までの内容および結末に関するネタバレが含まれています。
※人物の所属や階級、立場は、原則として第九章終了時点を基準としています。
※本ページでは、ヒュドラ作戦編で重要な役割を担った人物を中心に紹介しています。名前のあるすべての登場人物を網羅したものではありません。
●フソウ連合・主要人物●
●鍋島貞道
フソウ海軍総司令長官。マシガナ地区代理責任者。
『夜霧の渡り鳥』作戦後、世界各国から注目されるようになったフソウ連合を、軍事と外交の両面から導く。
アカンスト合衆国との条約締結では、相互援助と通商、文化交流を重視し、ウェセックス王国に続く新たな友好国を得た。
共和国艦隊の動きを牽制するため、合衆国との合同演習を提案。護衛駆逐艦を譲渡し、両国の軍事的な結びつきを意図的に周辺国へ示した。
ヒュドラ作戦開始後は、北方で帝国艦隊を足止めし、南方で共和国艦隊を撃破する計画を立案する。
しかし共和国の首都攻略部隊が発見されたことで、作戦の変更を余儀なくされた。
首都を守るためには、北方方面艦隊へ送る増援を遅らせなければならない。
部下の命を大切にする鍋島にとって、それは最も下したくない命令だった。
それでも国家全体を守る責任から逃げず、北方方面艦隊へ持久戦の継続を命じる。
同時に、イタオウ地区や北方基地へ陸上部隊を送り、海上戦だけでなく国内防衛にも対応した。
ヒュドラ作戦では、鍋島がすべてを予定どおりに動かしたわけではない。
敵の予想外の行動を受け、その都度優先順位を決め、限られた戦力を再配置した。
完璧な計画より、崩れた計画を立て直す判断力によって、国家を危機から救った指導者である。
●東郷夏美
フソウ海軍大尉。鍋島長官の秘書官。
外交会談、軍務、情報整理などを通じて、鍋島を最も近くで支えている。
ヒュドラ作戦中、増援の到着がさらに遅れることを北方方面艦隊へ伝える役目を自ら引き受けた。
それが的場たちにとって、どれほど過酷な命令であるかを理解していた。
しかし秘書官として、長官に代わって都合の悪い命令や情報を伝えることも、自分の役割だと考えている。
鍋島の優しさを守るだけでなく、ときにはその決断が生む痛みをともに背負う存在となっている。
● 川見悟
フソウ海軍中佐。諜報部責任者。
イタオウ地区から送られてくる報告に違和感を覚え、三島小百合とともに現地調査へ向かう。
潜入時には小百合と夫婦を装う。
イタオウ地区の行政組織にアンネローゼの協力者が入り込み、魔術によって役人や有力者を支配していることを突き止めた。
アンネローゼとの最初の対決では、精神を操る魔術に抵抗し、彼女へ傷を負わせる。
ヒュドラ作戦発動後には、小百合が破壊した結界から飛び出したアンネローゼを狙撃。重傷を負わせ、地区の反乱を終息へ向かわせた。
冷静な情報担当者だが、小百合を道具や部下としてだけ扱っているわけではない。
危険な任務に単独で挑んだ彼女を強く心配し、倒れていた小百合を発見した際には、感情を隠しきれない姿も見せた。
情報を集めるだけでなく、必要な場面では自ら引き金を引く、フソウ連合の防諜を支える人物である。
●三島小百合
三島家に属する魔術師。川見悟の補佐として諜報活動に加わる。
魔術に関する知識だけでなく、潜入、護符の作成、魔術的な汚染の除去など、多方面の能力を持つ。
川見とともに夫婦を装ってイタオウ地区へ入り、アンネローゼが作った魔術拠点を発見する。
川見へ護符を持たせ、アンネローゼの精神支配から守った。
最初の調査後には、約二十か所に及ぶ魔術拠点を解除し、操られていた人々の治療と行政組織の再建を進める。
ヒュドラ作戦時には、自分より強力なアンネローゼへ単独で挑む。
赤い魔石によって一時的に魔力を高め、アンネローゼの結界を破壊。川見が狙撃できる状況を作り出した。
