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第63話 黒髪の戦姫恥ずか死ぬ

ゴーン ゴーン ゴーン


朝3の鐘で目が覚める。


ん、んんんーっ!

背筋をピンと伸ばし胸をぐんと反らせる。

左手を肩の上辺りで曲げて右腕を上にぐぐぐーっと伸ばす。

んはーっ!


はー、良く寝た。

昨日の夜は検証(むふふ)しないで寝たのでしっかりと体力の回復が出来た。

まぁ、まだ若いこの身体はちょっとやそっとの事じゃ疲れは残さないけどね。

検証(むふふ)しなくて大丈夫なのか、検証(むふふ)と疲れは別物だろって?

いやいや、いくら私がえっちでも流石に1日くらいは我慢出来るよ。


魔力も体力も気力も回復して漲ってる感がある。

ふむ、まずは恒例のステータスチェックから。



名前  オルカ・ジョーノ(城之内 薫)

種族  半神 界渡り人

職業  冒険者 テイマー 巨乳 美少女

称号  黒髪の戦姫 魔物たらし 女たらし

年齢  13歳

HP   114/114

MP   15,517/15,517

ユニークスキル

 言語理解

 創造魔法

 スキル獲得優遇

 魔法の才能

 芳香異体

 ストレージ /時間経過無効1つ・容量制限有(地球一個分)・時間経過有1つ

スキル

 魔法 火  LV7

 魔法 水  LV7

 魔法 風  LV8

 魔法 土  LV7

 魔法 木  LV7

 マッピング LV7

 鑑定    LV8

 分析    LV8

 魅了    LV9

 誘惑    LV7

 房中術   LV2

 気配遮断  LV7

 忍び足   LV6

 隠蔽    LV4

 探知    LV7

 探索    LV7

 索敵    LV7

 警戒    LV7

 木材加工  LV6

 金属加工  LV6

 食肉加工  LV6

 魔道具作成 LV3

 魔法付与  LV3

 採取    LV7

 採掘    LV5

 並列処理  LV7

 解体    LV7

 料理    LV6

 服飾    LV2

 魔力操作  LV8

 狙撃    LV7

 身体強化  LV8

 格闘術   LV1

 調合    LV1

 豪運    LV777

従魔

 葛の葉(妖狐) クイーン・スライム


女神の祝福

 HP/MP 自動回復(小)

 毒・麻痺・呪い・魅了・混乱等の状態異常耐性(小)



…………称号が最悪だわ。


誰が考えて誰が付けてるんだろ。

百歩譲って「黒髪の戦姫」はまぁ許すとして、これもどうなんだ?とは思うけどね、それよりも「女たらし」は無いんじゃない?

それはちょっと酷すぎるよ、私女の子だよ?

女の子なのに「たらし」って……ま、まぁ思い当たるフシも無い事も無いんだけど。

リズさんやメロディちゃんやアルマさん、カーリーさんにベルさんたちと仲良くしてるし、ちょっとデレてくれたし。

やっぱり可愛い女の子好きだし……。


……思い当たるフシ有り過ぎたっ!


ごめん、私が悪かったよ。

だから誘惑がLV7まで上がってるのか!

