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第四十五話『たましいのちから』

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永巳(ながみ) 叶夢(かなむ)  性別︰女  種族︰人間


レベル︰14→16  MP︰105→115


スキル

〘火魔法︰7〙〘創作︰4〙〘回避︰4→6〙

〘槍術︰3〙〘悪食︰1〙〘記憶︰1→2〙〘歩行術︰1→2〙


2次スキル

〘熟考強化︰2→3〙〘高速思考︰2→4〙

〘惰眠︰1〙〘探求︰1→2〙



固有スキル

〘ふとん召喚〙



スキルポイント︰29   スキル検索︰


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         《取得可能》

精神耐性[10]歌唱[10]土魔法[10]風魔法[15]


New︰走術[20]


       《スキルポイント不足》

水魔法[30]殺生[50]怠惰[100]


        《進化可能スキル》



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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

         〘ふとん召喚〙


MPを消費し ふとんを召喚する


消費MP︰10


ふとんポイント︰26


疲労軽減︰1 ホーミング︰1 材質変化︰1 結界︰5


走行︰1  浮遊︰2


取得可能(消費ポイント)


 回復(5)  消費MP軽減(15)


進化可能(消費ポイント)


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「はい。これが私のステータス」


 やっとの思いで引き離すことに成功したヌルとルフに、先程ザック先輩に教えてもらった方法で私のステータスを送る。

2人は私のステータスを受け取ると、何故か嬉しそうにじーっと眺め始めた。


───因みにステータスの表示が変わっているのは仕様だ。

ステータスを送るなんてことができるなら、もうちょっと分かりやすくできるのでは?と思い願ってみた。

 そしたら、いい感じに前回のステータスとの比較ができるようになったのである。


「わぁ~い!ながみの魂だ〜!」


 青い板をぶんぶんと振り回し、見てるのか見てないのか分からないようなヌルに対して、ルフは真面目に私のステータスを見つめて何かを考える素振りをしていた。

その表情はいつになく真剣であり、いつもより凛々しく見える。


立ち振る舞いがルフいな……何か分析でもしているんだろうか?


 私はその姿に感心して暫くの間ルフを観察していると、ルフはとつぜん頭の電球がパッと灯ったように顔をあげた。

そして、その言葉を口にする。


「ながたま……」


「ルフ、やめてくれ……!変に略すんじゃない!」


───こいつ、真面目な顔で私のステータスのあだ名考えてやがった……!


しかも散々考えた挙句一番無難な所を……!


 ルフはあだ名を思いつき満足したのか、手元にある私のステータスをもう一度眺め始めた。

ルフ、内容すら見てなかったのかよ……お前ってやつは……


「ながみ~見終わったよ~!」


「おっそうか!早いなヌル」


「うん!だってちゃんと見てもわかんないしね~!」


 うん。知ってた。こいつらは不思議ちゃんだからな……

私は頭を抱えながら、満面の笑顔のヌルに軽くチョップを食らわせた。


「あぁん!ながみ積極的ぃ~♡」


……どこがとは言わないがぷるぷると揺れる。


……私は無表情でヌルの脇腹をぎゅっと掴んだ。


「ふはははは~!ボクには痛覚がないから効かないのだ~!

残念だったねながみぃ~♡」


「くっ……こいつ持たざる者の天敵か……?!」


私は完璧に負けた。目の前のどでかい双丘に……!


「そんなことより、はいこれボクのやつ〜!」


 絶望に打ちひしがれがくりと膝を着く私に、ヌルは青い板を渡してくる。

どうやらヌルのステータスのようだ。


「ぬるたま……」


「ルフ……略すんじゃない」


 私のステータスを見ながらぼそりと呟いたルフを(とが)め、私はヌルから受け取ったステータスに目を通す。


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ヌル・エル 性別︰女 種族︰精霊族


レベル︰19  MP︰613400


スキル

〘吸収︰8〙〘再生︰9〙〘分裂︰8〙

〘魔力制御【土】︰5〙〘魔力制御【風】︰4〙

〘魔力制御【光】︰3〙〘魔力制御【闇】︰3〙

〘魔力制御【火】︰2〙


2次スキル

〘魔力操作【水】︰8〙〘水面移動︰3〙


固有スキル

〘半魔力体〙



スキルポイント︰40   スキル検索︰


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「ろくじゅうまん?!」


 戦闘力53万の白い人でさえ勝てないという驚きの数値に目を見開く。

ツッコミどころのありそうなスキルが他にもあったが、それらを凌駕して余りあるインパクト。

私はザック先輩のステータスを見た時より驚いていたと思う。


「すごいでしょ〜?ボク昔からたくさんあったんだ~!」


「いや、これすごいとかいうレベルじゃないだろ?!

魔法連射して敵殲滅できるんじゃないか?!」


「そうだね、できるかもね~!」


 興奮してまくし立てる私と一緒に、手を挙げて喜ぶヌル。

褒められたのが嬉しいのか、いつになく笑顔である。


しかし……私がこんなにMPを持ってたら【布団手裏剣】を連射して最悪の兵器になれる自信があるぞ!?

