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第45話 この下着 えっろ

宿屋を出てくーちゃん・さくちゃんを連れて北に向かう。

北に向かうとさっき行った冒険者ギルドが見えてくる。

冒険者ギルドの近くには商業ギルド、工業ギルド、農業ギルドと各ギルドが集まっていた。

それら各ギルドの特許を管理しているのが特許ギルドと言う訳。

この辺りはいわば前世で言うところの行政区みたいなとこね。

どこのギルドでも特許の申請は出来るけど、閲覧は管轄の特許だけ。

つまり商業ギルドで農業ギルドの特許申請は出来ても閲覧は出来ない、そうゆう事。

特許ギルドは特許に関する専門ギルドなので全ての特許の閲覧が可能。

特許申請にかかるお金はどこのギルドで申請しても一律一緒。

特許が認められると魔法で縛りが出来る為、法を破ると最悪命に関わる事もあると。

それは怖い。

でもどうゆう仕組みでそうなっているのかしら?

便利だけど便利すぎて逆に訳が分からない。

特許が認められると市民カードの通帳機能と各ギルドが自動で連携して、自分が取得した特許が使われるたびに口座にお金が入ってくる仕組みだ。


と、ここまでが冒険者ギルドに立ち寄って当座のお金をおろしたついでに聞いた内容。

なるほどね、よーく分かったわ。


冒険者ギルドを出て更にずんずん北に行くと大広場がある。

ウーズの街と一緒でここが集会場だったりお祭りの会場になったりするのかな?

大広場の一番奥に一際目を引く絢爛豪華な門が見える、あれが貴族門ね。

きっとお祭りの時とかにあの門が開いて領主様が姿を見せるのね。


この貴族門に近いエリアは高級住宅地となっていて、富裕層が住み、富裕層が買い物をする高級店舗エリアになっている。

綺麗な建物が整然と並んでいる。

店舗の中を覗いてみると品物はあまり置いていない。

これは盗難防止の為にあえて置いてなくて、奥の倉庫に置いてあるのを取ってきてお客に見せる方法をとっているから。

理に適ったやり方ね。


んふふー、やっぱりウィンドショッピングは楽しい。

見てるだけウキウキしてくる。

髪の毛を左手で掻き上げながら私が品物を覗き込んでいると周りの人たちの視線を感じる。

特に男の人からの歓迎したくないイヤらしい視線を。

女性からはウットリとした熱っぽい視線と熱いため息が。

声をかけようとするものの、くーちゃんたちに阻まれて誰も声を掛けられないでいる。


(ほんとくーちゃんたちには感謝ね。いつも守ってくれてありがとう。)


(勿体無きお言葉。)

(当然の事をしたまでです。)


二人そろってそう言うけれどもっと普通でいいんだよ。

私たちは家族なんだからね。

そう言うとくーちゃんは尻尾をぶんぶんと振り、さくちゃんはみよんみよんと伸び縮みしている。

あはは、二人とも嬉しいんだね。

それは良かった、二人が嬉しいと私も嬉しいもん。


「あ、(高級な)下着屋さん見っけ!」


ちょっと入ってくるね。


「あのぉ、従魔が居るんですが大丈夫ですか?」


ドアをそっと開け身体半分ほど中に入れるようにして尋ねると、中に入って隅の方で大人しく出来るならOKとの事で一緒に入った。

くーちゃん・さくちゃん大人しくいい子にしててね。

そうお願いして店内を見て周る。


わぁ~♪


これよこれ。 こうゆうのが見たかったのよ。

前世の日本のようにゴムの入った伸縮素材の下着はないけれどもそれでも色とりどりの下着を見ていると楽しくなってくる。

やっぱりブラはないかぁ。 残念。

こればっかりは自分で作るしかないのかなぁ。

キャミならあるんだけど、キャミじゃ私の胸を全く支えられないんだもん。

フリーフォール状態よ。

あっ、でも垂れてないからね。ちゃんと重力に逆らってるから!


ドロワーズにもいろいろあるのね。

わっ、総レースのドロワーズなんて一体何の用途で使うのよ!

って決まってるか、アレよねアレ。


紐パン見っけ。

やっと見つけた。

どれどれ


…………すごっ!


面積小さっ!

こんな小さな布っきれじゃ隠せないじゃない。


ぼっ!!


顔が真っ赤になったのが自分でも分かる。

総レースの紐パン、透け透けで股上が浅くて超セクシーなんだけど誰が穿くのよ。

そっと持ち上げてみると向こうが透けて見えた。

あ アカンやつや、丸見えや。

こんなエッチぃの穿いたら頭沸騰しちゃうかも。


はい? ……なにこれ。


お股のクロッチの所に穴が開いてるよ…………完全にソレ用よね。

花柄レースのベビードールやTバック&ガーターベルト付きとか……いろいろ。


領都恐るべし。

私の想像を遥かに超えてるわ。


「あらあら、うふふ。」

「真っ赤になっちゃって可愛いのね。」

「もしかして彼氏とのデート用の探してるのかしら?」


「なっ、違います! 彼氏なんて居ませんから!」


「あら、そうなの? じゃあ貴女あっち系の子なのね。 こんなに美人さんなのに勿体無いわぁ。」


またあっち系って、一体どっち系よ。

いやまぁ確かに殿方よりは可愛い娘さんとか色っぽいお姉さんとかの方が……げふんげふん。


(主様が照れてらっしゃる。 なんとお可愛いらしい。)

(ご主人様なら何でも似合いますとも。)


いや、二人ともなに言ってんの。


「貴女すごくスタイルいいのね、惚れ惚れしちゃうわ。」

「貴女なら清楚なのからセクシーな物までどんな下着も似合いそう。 これなんかどう? イチコロよ。」


イチコロって誰に対してよ誰に。

だから何回も言うようだけど私は殿方なんかより可愛い娘さん……え、それはもういい?