任務を優先するあまり、自らの命を危険にさらす傾向がある。
川見に対して特別な感情を抱いており、周囲からは本当の夫婦だと思われるほど息の合った関係となっている。
●フソウ海軍・前線指揮官●
●的場良治
フソウ海軍少佐。北方方面艦隊司令。
ヒュドラ作戦において、帝国の大艦隊を北方海域で足止めする任務を与えられる。
帝国艦隊との戦力差は圧倒的であり、撃破ではなく、増援が来るまで生き残ることが目標だった。
島影、悪天候、酸素魚雷、機雷原を利用し、小規模な攻撃を繰り返して敵の進撃を遅らせる。
共和国の首都攻略部隊が発見されたことで、増援は予定よりさらに遅れた。
幕僚たちは厳しい命令に反発するが、的場は鍋島が理由もなく部下を死地へ置く人物ではないと理解していた。
その信頼を根拠として、持久戦を継続する。
最終的には、軽巡洋艦最上を囮にしてティルピッツを本隊から切り離し、閉じられた機雷原へ誘導する作戦を実行。
巨大戦艦を真正面から撃破するのではなく、敵指揮官の性格と行動を読み、逃げ道を奪うことで無力化した。
部下へ危険な任務を命じる苦しさを抱えながらも、必要な決断から逃げない指揮官である。
●最上
フソウ海軍の軽巡洋艦に宿る付喪神。北方方面艦隊旗艦。
的場良治とは上官と部下であると同時に、互いを信頼する友人でもある。
北方海戦では、ティルピッツを本隊から引き離す囮の役目を引き受ける。
巨大戦艦の砲撃によって艦体へ深刻な損傷を受けながらも、的場の指示に従い続けた。
航行能力をほとんど失った状態で、的場から最後の魚雷攻撃を求められる。
それが生還の可能性をさらに低くする命令だと理解しながら、的場の作戦を信じて受け入れた。
最上の魚雷は、ティルピッツを直接沈めるためのものではなく、敵の回避方向を限定し、機雷原へ追い込むための一手だった。
艦としての性能差ではなく、的場との信頼によって、帝国最強級の戦艦を追い詰めた。
●山本平八
フソウ海軍中将。
南方へ侵攻した共和国主力艦隊を迎撃する連合艦隊を指揮する。
共和国艦隊が嵐の結界を抜ける瞬間を狙い、射程外から集中砲撃を開始。
敵の数的優位を発揮させず、各艦隊を連携させて共和国主力を追い詰めた。
首都攻略部隊の存在が判明すると、一部艦隊へ共和国主力の処理を任せ、自らは北方方面艦隊の救援へ向かう。
広い戦場の中で、自分がどこへ向かうべきかを判断し、後続の指揮官へ任せることのできる、海軍の中心的な指揮官である。
● 新見正人
フソウ海軍准将。参謀本部長。
帝国第二艦隊が北方基地へ向かっていることを受け、急きょ編成された特別水雷戦隊の指揮を任される。
参謀としての経験は豊富だが、自ら前線艦隊を率いて、シャルンホルストを中心とする敵艦隊と戦うことになる。
相手のビルスキーア少将が優秀な指揮官であることを早い段階で見抜き、挟撃と魚雷攻撃によって進撃を阻止しようとする。
戦闘は双方が相手の意図を読み合う互角の展開となり、フソウ側にも大きな損害が発生した。
ビルスキーアから救助のための停戦を提案されると、それを受諾する。
敵の全滅より、北方基地を守るという任務達成を優先した判断だった。
戦闘後、ビルスキーアを再び戦うことになれば危険な相手だと評価している。
●野辺大尉
北方方面艦隊に所属する指揮官。
軽巡洋艦木曾と駆逐艦部隊を率い、帝国艦隊への側面・後方攻撃を担当する。
的場の持久戦を支え、酸素魚雷を使った奇襲によって帝国艦隊へ損害を与えた。
増援の遅れに動揺する部下たちを励まし、的場の作戦を現場で支える。
第一次シマト諸島攻防戦では的場へ反発する側だったが、戦いを重ねる中でその指揮能力を理解し、信頼できる部下へと変化している。
● 岸辺少尉
伊号第四百潜水艦の指揮官。
帝国本国海域へ潜入し、新たに召喚された艦艇と帝国艦隊の動きを偵察する。
