2話 火山
火山の中を少し進んでいる途中、数体の炎鳥がいたが、そこまで苦労せずに倒すことができた。
そのうち1匹から、何か光っているものが落ちてきた。それを拾うと、羽だった。
名前がわからないから、自分で名前をつけることにした。
ーー炎羽
自分で考えたのに、そのままだなと心の中で笑いつつ、進むことにした。
>>ホワイバーLv.4 UP!
>>クリロスLv.3 UP!
>>マリクLv.3 UP!
*
道なりに沿って進んでいくと、見たことのない魔物がいた。
何かを守っているようだ。
どうせ倒さないと通れないので、倒すことにした。
??炎緑鬼
僕は剣を炎緑鬼に振り翳した。
左腕が落ち、そこから緑色の液体が流れ出る。
その時、マリクが叫んだ。
なんだと振り返ると、もう1体の炎緑鬼が立っていた。
緑色の液体に釣られて来たのかもしれない。
「チッ。多いな。」
クリロスがそう言い、爪で切り掛かった。
最初にいた方の首が飛び、緑色の液体が――
出ていなかった。
首は消えた。「首は」倒したのだろう。だが……炎緑鬼は死んでいない。
胴体と首で分かれていることに、僕たちはそこで初めて気がついた。
だが、首を倒したことで、目が見えなくなったのだろう。少しフラフラしている。
最後に僕が切り掛かって殺そう。そう思った僕は剣をグールに振りかざーー
せなかった。
炎緑鬼は自分の手を盾代わりにして攻撃を受けたのだ。
炎緑鬼にはこんな知能があるとはわからなかったので、僕は驚いていた。
なぜ、目が見えないのに受け止められたのだろうか。
もしかしたら、こちらの気配を感じとっているのではないだろうか。
だったら強敵だ。今までは命があまりかかっていなかったが、今度こそ命がなくなる可能性も出てきた。
僕は考えた。気配を感じさせないで倒すためには?
ーー魔法だ。
なぜそんな単純なことが分からなかったのだろうか。
「マリク!頼む。彼奴の心臓のあたりを狙って魔法を!」
日本語になっていなかったかもしれないが、マリクは頷き、
「メリラ!」
と叫んだ。火の玉は一直線に炎緑鬼の心臓にあたり、燃えた。
倒せた!と思った瞬間、僕の体が宙に浮いた。もう一体の炎緑鬼が持ち上げたのだ。
その瞬間ピキという鈍い音が響いた。僕の骨が叫んでいる。折れてしまうかもしれない。
「バキッ」
折れた。左足が。今まで通りに戦えないだろう。治るのに5ヶ月ほどかかるだろうか。
「ホワイバーっ」
クリロスはそういうと炎緑鬼の体を一気に裂いた。
僕は宙に投げ出され、炎緑鬼は倒れた。
「ホワイバー?大丈夫かっ!?」
「左足が折れてしまったようです。今まで通りには戦えないと思います。」
「それでもいい。でも、まだこのパーティにいてくれ。君がいないと困る。」
それを聞くと、涙が出てきた。
「お、おい。泣くなよ。」
少しクリロスが困惑しているのが分かる。僕は涙を拭い、僕ができる精一杯の笑顔を見せた。
マリクが近づいてきて、
「大丈夫?足折れちゃったの?」
僕は頷いた。
その瞬間、マリクが、
「ホワリト」
と叫んだ。明るい光が出てくる。大きな光の玉だ。
それが少しずつ小さくなりながら僕の左足に入って行った。
僕の足は少し光って消えた。
「動く…ありがとう。」
と言ったが、マリクの姿は見えなかった。
あれ?と思って周りを見渡していると、僕の足元に倒れていた。
死んでしまったのか?そう思って脈拍を確認した。まだ、脈拍はある。つまり生きているということだ。
良かった。気絶しているだけだ。
クリロスが
「じゃあまだ動けそうにないから、一旦ここで待機するか。」
待機?僕は困惑した。こんなに暑い場所で?