買うの?買わないの?どっちって……


買っちゃうんだよ、結局ね。だって欲しかったんだもん。

顔真っ赤っかにしながらも買いましたとも。

清楚なお嬢様なヤツに始まり、キャミやベビードール、紐パンにガーターベルトその他もろもろ……もろもろ……もろもろ。

色もありったけ全色。

いつどこでそんなに着るんだって話だけど欲しくなっちゃった物はしょうがない。

女性の店員さんに生ぬるいニヨニヨした目で見られてたけど目を逸らして逃げた。

うん、全力で逃げた。

お金を払って


「ありがとうございました。 またのお越しをお待ちしております。」


これだけ買ったらさすがに暫くは来ないと思うよ。

いや、リズさんたちのプレゼント用に買いには来るかも。

あ、それイイかも。


「はい、これ。」


「っ? 何ですか、これ。」


「下着だけ買ってもダメでしょう、下着の上の洋服も ね。」

「これは、このお店の姉妹店への紹介状よ。貴女みたいなお嬢さん向けの洋服店ね。」

「是非 行ってみて。きっと気に入ると思うわ。」


「ありがとうございます。」


私はそれを受け取ると場所を聞いた。

ん-ほとんど鴨葱状態ね。

苦笑しかないわ。

でも買いたい物が買えたので気持ち的にはスッキリ。

けれどさっき2と半の鐘が鳴ってたからその洋服店に行ってる時間はないわね。

明日の午後から行ってみようかな。


この辺りは高級店舗エリアだからか冒険者風の格好をした人はあまり歩いてない。

歩いているのは身なりの良い町人風の人たちばかりね。

小奇麗な雑貨店や宝飾店、靴屋さんなんかもある。

あ、あそこには帽子屋さんもある。

あとはちょっとお高そうな高級レストランとかお洒落なカフェとか。

そうゆうのを眺めながらぶらぶらするだけでも楽しい。


さっきから馬車がよく行き交っているのよね。

あれは何だろうって気になって見てたら、どうも辻馬車らしかった。

行き先を言って馬車に乗ると目的地まで連れて行ってくれる。

値段はどうも距離によって違うみたいで、銅貨3枚、5枚、7枚って言ってるのが聞こえた。

いくら領都が大きいとは言っても前世の地球の都市とは比べるべくもない。

やはり小さい。

しかしそれは車で移動出来たらの話であって、歩きとなるとまた話は変わってくる。

北から南、西から東へと歩いたらそれなりに時間がかかる。

この時代の人たちがいくら健脚とは言ってもそれでは大変。

だからこその辻馬車システム。

馬車だとちょっと短い、けれど歩くとちょっと遠い、そんな距離間に辻馬車が行き交っている。

しかもお値段も手頃なのでみな良く使っているの。

面白そうなので明日はあれに乗って移動してみよう。

前世では馬車なんて乗った事もなかったからちょっと楽しみ。



明日の領都探索に思いを巡らせていると宿屋に着いていた。


「ただいま戻りました。」


「おかえりなさい、随分としっかりした子ねぇ。 冒険者じゃないみたい。 ホントどこかのお嬢様って言っても通用するわよ。」


「そんな事ないですよー。」


一応そうは言ったものの、実際中身はいい歳した大人だからね。

しっかりしてて当たり前なのよね。

そんな事はいちいち言わないけどさ。


「もうすぐ夕飯だから食堂で待ってて貰っても大丈夫よ。」


「じゃあそうさせて頂きます。」


特に荷物もないから一旦厩舎に寄ってくーちゃん・さくちゃんに晩ごはんをあげて、そのあと食堂で待つ事にする。

奥側の食堂の入り口からは見えにくい場所に陣取ると、


「すみません。」


給仕の女の子に声をかけて中身の入ってないコップを1つ持って来てもらう。

それに氷と水を入れてキンキンに冷やして氷水にしたらくぴっと飲む。


はぁぁ、冷たくて美味しい。

今日はミカンの気分だからミカン果汁を少し足そうかな。

コップの上に手を置いてそっと『創造魔法』で果汁を出した。

冷たくて爽やかな酸味と甘みのバランスが良くて最高。


がやがや


ざわざわ


「やっと着いたよー。」

「はーお腹空いたぁ~。」

「晩ごはんはなんだろうねー。」


おぉー女性の黄色い声が聞こえてくる。

一気に華やいで来たねー。

1人 2人と宿泊客が食堂に入ってくる。

こうやって見てるとほとんどが冒険者ね。


「あれ?」


あの女性3人組の冒険者たちって確か……


「「「居たーーーーーっ!!」」」


なにっ?!


「きゃー、み つ け た」

「探してたのよー。」

「やっぱりここに居たのね。」


いきなり取り囲まれた。

それにめちゃ喜ばれてる、なにこの状況。

「探してた」、「やっぱりここに居た」

それらから察するに私にコンタクト取りたかったと見て間違いないわね。

どうゆう事?

私何かしたっけ?


首を傾げながら私が???を飛ばしていると


「ねぇ、しばらくこの宿に泊まる?」


「ええ、そのつもりですけど……」


「良かった。」


なんなんだろう、でも別に悪い話を持ってきた訳ではなさそうだけど……。


「実はね……」



え、そんな事? 

その為だけにここに来たの?






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