任務帰還中に帝国艦リッターラーゼへ発見され、情報を守るため撃沈を決断。
フソウ海軍潜水艦部隊に、初めての実戦戦果をもたらした。
撃沈した船がティルピッツ用の弾薬を運んでいたことで、後の北方海戦にも間接的な影響を与えている。
戦果を求めて戦うのではなく、情報を持ち帰るという任務を優先する潜水艦指揮官である。
●フソウ連合・外交関係者●
●斎賀露伴
フソウ連合のウェセックス王国駐在大使。
かつて王国との秘密交流を続け、フソウ連合を王国の保護下へ置こうとしていた。
しかし鍋島から外交官としての能力を認められ、正式な大使として王国へ赴任する。
王国海軍軍務大臣メイソン卿とは旧知の間柄。
帝国の新型艦やティルピッツの動向を伝え、王国側へ警戒を促す。
ヒュドラ作戦時には、帝国本国の守りが薄くなっているという情報を王国へ提供。
その情報は、王国艦隊によるアレッサンドラ軍港攻撃へつながった。
鍋島から与えられた役割を果たし、過去の経験を祖国のために生かしている。
●アカンスト合衆国●
● アーサー・E・アンブレラ
アカンスト合衆国からフソウ連合へ派遣された特使。
帝国東方艦隊を壊滅させたフソウ連合との関係構築を進め、通商、文化交流、相互援助を柱とする条約を締結する。
礼儀正しく友好的だが、相手の政治的意図を正確に読み取る洞察力を持つ。
鍋島が提案した合同演習についても、単なる海難救助訓練ではなく、共和国を牽制する軍事的な示威行動だと理解していた。
それでも合衆国にとって不利益ではないと判断し、協力を受け入れる。
鍋島と同様、表面上は穏やかでありながら、外交上の駆け引きでは相手の先を読む人物である。
●シルーア帝国●
●アデリナ・エルク・フセヴォロドヴィチ
帝国海軍中央艦隊司令長官。「黄金の姫騎士」。
東方艦隊を壊滅させたフソウ連合へ強い怒りを抱き、ヒュドラ作戦ではティルピッツを中心とする帝国第一艦隊を指揮する。
高い攻撃性と勇気を持つ一方、感情的になりやすく、敵の挑発へ乗ってしまう危うさがある。
北方方面艦隊の遅延戦術に苛立ち、最上を追ってティルピッツを本隊から突出させた。
ティルピッツと互いを特別な存在として認識し、艦を深く愛している。
しかし、その愛情が冷静な判断を妨げる要因にもなった。
最上の魚雷を避けようとして的場の罠へ入り、ティルピッツを機雷原で行動不能にしてしまう。
最後まで退艦を拒み、艦と運命をともにしようとしたが、ノンナによって拘束され、強制的に救出された。
勇猛な指揮官である一方、感情を制御できないことが、戦役における敗北へ直結した人物である。
●ノンナ
アデリナの副官。帝国海軍少佐。
常に冷静で、感情的になりやすいアデリナを支える。
表向きは忠実な副官だが、共和国側の魔術師ピエールから「銀の黒姫」と呼ばれており、帝国と共和国の間で進められた秘密の協定にも関与している。
その真意や本来の立場は、この時点では明らかになっていない。
北方海戦では、アデリナの指揮に内心で疑問を抱きながらも、艦隊を支え続ける。
ティルピッツが行動不能となった際には、艦とともに死のうとするアデリナを拘束。
乗組員へ退艦と自沈処分を命じ、指揮官と将兵の命を救った。
必要であれば主君へ実力を行使してでも、組織と人命を守る決断力を持つ人物である。
●アンネローゼ
帝国宰相グリゴリーの孫であり、強力な魔術師。
ウェセックス王国を内部から混乱させた後、フソウ連合へ潜入する。
人間の欲望、不満、嫉妬を利用し、魔術によって人々を操ることを得意とする。
イタオウ地区を中心に協力者と魔術拠点を配置し、行政組織を内側から支配した。
川見と小百合の調査によって一部の拠点を失うが、全体から見れば被害は限定的であり、ヒュドラ作戦時に残された協力者を使って暴動を起こす。
帝国上陸部隊と連携し、イタオウ地区を占領する予定だった。