「一旦外に出た方がいいんじゃないかな。この中暑いし。」
「無理に決まっているだろう?お前はみていないかもしれないが、炎緑鬼が守っていたものはなんだったと思う?」
僕は炎緑鬼が守っていた場所を見ると声が出ないほどびっくりした。
休める場所だった。ベッドや、食料がたくさん置いてあり、しばらく休められそうだ。
僕はマリクを背負い、ベットに寝かせた。
>>ホワイバーLv.6 2UP!
>>クリロスLv.5 2UP!
>>マリクLv.4 UP!
*
数日後。マリクが目を覚ました。
「ここは…?どこですか?」
「あの火山の中だ。炎緑鬼が守っていたものはこれだったんだ。おかげでみんな回復できた。」
「体が…動きません。」
「じゃあもう少し休むことにしよう。なぜ体が動かないのかな。」
「魔力を出せる量を超えてしまったため、全て私の体力を使ってしまったのだと思います」
*
ここで休み始めてから2週間がたった。
マリクは少しずつ歩けるようになってきたが、まだ空は飛べないし、戦えないだろう。
だが、ここにいるだけだと、ただ時間が過ぎてしまう。
マリクには申し訳ないが、僕とクリロスでレベル上げをすることにした。
1日3レベ上げるのを目標にして。
*
「ホワイバーいけるか?」
「もちろん!」
僕たちは炎鳥3匹を相手に戦っていた。
僕は剣で攻撃し、クリロスが殺す。
それの繰り返し。少し面白くないと思ったがどうせレベリングだ。
1週間の成果
>>ホワイバーLv.9 3UP!
>>クリロスLv.7 2UP!
>>マリクLv.4 レベル変動なし
炎羽×9
炎骨×1
うまくいかないものだ。1週間だったら、21レベ上がることを目標だったのに。
敵が出てこないのだ。もうこの火山の中の敵は全て倒してしまったようだ。
だが、骨が落ちた。僕は炎骨と名づけたが、どう使うのか分からなかった。
*
ある日、魔物はいないかと2人で火山を回っていた時。
火山内に叫び声が響いた。
「マリクの声だッ!」
僕たちは走ってマリクの元に戻った時、
その部屋に僕は驚愕した。
血だらけの部屋に倒れたマリク。
その体は抉られており、心臓が引きちぎられていた。
また、頭も破裂しており、脳や、頭蓋骨も飛び散っていた。
もう生きていないことは間違い無いだろう。
顔がかろうじで見えた。
悪魔を見たかのように引き攣っていた。
「誰がッ!こんなことをッ」
クリロスは少し落ち着いた声で
「一旦ご飯を食べよう。俺が作ってくる。そうだな。さっき手に入れた骨をくれないか?」
クリロスの声に涙が混じっていく。
そうしてクリロスは部屋を出て行った。
☆
泣いてはいけない。そう思いながら俺は溶岩の近くに作った料理をするための機械のところに行き、骨を砕いた。
泣いてはいけない。もう一回同じことを思ったがますます涙が出てきた。
悲しかったのだ。だが、制御していた。親が復讐する時も涙を流さなかった。
自分を自分の中に封印していたのだった。
だが、今初めて涙を流せた。
*
少しするとスープが入った3つの皿を持ってクリロスが再び部屋に入ってきた。
「飲めるか?」
クリロスが言った。僕は涙を拭って頷いた。
クリロスのアイデアでマリクにも飲ませることにした。
漏斗を使いながら少しずつ。
飲ませ終わったら驚くことが起こったのだ。
周りに散らばっていた脳や頭蓋骨が少しずつ集まり、くっついた。
部屋についていた血や心臓なども集まりくっついた。
その瞬間!
「うーん」
と呻き声を上げ、マリクが起き上がった。
生き返ったのだ。
「マリクッ」
僕は泣きながら叫んだ。
クリロスも良かったと呟いている。
「みんな…ありがとう!」
良かった…
これでみんなでまた冒険を続けられる…!
*
「じゃあいいか?これからこの地のボス獄炎龍を討伐するぞ?」
「行こう!」
そうしてボスがいるだろう場所に入って行った。




