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第70話 お風呂でたわわ

てってけてってけ。

左手にお風呂セットを持ち私は慣れた足取りでお風呂場へ向かう。

あやや、もう誰か入ってる。

私が一番かと思ってたのにもう入ってる人が居るんだねー。

脱衣所に入るとそこには2人分の脱いだ衣類が置かれていた。

私は隅っこの方のへ行くとそこにお風呂セットを置いた。

お風呂セットからタオルと一緒に真新しい下着を取り出して置いておく。

お風呂セットの桶の中には石鹸とシャンプー、身体を洗うタオルと頭に巻くタオルが入っている。

脱いだ下着は『洗浄』と『乾燥』を掛けてストレージにお片付け。


さ、おっふろ おふろ。

ルンルン気分でお風呂場へ向かう。

中に入ると誰かが木桶を置いた「カコーン」と言ういい音が響いている。

これこれ、この音。

この音がお風呂だぁって感じがするのよ。

まずはサッと掛湯をしてから湯舟に浸かる事にする。

膝を折り、脚を内側に閉じながら前を隠して楚々と跨ぐ。

ゆっくりとお湯に身体を沈めてゆく。


とぶん。


「はあぁぁぁぁ。」


お風呂サイコー。

やっぱ日本人にはお風呂よ。

風呂は命の洗濯って良く言ったものね。

ほんとその通り。

もうお風呂に浸かってるだけで癒される。

疲れがお湯に溶けて流れていく。

湯舟のへりに背中を預けゆったりと湯に浸かる。


しばしお湯の温かさを堪能した後、お湯から上がりマイ木桶を置いてある洗い場へ戻る。

新しく作ったシャンプーを手に取り髪の毛を洗う。

今日の石鹼とシャンプーはフローラルにしてみた。

前世のシャンプーほど泡立ちが良い訳ではないけれどそれでも十分と言えるぐらいの泡立ちはしてる。

そもそもこっちの世界には毛髪用のシャンプーってあるのかな?