しかし小百合に結界を破壊され、川見の銃撃を受ける。
重傷を負いながらも、ピエールから渡されていた転移用の腕輪によって逃走した。
作戦は失敗したが生存しており、フソウ連合にとって引き続き大きな脅威となる存在である。
●ヨシフ・ヤーコヴレヴナ・エレンムハ
帝国魔術師ギルド長。宰相グリゴリーの友人。
帝国の戦力を補うため、シャルンホルストとグナイゼナウの召喚を実行する。
召喚術が若い魔術師たちの命を奪うことを理解しながら、国家と友人のために術式を進めた。
その結果、百名を超える若者が死亡し、魔術師ギルドも大きな損失を受ける。
帝国の召喚艦が、技術や努力だけで生み出されたものではなく、多数の命を犠牲として存在していることを示す人物である。
● ビルスキーア・タラーソヴィチ・フョードル
帝国海軍少将。帝国第二艦隊司令官。
シャルンホルストを旗艦として、北方基地への攻撃を担当する。
若い指揮官だが、戦場の状況を冷静に分析し、相手の意図を読む能力に優れている。
忠誠を向けているのはアデリナではなく、ノンナである。
新見准将の挟撃策を見抜き、陣形変更と砲撃によって対抗する。
戦闘の途中で多数の将兵が海へ投げ出されたことを受け、海難救助のための停戦を提案。
生存者を救助した後、北方基地への侵攻を断念して撤退した。
勝敗だけでなく将兵の命を考えることのできる指揮官であり、新見からも危険な相手として評価されている。
●アレクセイ・イワン・ロドルリス
元帝国東方方面海軍司令長官。
『夜霧の渡り鳥』作戦の敗北によって本国へ召還され、軍事裁判を待つ囚人となっていた。
帝国海軍そのものを愛し、国家の腐敗を憂いていた軍人。
ヒュドラ作戦によって帝国の主力が国外へ出ている間、収監先のアレッサンドラ軍港がウェセックス王国艦隊の攻撃を受ける。
帝国海軍の象徴ともいえる基地が破壊される光景を目にし、自ら命を絶った。
帝国の腐敗と無謀な戦争によって、志を持つ軍人まで失われていくことを象徴する人物である。
●フラレシア共和国●
●アラン・スィーラ・エッセルブルド
フラレシア共和国の軍師。ヒュドラ作戦の中心的な立案者。
フソウ連合の海軍力が強大であることを認め、帝国、共和国、国内工作を同時に動かす多方面攻撃を計画する。
南方の共和国主力艦隊を囮として使い、秘密裏に首都攻略部隊を迂回させるなど、目的のためには味方の大艦隊すら犠牲にする冷酷さを持つ。
合衆国との合同演習が威嚇にすぎない可能性も考えたが、本格的な軍事協力へ発展する危険を無視できず、作戦の実施を急いだ。
共和国政府内で作戦中止を求める者が現れると、反対者を排除して計画を強行する。
フソウ海軍の航空戦力を把握していなかったことで首都攻略部隊を失い、南方主力艦隊も壊滅へ追い込まれる。
大胆で冷徹な軍略家ではあるが、味方や協力国を駒として扱いすぎたことが、作戦崩壊の一因となった。
●ピエール・パシェッタ
フラレシア共和国側の魔術師。
アンネローゼと協力し、フソウ連合への国内工作を支援する。
転移魔術を得意としており、自身や協力者を危険な場所から脱出させる手段を持つ。
ノンナを「銀の黒姫」と呼び、彼女とも何らかのつながりを持っている。
共和国の首都攻略部隊へ同行していたが、航空攻撃によって作戦が失敗すると、転移魔術を使って逃走した。
アンネローゼにも転移用の腕輪を渡しており、彼女が川見の狙撃から生き延びる要因となった。
前線で戦う人物ではなく、魔術、潜入、脱出によってヒュドラ作戦を裏側から支えた人物である。
● ウェセックス王国●
●ミッキー・ハイハーン
ウェセックス王国海軍中佐。アッシュ王子の親友。
フソウ連合との同盟成立に貢献し、ネルソンとロドニーを中心とする王国海軍の新戦力を率いる。
斎賀露伴から帝国艦隊の動向を知らされ、帝国本国の防備が薄くなる機会を利用して反撃を実行する。