魅了がLV9で止まってるのがまだ救いだわ。

房中術もレベルが1つ上がってる。

これは検証(むふふ)のせいだね、間違いない。

あとね、新しいスキルが生えてたんよ。

格闘術LV1。

これってアレだ、下品冒険者A・Bと闘ったからだと思う。

て言うかそれしか考えられない。

けど今後私が無手で闘う事ってまず無いだろうからこのスキルはあまり伸びないだろうね。

スキル全般的に言える事は最近は伸びが鈍化してる事。

こっちの世界に来てからもう1ヶ月半くらい経ってるんだけど、ここまでは各ステータスが一気に伸びてたのがここに来て最近は伸びにくくなってる。

まぁそりゃそうだよね。

これまでが可笑しかったんだから、本来は伸びにくいのが普通なのよ。

自分で言うのも何だけど私チート過ぎるんだもん。

女神様のおかげ。

有難い事なんだけど何となくズルしてる気になっちゃってね。

でもまぁ、折角なので有難く使わせて貰っちゃおう。


他はと言うと、HPは1だけ上がってHP114になってた。

すごーく地道だけど上がるのは上がるんだね。

まっ、私としては人並くらいまで上がればそれでイイよ。

足らないなと思ったら身体強化魔法で何とかするから。

問題は魔力よね。

MPが15,517ってどんだけ……。

伸び率が全然鈍化しないんだけど?

これは可笑しい、可笑しすぎる。

私魔力お化けになってる。

私一人で宮廷魔術師10人分とか、何の冗談って話よ。

これは絶対に人に知られないように気を引き締めないと。

知られたが最後きっとロクな事にならないだろうし。


変な称号に若干凹みながらも出かける準備をする。

仕事着(冒険者の恰好)に着替えて、


トットットットッ。


足取りも軽く階段を降りてゆく私。


「お早う御座います。 ごはん前に従魔の厩舎に行って来ます。」


カミラさんにそう言ってくーちゃんたちが待つ厩舎へ向かった。


(くーちゃん・さくちゃん、おはよう。)


((おはよう御座います。))


(朝ごはんここに置いとくね。食べたらお皿はそのままでいいよ。出発する時に回収するから。あ、さくちゃんお皿は食べちゃダメだよ。)


それだけ言って私は食堂に向かった。

食堂に入ってテーブルに着くと給仕の女の子が朝食を持って来てくれた。


「おはようございます。 朝食になります。」


「ありがとう。」


にっこりと微笑む。

すると女の子もニコッと笑顔を返してくれる。

んふ、やっぱり女の子の笑顔は1日の活力源よね。


「お仕事頑張って下さいね。」


「うん、ありがとう。 貴女も頑張って。」


はじけるような笑顔で小さくガッツポーズをして戻って行った。

あー癒されるー。

ホント可愛い女の子の笑顔はプライスレスね。

今朝のごはんはと言うと、全粒粉と思われる少し黒っぽくて硬いパンと昨日の残りのスープにトマトを入れてミネストローネ風にした物だった。

少し黒っぽい硬いパンもスープに浸すと柔らかくなって食べやすくなる。

素朴な味わいでこれはこれで美味しい。

あと、1人に1個ゆで卵が付いてた。

やっぱりここでもゆで卵が付くんだ。

小説の中の異世界では卵は貴重品だったけど、実際のこっちの世界では卵は一般的な普通の食材なんだよね。

塩も普通に売られてるし。

そう言えば甘いお菓子とかは見てないな。

お菓子ってあまりないのかな?

それとも貴族の人たちだけが食べてるとか?

まぁ私が見てないだけで実際はあるんだろうけどね。

朝食を食べ終わって、手を合わせて


「ご馳走様でした。」


うん、美味しかった。

食堂を出る時にさっきの給仕の女の子が葉っぱの包みをくれた。

中にはお昼用の軽食が入っているとの事。


「お昼に食べて下さいね。」


「そう? ありがとう。」


有難く受け取っておく。

葉っぱの包みをストレージに仕舞い、食堂を後にしてくーちゃんたちを迎えに行く。


(お待たせ、じゃギルドに行こっか。)


(御意。)

(ご主人様、行きましょう。)