みんなの様子を見てるとどうも無いっぽくて、どうも獣脂石鹸とかで洗ってる?みたいな。

お貴族さまはどうか知らないからもしかしたら毛髪用の石鹸てのが特別にあるのかもね、知らんけど。


ま、それはそれで置いといて。

頭わしゃわしゃ。

前世のオッサンで短髪だった私なら何にも考えずただ力任せに洗うだけで良かったけど、今の私はそれじゃダメ。

髪の毛は「女の命」だもの。

頭皮をマッサージするように洗う、そして髪の毛をゴシゴシと擦らないよう気を付けながら優しく洗う。

洗い終わって濯いだら、布を頭の後ろから掛けて前に回してクロスさせたら布で作った筒の中に髪の毛を包み軽く捩じる。

そしてそのままソフトクリームのようにぐるぐる巻きにして頭の上に乗せる。

はい、これで洗髪は完了。


続いて身体を洗おう。

タオルを濡らして新手作り石鹸を包んでゴシゴシ。

おぉ、今までのより更に泡立ちがいい。

しかもフローラルの香りが立ち上り優しく包み込む。

これはイイな、私の好みかも。

たっぷりの泡で身体を覆うように洗い始める。

首、顎の下、特に耳の後ろは汚れが残りやすいからね、ここは丁寧に。

肩、腕、身体、脚と順番に丁寧に優しくマッサージで揉み解すように洗ってゆく。

身体を洗ってる時に、胸の蕾の先端にちょこっと触れただけでビリってなっちゃったのは内緒。

敏感な身体にちょっと困っちゃう。


周りを見てみるといつの間にか人が増えてる。

皆こっちをジーっと見てる。

大体何を考えてるかは想像出来るけど、ちょっと遠慮してるのか迷ってるのか声を掛けては来ないね。

誰も声を掛けて来ない間に洗い終わって泡を流していると、


「ねぇ、オルカさん。それって匂いが違わない?」

「そうそう、何て言うか優しい匂いって言うか。」


やっぱり気が付くよね。

でもこれはまだ数が多くないからあげられないんだよね。

だから、


「うん、新しく作ってみたの。まだ試作品だから数がなくてね……。だから、いつもと同じだったらあるけど、それ使う?」


一応そうそう言ってみる。

すると


「それでもイイ、使いたい!」

「ホントに貰っちゃってもいいの? ありがとう!」

「今、試作品て言ってたけど、オルカさんて冒険者よね?なんで物作りなんか出来るの?職人系のスキル持ってる とか?」


私は曖昧に笑いながら


「ううん、趣味で色々な物作ってるだけ。素人のお遊びみないな物よ。」


「そう……なの? でも売ってるのよりも泡立ちも匂いもイイのに?」

「これ売りに出したら人気商品になるんじゃない?きっとすんごい儲かるよ?」

「そうそう、商売始めたら? 売ってたら私絶対買うから。」


やっぱりそうよね、みんなそう思うよねー。

だったらやっぱり特許は必要って事か。

これは早い内にマルクさんとこ行って特許の手続きのお手伝いをお願いしないと。

まぁ、仮に特許が取れたとしても実際に私が作る訳じゃないけどね。

私は特許料で稼ぎたいだけだから。


「そうね、こんど知り合いの商人に聞いてみるわ。」


そう言いながらタオルで前を隠してそーっと湯舟を跨ぐ。

はぁぁぁぁ。


「気持ちいいー♪」


ゆったりとお湯に浸かりながら腕をクロスさせて肩にお湯をかける。

お湯の中で揺蕩う白磁のような双丘。

神秘の丘。

豊富な質量を持つ双丘の隙間からチラチラと見え隠れする乙女の花園。

これが凶悪なくらい煩悩を刺激するのよね。

私すぐにダメな女の子になっちゃうもん。

いやー自分で言うのも何だけど、これはホント罪作りだぁ。

女性の神秘だよ。


お湯に浸かりながら自分の身体を眺めてみる。

不思議な事に毎日外に出てるのに全然日焼けしないの。

シミひとつない白磁の焼き物のような艶やかで滑らかな柔肌。

これ何でだと思う?

やっぱ、アレか、女神様の身体の一部が混ざってるからか。

これって異世界()()チートよね。

まぁ、私としては嬉しい限りなんだけどね。


おや、気が付くと結構人が入って来てる。

お姉さま方がぞくぞくと湯船に入ってくる。

女性だけと言う安心感からか、みな遠慮なしにガバッと脚を開いて豪快に跨いでる。


あ、見えた。

こっちでも見えた。

お華の鑑賞会みたい。


湯船に浸かった低い位置から見える乙女の花園は千紫万紅だった……。

美しい物を愛でるのはいい目の保養ね。

身体も十分に温まった事だし、そろそろ上がろうかな。

お姉さま方の肢体を堪能した後は湯船から出て掛け湯をしたら脱衣所へ行く。


身体を拭き拭きして真新しい下着を着ける。

布面積の大きい白いショーツ。

一見地味だけど、実は透け感のある素材とレースをふんだんにあしらった清楚且つゴージャスな逸品。

もちろん私(創造魔法)の手作り。

布面積が多くてしっかりと、けれど優しく包んでくれる、そんなショーツね。

こっちの世界のと違う所はゴムが入っている事かな。

履き心地は……うん、現代品に遜色ない……ハズ。

ハズ……って言うのは、女性用のショーツなんて前世で穿くことなんてなかったから。

だから良く知らないのよ。

でも、穿いてて痛いとかはないので大丈夫だろうと。

次いでブラも着ける。

ブラは試作品作った時に一度身に着けてるから大丈夫、ちゃんと着けれるよ。

前屈みになりながらブラを着けていると、


「オルカさん綺麗。」

「艶めかしいってこの事を言うのね。」

「溢れんばかりの色香漂う美少女って反則よね。羨ましい。」


ええっと、全部聞こえちゃってるんですけど。

そんなに見つめられると照れる。


「そうやって照れる所もグッと来るのよね!」

「そうそう、それね!」


「みなさん、褒めすぎですよ? 褒めても何も出ませんからね。」


照れ照れになりながらも一応そう言ってみる。


「それよ、それっ! その微ツンがまた可愛いのよー。」


逆効果でしたーっ!


「滾るわぁ。」

「はぁ、お持ち帰りしたいっ♪」


うわ、またこの流れだ。

これに流されると火照りが「火照るウーマン」になっちゃって後で鎮めるのが大変なのよ。

だから何とかここから脱出しないといけない。


「所でさ、それって下着なの? 見た事ない形してるんだけど?」


さっきの石鹸のお姉さんナイス!

