第1章 2話 王冠の行方
校舎に着くと「何処を調べればいいんです?」と進藤さんが聞く。
「結局は地道な捜査が1番。1部屋ずつ見ていこう」
と腕組をしながら明智が言う。
「流石にそれは時間が…」と進藤さん
「私は何処でも構わない。怪しい行動を取る人がいないか見るだけ」
と見取がキョロキョロと周りを見ながら言う。
「来ました!上の方が怪しい」と勘野が指を上に指す。
「上の方ですか。では3階に行ってみましょう」と進藤さん
「どうやら、影の組織の仕業のようだ。混沌のラビリンスを感じる」
と漆黒の騎士
進藤さんはスルーして3階まで階段を上がっていった。
3-1の教室の出し物は、マジックショーのようだ。
黒板の前に2人が立ち、マジックを披露していく。
見取はすかさず「右の男の左手の動きがおかしい」
「そういうのはいいんです。だまっていてあげるのが礼儀です」
と進藤さんが言う。
明智は「なかなか興味深い。トリックに使える」
右手の人差し指を眉間に当てて話した。
「ここには邪悪な気配は感じない」と漆黒の騎士が言うので、
次の教室へ移動。
3-2の教室の出し物はフリーマッケットだ。
生徒達が、色んなものを広げて売っている。
見取が「あの生徒が出してるぬいぐるみが糸が解れている」
「見取さん、鋭いですね」と進藤さん
どうやら、見取の観察力は本当にすごいみたいだ。
漆黒の騎士がとある出し物に食いついた。
指先が露出している、黒いグローブを見つけた。
「これは闇のグローブではないか!」
漆黒の騎士は150円払って買っていた。
さっそく装着して満足気である。
「まさか、さっき言ってた闇のオーラを感じるって
これのことじゃないですよね?」
と不安そうに進藤さんが聞く。
次の3-3へやってきた。
ここは何も出し物をしてない。
黒板を見ると、体育館にてダンスを披露しています。
時間は~と書かれている。
あとは普通に机と椅子があるだけだ。
どこにでもある教室そのままだった。
次の3-4の教室に移動。
ここも出し物をしていない。
黒板には先ほどと同じく、体育館にて演劇をします。
題目はツンデレラ。
公演時間が書かれている。
そして他には、赤いマントや発泡スチロールで出来た剣が。
他にも演劇で使うと思われる小道具がいくつか置いてあった。
これは演劇用の小道具なのだろう。
3-5に来ると、休憩所と書かれていた。
椅子が適当に並べてある。
ここまでやる気のないクラスも珍しい。
特に見るべきものがないので、この教室を後にした。
その他3階には、音楽室と視聴覚室と放送室がある。
それぞれを見て回ったが、特にあやしいところはなかった。
「結局ありませんでしたね」と進藤さん
「真実とはどんなに闇に葬ろうと
いつか必ず白日の下にさらされるものです」
と警視庁特命係の天才刑事の言葉を言う明智
「では次はどこに行きましょうか?」
「来ました!人が多いところ」と勘野
「ずいぶんアバウトだなあ。どこも人が多いですよ」
と進藤さんがげんなりして言う。
「この時間だと体育館でしょう」と明智
「なるほど。初めて明智さんから、
まともなこと聞きました」と進藤さん
体育館に着くと、演劇がやっていた。
「たしかツンデレラでしたよね」と進藤さん
舞台にはツンデレラがお城に向かっているようだ。
「カタストロフィ・ジャッジメント」
と漆黒の騎士がいきなり叫んだ。
すると、王子様が登場した。
「見て下さい。王子が王冠を被っている」
と見取が指を指す。
「あっ」と驚く進藤さん「あれはクイズ大会の景品」
優勝者が「では私の王冠ですか」
舞台が終わると、壇上の方へ向かった。
するとスタッフと思われる、3-4の生徒が止めにかかる。
「こちらは関係者以外立ち入り禁止です」
「待って下さい。あの王子の王冠は私達のものです」
と進藤さん
「何を言ってるんですか、あれは作り物の小道具ですよ」
と3-4の生徒
「あなた達が作った王冠は教室にありましたよ」と明智
「えっ」と驚く3-4の生徒
「ギルティ」と漆黒の騎士
「王冠を見て下さい。ここに空洞があるでしょ。
これはこのプラスチックの宝石型の穴です。
つまりこの王冠は、私達のです」と進藤さん
「すいませんでした」と謝って来たのは、
外でビラを配っていた3-4の生徒だった。
「実は用意してた王冠の出来が悪かったので。
そしたらクイズをやってる側の机に、
それらしく見える王冠があったのでつい」
どうやら勝手にすり替えてしまったらしい。
舞台が終わったので、王冠は無事優勝者の手に渡された。
「まあ私にかかればこんなものですよ」と明智
「え~とあなた何かしました?」と進藤さん
「推理に偶然はない」
と小学生の姿をした高校生探偵の言葉を言う明智
「はぁ推理ねえ…」と進藤さん
とりあえず、事件は解決した。
4人の自称探偵はそれぞれ満足げに帰って行った。