くーちゃんたちを連れてギルドに向かって通りを歩く。

ギルドの近くまで来ると、


「おはよー!」


リズさんたちだ。

笑顔でブンブンと手を振っている。

二人とも朝陽を浴びてキラキラしてるよ。


「おはよう、早いのね。」


「ううん、今来たとこだからオルカさんが来るの待ってたの。」


んもー、嬉しい事言ってくれちゃって。

だから好きなのよ。

あ、そうそうこれこれ。


「はい、これ。前に作ってあげるって約束してたでしょ。」

「ゴメンねー、遅くなっちゃって。」


そう言ってヘアブラシを手渡す。


「えっ、いいの?」

「何か悪いですよー。」


「いいからいいから、気にしないで。私が二人にしてあげたいだけなんだから。」


「「ありがとう♪」」


煌めくような笑顔を返してくれる二人。

これよ、これなのよ、私は可愛い女の子の笑顔が見たいの。

二人の可愛い笑顔が見られるならお金なんて要らないの。

素敵な笑顔はプライスレスよ。


腕を絡ませてくる二人。

柔らかな二人の双丘がぷにぷにと当たるのよ。

今日は朝から至福の刻だわ。

私を真ん中に左右からリズさんとメロディちゃんに挟まれてギルドの中に入る。

すると一斉に向けられる視線。

いつもなら男どものイヤらしい視線が投げつけられるんだけど、今朝は何か違う。

女の子からの熱い視線と男どものどこか敬遠するような雰囲気。


「ほら、来たわ。あの子よあの子。」

「マジ? あの子が噂の?」

「そう、昨日アイツ等をやっつけた戦姫様よ。」

「凛々しくてすっごく格好良かったのよ!」


はい? 戦姫様?

何だかすごーくイヤな予感がするんだけど……。


「おい、見てみろ。黒髪の戦姫が来たぞ。」

「アイツにはちょっかい出さない方がいいぞ、下手にちょっかい出すとタマタマを蹴り潰されるからな!」

「ぶるるる、そいつは堪んねぇな。」

「一切の躊躇いもなく蹴り上げたって言うからな。しかも2回も。」

「マジか……。そいつはえげつねーな。」


うわー、黒髪の戦姫。 もうここまで噂が広まってるんだ。

しかも蹴り潰すとか物騒な噂……これは本当の事だから噂ではないわね。

でもあれは不可抗力、正当防衛よ。

うーん、何か危険人物扱いなのが気に障るけど。


「「オルちゃん、おはよう。」」


あ、アルマさんたちだ。


「おはよう。」


顔見知りに会うとホッとするよ。

今のこの場の雰囲気はちょっと……ね。

どうにも居心地が悪くって。

黒髪の戦姫だとか、戦姫様とかさ。

昨日の今日で何でここまで噂が広がってんの?


アルマさんがニヨニヨ笑ってる。

イヤな予感しかしない。

絶対碌な事考えてないでしょ。


「戦姫様……改め、姫。」


「ちょっ!」


ななな なに言ってんのよ。

そんな恥ずかしい呼び名なんて絶対イヤだからね。


「ちょっとアルマさん。」


私が抗議の声を上げようと思ったら、アルマさんが私の腕をむんずと掴んで上にあげる。


「みんなー、我らが麗しの姫様の出勤だー!」

「声を出せ! 腕を振り上げろー!!」


「「「「「「オーッ!」」」」」」


「挨拶はどうしたー!」


「「「「「「「姫! おはようございます。」」」」」」」


「いいか、悪事を働くヤツはこの黒髪の戦姫様がお仕置だからねっ!」


「「「「「ぉぉぉぉ。」」」」」


「野郎ども、声が小さい!」


「「「「「「オオオォォォー!」」」」」」


「よし!」


ヤメテー!

私のメンタルはお豆腐なのよ。

うー、メチャクチャ恥ずかしい。

顔から火が出そうってのは正にこの事よ。


「オルちゃん、顔真っ赤にして可愛い。」


カーリーさんもうっとりと眺めてないで助けてよ。


「アルマさん、悪ノリし過ぎですよ。 私たちのオルカさんを困らせないで下さい。」


良かった、助け船が来たよ。

嗚呼、リズさんたちが天使に見えるー。


「「オルカさんは私たちだけの姫なんだからね! 誰にも渡さないんだから!」」


……オーマイガー。


貴女たちも同じ穴の狢だったのね。





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