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幼き先の“未来”-とわ- 〜護られた子どもは、やがて誰かを護る〜  作者: しろ兎
Season4〜真夏の被災者、復興へ向けて〜
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S4-14 Touch the Sky -繋ぐ-

観測者

[エッホ エッホ まさかの最終回って伝えなきゃ。]

廊下。


直樹の、

鼻歌が響く。


大地

「上機嫌だな」


後ろを歩く、

大型犬と小型犬。


透明の、

リードを引く。


大地は、

灯の部屋の、

スキャナーへ手をかざす。


――シュゥー


真彩

「おかえり」


大地

「ただいま」


真彩

「ともり、みんな帰ってきたよ」


小さく、

揺れる瞳。


ゆっくり、

男3人を見渡した。


直樹

「灯!」


ベッドへ、

駆け寄ってきた。


直樹

「大丈夫?」


「…うん」


小さく返事。


見つめ合う。


直樹

「寝た方がいいよ」

「僕、ここにいるから」


大地

『残りの荷物運ぶの手伝ってくれ』


大地は、

ラファルサの肩を叩いた。


ラファルサ

『了解』


真彩

「純にぃ」


真彩の声に振り向く。


ラファルサ

「ん?」


真彩

「おかゆ作りたいの」

「材料貰ってきて欲しいな〜」


ラファルサ

「それだけでいいのか?」


真彩

「純にぃに任せる」


ラファルサ

「行ってくる」


真彩・大地・直樹

「「「行ってらっしゃい」」」


ラファルサを見送った。


大地

『なぜ、純…俺は?』


真彩を、

見つめる。


真彩

『大地は、灯の傍にいてあげてよ』

『荷物は、いつでもいいよ。ね?』


小さく、

首を傾げる。


その、

妻の姿に、

唾を呑んだ。


大地

『ああ…』


優しく微笑む。


灯の傍へ、

歩み寄った。


「パパ…」


直樹

「パパ?」


父親へ、

視線を向ける。


瞬き。


直樹

「…パパ…だね」


灯へ、

視線を戻す。


大地

「パパだろ?」


直樹へ、

小さく微笑む。


真彩

「パパだね」


「…パパ」


静かに、

笑い合った。


大地

「コレは?」


直樹の、

肩を引き寄せた。


直樹

「うわっ!」


「直樹……」


直樹

「…え」


頬が、

熱くなった。


「家族だねぇ…」


掠れた声。


直樹

「うん。…僕たちは灯の家族だよ」


そっと、

灯の髪に触れた。


見つめ合う、少年少女。


大地は、

真彩へ視線を送った。


大地

『少しいいか?』


真彩

『なあに?』


ふわっと、

真彩の背に触れ、

部屋の奥へ歩いて行った。


直樹

「2人きりだね」


「うん…」


小さな手が、

直樹の頬へ触れる。


その手へ、

応える様に顔を寄せた。


微笑み、

見つめ合う。


そっと、

小さな手へ、

逞しい指先が重なる。


灯は、

小さく息をついた。


小さな手は、

直樹の頬から滑り落ちた。


息が詰まった。


静かに、

その手を握る。


少女の、

瞳から、

一雫落ちる。


指先で、

そっと拭った。


直樹

「好きだ…灯」


離れた、

場所から見守る。


真彩

『言えたね』


大地

『そうだな…』

『……』


真彩を、

見つめる。


瞳が重なる。


真彩

『なあに?』


声にせず、

唇が動いた。


ふわっと、

唇が重なる。


我々には、

護るものがここにある。


この平和を、

未来(とわ)へ繋ぐ。


-

Credits

-


Touch the Sky -繋ぐ-


1.

静かな朝に 風が揺れた

A daily life that ought to remain unchanged


見えない扉 開いた瞬間

The world changed color without a sound


誰かを信じ

誰かに支えられ


小さな手は

まだ何も知らない


あなたを護っている理由も

Nor why we all stand together



涙は They're not a sign of weakness


痛みは They're not the end


触れた温もりが 心を動かしていく



君の笑顔を 護りたい

壊れそうな こんな世界の中でも


この手は 離さない

何度 傷ついても


The feelings we've shared

Will carry us into tomorrow


繋いだ想いは

Leading us into the future


この優しさが

Becomes the strength to protect someone



2.

空を見上げれば

The sunlight shines on where I belong


それでも

Hope never fades


白い羽根が

風になびくように


A quiet wish

明日へ 舞い降りる



触れることは 壊すためじゃない


To touch was never meant to destroy


この手は キミを抱きしめるため


心は Meant to connect


命は 託すため



君が笑えば

世界は少し優しくなる


涙も 痛みも

きっと無駄じゃない


The wishes we've inherited

Soar beyond the bounds of time


この平和を

未来へ繋ごう


明日へ


-END-

観測者

[最後まで読んで頂き、ありがとうございます。]

[主婦転シリーズはここで一旦終わりです。]

[余白は十分あります。いつかまた…。]


書き終えてから気づきました。

今回のSeason4最終話は、Season2最終話と不思議なくらい対になっています。


Season2では、ラファルサが直樹の涙を拭い、手を差し伸べました。

Season4では、直樹が灯の涙を拭い、その手を握っています。


『Touch the Sky -護る-』と『Touch the Sky -繋ぐ-』も、どちらも最終話を書く前に作った曲です。


狙って書いたものではありません。

書き終わって振り返ったとき、初めて繋がっていることに気づきました。


よかったら、Season2最終話と読み比べてみてください。

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