それに、【加護布(シーツ)】で無限防御も可能だし……!


「最強じゃないか!すごいなヌル!」


 考えれば考えるほどすごい力だ……!

私は目の前で跳ねているヌルの肩を、ぽんぽんと叩いた。


すると、ヌルは少し申し訳なさそうに笑いながら、驚きの一言を私に告げた。


「いや~、それがボク魔法使えないんだよね~!」


「……え?」


「ステータス見たらわかると思うけど、ボク魔法ひとつも覚えてないんだ~!

なんかボクのむかしのおじいちゃんが精霊さんで、その力をたくさん貰ったみたいでね~?」


「ボクのからだそのものが魔力になっちゃった~!……みたいな感じだから、魔法使うとからだがぐちゃぐちゃになっちゃうんだ~!」


「それに魔法の適性が無いみたいで、いちばん低い水魔法でもスキルポイント5000ないと取れないんだよね~!

いや〜まいっちゃうよね!」


「まぁでも、体が半分魔力だから魔法の操作は得意で〜……ってながみどうしたの!?」


「うぅ……ひっく……ヌル……お前、そんなことが……!」


 なんということだ……!

いつも能天気だと思っていたヌルが、こんなにも悲しい過去を抱えていたなんて……!


それを私は……!


「ごめんなぁヌル……!知りもせずに最強なんて言ってぇ……!」


 目から大量の涙を流しながら、目の前のヌルにぎゅっと抱きつく。


私は魔力に関しては何もしてやれないが、ヌルが好きなハグくらいならしてやれる……!


「い、いや、全然いいよ~?だ、だから……ながみ泣かないで~?」


「うぁぁぁ……ヌル……!お前は良い奴だなぁ……!」


「な、ながみ……ちょっ、ボクこんなに迫られたことないからどうしたらいいか……!ルフちゃん?!た、助けて?!」


「それはむり、ながみはながみ。とまらない」


「ルフちゃん?!ながみの名前をしっかり発音してまで五七五読まないで?!そんなことするぐらいなら助けてぇ?!」


「ぬるううぅぅぅぅぅううう……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いや、ごめんヌル。私ああいうの弱くて……」


 恥ずかしそうに手で顔を隠して地べたに横たわるヌルに、遠目から謝罪の言葉をかける。


 しかしヌルは顔を赤らめてうぅ……!と呻き声をあげるばかりで、一向に返事はかえってこない。

一応呻き声で反応はするが恥ずかしくてこちらを見れないようである。


「ヌル……ご、ごめんな?」


「うぅぅぅうぅ……///」


 こ、これは……ダメかもしれない。

隠していた黒歴史ノートが見つかった子供のように、地面をぐるぐると悶えている。


あの自分から積極的に抱きついてくるヌルが、まさか抱きつかれるのには弱いなんて……


「なぎゃみ、しばらくおいといたほうがいい」


「そうだな……これはそっとしといた方が良い奴だな……!」


 私は平然とした顔のルフに止められて、地面に転がっているヌルから少し距離を開けた。

しばらくおいといたほうがいいだろう……


「それより、なぎゃみ。わたしのステータスみる?」


「あぁ、もう私のステータスは見終わったのか?」


「うん。だから、これあげる。わたしのステータス……るふたま」


「だから、変に略すな……!」


 私のツッコミを意にも返さず、ルフは手に持っている青い板を渡してくる。

こいつ、最初の頃より神経が図太くなってないか?


「全く、誰に似たんだか……」


そう呟いて、私は受け取った青い板に目を通す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ルフ・ウルフ 性別︰女  種族︰青狼族


レベル︰14  MP︰14


スキル

〘嗅覚︰7〙〘聴覚︰9〙〘走術︰6〙

〘思考︰5〙 〘予測︰7〙



固有スキル

〘気力纏い〙



スキルポイント︰27   スキル検索︰


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふむ……そういえば、ルフも固有スキルを持ってるんだったな」


〘気力纏い〙か……名前から読み取るなら、気力?を纏うスキルだが……


「ルフ、〘気力纏い〙ってどんなスキルなんだ?」


「ん……ちからをあつめるやつ」


「力を集める?」


「うん。みみとかにぎゅーってすると、よくきこえるようになる。まだあんまりつかえないけど……」


「へぇー、なんか強化するスキルなんだな」


「そんなかんじ」


 そういえばルーチェさんの屋敷に行った時とか、蚊の鳴くような小声でもルフに聞き取られたし、それに今日の特訓の時ルフの足の速さは飛び抜けて凄かったし……


それがもし、〘気力纏い〙のお陰だとしたら……

力を集めるのをしっかり使えるようになったら、割と強いんじゃないか?


───もしかしたら、私より強くなるかも……?


私は地面に横たわるヌルを眺めながら、そんなことを考えていた。


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