絶妙なタイミングでの話題変更助かります。

ちょっとホッとする。


「これも私(創造魔法)の手作りなんです。 私こうゆう自分で作るの好きなんです。」


取り合えずそう言って誤魔化してみるも、


「ちょっと失礼して。」


もにゅっ。

いきなり触られた。

前から揉み揉み…………あっ。


ダメ……だったら。


「……っ!! お触り禁止!」


胸の前で腕をクロスしてガードする。

あ 危なかったー。もうちょっとで声出ちゃうとこだったよ。


「それ、胸があんまり揺れないんだね。 もしかしてそうゆう下着なの?」


「そう、大きいと走ったりすると揺れて痛いでしょ? それを揺れないように支えてくれる下着なの。」


「すごい、そんなのもあるんだ。初めて見た。」

「揺れるほどない私は?」


ええっと返答に困るな。


「それって余分に作れたりする?」


「ゴメンなさい、流石にそれはちょっと……。」


だってこれ私専用だもん。

身体のサイズが分からないと作れないからね。

『鑑定』すれば分かるんだろうけど、そこまでして作ってあげる程仲が良い訳じゃないし。

リズさんたちなら作ってあげてもいいんだけどね。

そうゆう事なので丁寧にお断りした。


なんとか何を逃れた私はその後髪の毛を乾かしながらブラッシング。

ワンピースを着てここは速やかに撤退だ。


「それじゃお先に失礼します!」


逃げるように脱衣所を後にして部屋に戻ったよ。

ふう。

なんとかかんとか逃げ果せた。

折角お風呂に入ったのにちょっとだけジュンてなっちゃった。

でもちょっとだけよ、ホントにホント。


今夜はあれ作ろうと思ってたの。

あれってなに?よね。

あれって言ったらあれ、鏡。

鏡よ鏡、答えておくれの鏡。

こっちだと透明度が高くてまっ平なガラスってついぞ見た事がないのよ。

だから、無いなら作っちゃえ!ってね。

材料ならストレージに入ってる。

ちょっとデコボコしたあまり透明度の高くないA3くらいの大きさのガラス板が10枚。

これを縦4枚の横2枚の8枚使って大きな姿見を作りたいなって。

枠の材料になる材木も持ってる、綺麗な鏡を作るのに必要な金属も持ってる。

後は『創造魔法』さんによる魔力ゴリ押しで作れるはずなのよね。

いつものようにストレージに収納したまま『創造魔法』を展開する。


お おおお。

魔力が減ってく感じが分かる。

思ったより魔力が持って行かれてる。


イメージとしては前世の服屋さんで普通に見かけたあの縦長の大きな姿見、あれだ。

目を閉じてしっかりと頭の中でイメージする。

そうすると良い物が出来るの。

ジッと待つこと数分。

どうやら無事に作製出来たみたい。

ストレージから取り出して出来上がりを確認する。


うん、そうそうこれこれ。

この感じよ。

綺麗なまっ平でクッキリと良く映る大きな姿見が出来上がった。

これでやっと全身チェックが出来るよ。


例えばえろえろな下着の着け具合とか、えろえろな下着とかえっちぃ下着とかエロ下着とか……。

エロばっか……もうそれ一択でいいよね。

って言うかそれしか使い道が思いつかないし。

まだガラス板が2枚残ってるから、A4くらいの大きさのテーブル置きの鏡を3枚と直径10㎝ほどの丸いコンパクトを7個ほど作った。

テーブル置きの鏡はどこにでもある縦長の四角い鏡で木枠が付いてて後ろに支えの板が付いた自立式。

コンパクトは二枚貝みたいにパカパカして開けるタイプで内側に鏡が付いてる仕様で前世では良くある形の物。

うん、上手く出来た。

満足満足。


ところでさ、姿見のチェックは必要だよね?

さっきチェックしてなかったかって?

いやいや、きちんと全身映して確認した訳じゃないからね。

そう、今からチェックするんだよ……ふふっ。


ちょっとドキドキするね。

期待に心臓が高鳴るわー。


私はベッドに背を向けて立ち姿見をベッドの方へ向けた。

そしてワンピースのままゆっくりと姿見の前に立つ。



そしてワンピースに手をかけるのだ……






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