アレッサンドラ軍港を攻撃し、帝国の軍港施設と残存戦力へ大きな損害を与えた。
フソウ連合から譲られた艦を単なる贈り物としてではなく、王国を守り、同盟国を助けるための戦力として使った。
王国海軍再建の中心となる若手指揮官である。
●主な国家・作戦・組織●
● ヒュドラ作戦
シルーア帝国とフラレシア共和国が共同で実施した、フソウ連合侵攻作戦。
北方から帝国艦隊、南方から共和国艦隊が侵攻し、同時にアンネローゼの協力者が国内反乱を起こす。
さらに帝国側はイタオウ地区への上陸、共和国側は首都シュウホン地区への奇襲占領を計画していた。
複数の攻撃を同時に発生させ、フソウ海軍の戦力を分散させることが目的だった。
しかし、共和国主力艦隊と首都攻略部隊は壊滅。
イタオウ地区の反乱と帝国上陸作戦も失敗。
帝国第一艦隊はティルピッツを失い、第二艦隊も撤退した。
最終的には作戦に参加したすべての方面で目的を達成できず、帝国と共和国の敗北に終わった。
●フソウ海軍
ヒュドラ作戦では、北方、南方、首都、イタオウ地区、北方基地という複数の戦場へ同時に対応する。
水上艦隊だけでなく、航空隊、潜水艦部隊、陸戦隊、諜報部、魔術師が、それぞれ異なる場所で作戦を遂行した。
強力な艦艇を保有している一方、首都周辺の陸上防備、国内の防諜、地区行政との連携には弱点があることも判明する。
勝利によって強さを証明しただけでなく、海軍だけでは国家全体を守れないという課題を突きつけられた。
●シルーア帝国
ヒュドラ作戦の北方侵攻と国内上陸作戦を担当。
新たに召喚したシャルンホルスト、グナイゼナウと、修理を終えたティルピッツを投入した。
しかし、ティルピッツを喪失し、第二艦隊も撤退。
上陸支援部隊もイタオウ地区へ到達できなかった。
さらに本国のアレッサンドラ軍港まで攻撃され、大きな軍事的損失を被る。
召喚艦という強大な戦力を持ちながら、指揮官の対立、人材不足、弾薬不足、国内政治の腐敗といった問題を抱えている。
●フラレシア共和国
ヒュドラ作戦の南方侵攻と首都占領を担当。
百三十隻を超える主力艦隊を囮として使い、その間に別動隊をシュウホン地区へ向かわせた。
しかし、フソウ連合の航空戦力を把握していなかったことで、首都攻略部隊は空から壊滅させられる。
主力艦隊もフソウ海軍との砲撃戦で大敗した。
敵だけでなく、自国の兵士や艦隊すら作戦上の駒として扱う軍師アランの姿勢が、大きな損害を生む結果となった。
●アカンスト合衆国
フソウ連合と通商・相互援助条約を締結した新たな友好国。
合同演習へ参加し、共和国へ間接的な軍事的圧力をかける。
ヒュドラ作戦へ直接参戦することはなかったが、合衆国がフソウ連合側へ加わる可能性そのものが、共和国の判断と作戦日程へ影響を与えた。
●ウェセックス王国
フソウ連合の同盟国。
ヒュドラ作戦によって帝国主力艦隊が本国を離れた機会を利用し、アレッサンドラ軍港を攻撃する。
ネルソンとロドニーを実戦投入し、帝国の軍港と残存戦力へ大きな打撃を与えた。
フソウ連合に一方的に守られる国ではなく、同盟国として敵の戦力を分散させ、戦争全体へ貢献する存在となっている。
● イタオウ地区
アンネローゼの工作によって行政組織へ協力者が入り込み、ヒュドラ作戦時には大規模な暴動が発生した地区。
役所や主要施設が占拠され、帝国上陸部隊を受け入れる寸前まで追い込まれた。
暴動は鎮圧されたものの、行政機能は崩壊し、被害額は地区の年間予算を大きく上回った。
地区責任者の橋本も重傷を負い、自治機能を回復できない状態となる。
そのためフソウ海軍が一時的に統治と復旧を担当することになった。
海軍の迅速な救援と、それまでの広報活動による信頼もあり、住民からは比較的好意的に受け入れられている。




