表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、悪役騎士団長に転生する。  作者: 酒本アズサ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/274

427.

後書きにお知らせがいくつかあります(*´▽`*)

「やっと着いたぜ~。ここが交易都市って町か。王都並みにでかくねぇ? 向こう側が見えねぇから、都市全体の大きさすら把握できねぇよ」



 まるで砦のような市壁の周りに、中から溢れた人々が住み着いたと思われる住居や店が広範囲に建っている。

 ラフィオス王国やエルドラシア王国の市壁は円を描くように作られている事が多かったが、ここは四角い造りなのか、左右を見ても端がわからないほど大きい。

 シモンは王都並みと言ったが、恐らくラフィオス王国の王都よりも大きいだろう。



「これだけしっかりした防壁がある上、外に暮らしている者が多い。となると、門番が俺達の身分証が読めない場合、入るのは難しいかもしれないな。エルフ様効果で通してもらえればいいが……」



 だが、これだけ大きい都市であれば確認も厳しいだろう。

 俺達は荷物の少ない徒歩の者のみが並んでいる列に並んだ。

 門の前には他にも商隊らしき馬車が多い列、俺達の感覚で言う冒険者が多い列、そして明らかに特権階級であろう貴族の馬車が数台並んでいる列がある。



「それにしても、この国のヤツらってみんな黒髪なのな。目も黒いか? あの馬車の列は俺みたいな髪色のヤツもチラホラいるけど、団長と藍は目立ちまくってんな。み~んなこっちをチラチラ見てるぜ?」



 それはさっきから思っていた。

 名前からそんな気はしていたが、この黄鱗帝国は漫画で読んだ、三国志より前の古代中国のような雰囲気だ。

 この場にいるのはほとんどが黒髪黒目の黄色人種、つまり俺達はとても目立つ。

 藍は耳が隠れるようにフード付きの外套を着ているが、その顔立ちまでは隠せない。



 ちなみにこの外套、俺の予備だ。

 最初、藍が自分の魔法鞄(マジックバッグ)から出したのは、虚無僧(こむそう)が被っているものの編み笠バージョンで邪魔くさくて仕方なかったからな。

 虚無僧というのは、時代劇で尺八を吹いているイメージのアレだ。



 あの小さい村でも大変な騒ぎになったのだ。こんな都市でエルフだとバレたら大変だからと、交易都市が見えてきた時点で被っていた。

 しかし、一緒に歩いている俺とシモンの顔や頭に笠の縁が当たるのだ、何度も何度も。

 というわけで不本意ながら俺の外套を貸す事にした。



「結構長い列だよな~。なぁ、団長、あっちの貴族用っぽい列でいいんじゃねぇ? 早そうだしよ」



「それは少し考えたが、俺達以外馬車だぞ。貴族と認識されずに轢かれる可能性すらある。他国の貴族も自国の貴族と同様に扱う国なのかすらわからんからな。本来なら隣の商隊用の列の方が他国の言語がわかる門番がいる可能性が高いが、あの行列は時間がかかりすぎるだろう?」



 シモンも同意見なのか、コクコクと高速で頷いた。

 商隊用の列は積み荷の確認をしているせいで、もの凄く進みが遅い。

 そういえばラフィオス王国やエルドラシア王国の商隊は魔法鞄を使って、馬で周りを冒険者の護衛が囲むスタイルが多いのに、荷物を積んだ馬車がほとんどだ。



「では私が貴族門の門番に聞いてきましょう」



 そう言うと、藍はスタスタと貴族門へと向かった。

 馬車が入れ替わる瞬間を狙って門番に声をかけているのが見える。

 怒鳴られているようだ。門番の動きから察するに、失せろとでも言われているのだろう。

 あ、フードを掴んでいるから耳を見せたらしい。



 門番が走って消えた。

 何やら上司らしき人物を連れて来たようだ。

 またフードを掴んでいる。後から来た人物も頭を下げているから通してもらえるかもしれない。

 藍がこちらを見て頷いている。



「シモン、話が通ったようだ。行くぞ」



「やったね! ……やっぱりエルフ様効果かなぁ」



 声を潜めているが、周りに人がいるところで言うんじゃない。

 俺達が貴族門に向かって歩いている間も、貴族の馬車は次々に通って行く。

 そして馬車の窓からジロジロと藍が何者かと探るように視線を向けている。

 俺達が合流すると、すぐに市壁の中(・・・・)にある部屋へと通された。



「交易都市香蓮府へようこそこちらの藍様からお伺いしましたが、お二人はラフィオス王国の騎士だとか。身分証をお出しください」



「わかった。シモンも出せ。こちらとは文字が違うらしいが、読めるか?」



「はいよ」



 俺達が身分証を出すと、門番はマジマジと裏書を見ている。

 しかし、文字が違うのに、話している言葉は同じというのはかなり違和感があるな。

 この国も日本で書かれた小説の世界なのだろうか。驚くほどのご都合主義っぷりはきっとそうなのだろう。

 通された部屋の壁にある張り紙を見たが、どう見ても漢文だろ、これ。



 何となく意味はわからなくもないが、書けと言われても無理だ。

 だが、門番は辞書らしき本を片手に数分かけ、大きなため息と共に顔を上げた。



「ふぅ~……。伯爵であり国王直属の騎士団長のヴァンディエール様と、騎士爵のシモン様ですね。ラフィオス王国の文字はわかりませんが、エルドラシア王国の文字でしたら何とか解読できました」



「ああ、それで合っている」



「藍様にお聞きしましたが、滞在の許可を得に都へ向かわれるとか」



「ああ」



「ではその旨を記しておきますので、帝国内の門番にはこちらをお見せください」



 そう言って三人分の通行証を、竹の札に筆でサラサラと書き込んだ。

 へぇ、ジュスタンは賈斯坦、シモンは西蒙と書くのか。

 藍は藍色の藍だと説明したら、そのまま藍だった。



「ありがとう。ところで都はどうやって行けばいい?」



「そうですね……。商隊にお金を払って馬車に同乗するか、乗り合い馬車もありますし、抵抗がなければこのどちらかの護衛という形で同行も可能です。都までひと月はかかるので、個人で行くのはおすすめしません」



「ひと月!?」



 シモンが悲鳴のような声を上げた。



「あはは、いくつかの国が集まってできた帝国は広いですからね。ここから帝国の反対側まで行こうと思うと、歩けば半年くらいかかると思いますよ」



 単純計算してラフィオス王国の倍の面積はあるな。

 通行証を手に入れた俺達は門をくぐると、今いる香蓮府が交易都市であり、城郭都市でもあると知る事になる。

拙作をご愛読くださりありがとうございます!

本作の4巻が3月10日に発売予定です。

表紙、ご期待ください!!(´∀`*)ウフフ


今月23日発売のコミックスの書影が作画担当のfujy先生のXからご覧になれます。

https://x.com/fujy_san/status/2011727114488500320?s=20

あとは先日カドコミ「サイト」にて特集記事もでましたのでこちらに貼っておきます。

https://comic-walker.com/kadocommu/article/019b07f5-addc-750e-ac11-fcea53d404f9

注目トピックスの「今月のファンレターvol.6」です。

よかったら覗いてみてくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