リル視点
私はリル料理人だ。
王や貴族だのそんな輩にい仕える気はない。
権力を振りかざすのが気にくわない。
金にものを言わせようとするのも気に食わない。
私は自分で店を経営している。
潰そうとしてくる輩もたくさんいる。
しかし肉を自分で取りに行くことができるのだ。
そこいらのやつらに負けはしない。
そんな私だったが、召還をされた。
召喚なんて貴族でも本当に力のあるものしかされないものだ。
しかし料理人の私が召喚された。
ああ、たまたま力のないものが使えてしまったのかと思っていた。
「えっと料理人召喚したんだけど」
なるほどなら私が召喚されるか。しかし料理人の召喚をするなんておかしな人だ。
作って帰ってしまおう。
「そうなんですか。じゃあ私が召喚されたのも納得です。私はリルと申します。それでは何をおつくりになったらよろしいですか?」
「おまかせで」
おまかせでなんてはじめてだ。
そこまで言ってもらえるのならば最高の料理をつくらなければなるまい。
「では材料はどちらに?」
「ない」
ふざけているのだろうか・・・
料理を食べたいのに用意をしていないとは。
おかしなひとだった。
うまい肉を聞いてきたから素直に答えたら本当に持ってくるとは知らなかった。
レッドドラゴンはドラゴンの中でも上位に位置するほうだ。
それを簡単にしかも無傷でドラゴンに傷をつけずにかってきた。
力を持っているのにそれをひけらかしたりしない。
こんなお方を待っていたのかもしれない。
「冥界一の料理人として最高の料理を作って見せます主様」
私はこのお方に仕えていくと決めた。




